天外魔境2 卍MARU


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2)
発売日1992/03/26
価格7800円
発売元ハドソン

(c)1992 HUDSON SOFT / RED
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莫大な制作費と人員を投入して作られた「天外魔境2」は化け物ロールプレイングゲームである。
スーパーCD-ROM2の目玉タイトルとして制作され、そのポテンシャルを早々に発揮している。技術的にも見所の多い作品だ。
前作も凄かったが、今回も凄い。音楽制作にジブリの久石譲だ、やれ声優に岸田今日子だと、有名人をバシバシ使っている。

RPGの平均プレイ時間が20時間と言われている時代に、クリアタイム自称80時間というとんでもないボリュームを宣伝でぶちまけた。
さすがにそれは誇張しているとは言っても、単純に量だけで言えば、そこいらのRPG3、4本は入っていてもおかしくないスケールのでかさである(ちなみに自分はクリアまで60時間かかった)。

ストーリー重視型の王道を地でいくオーソドックスなタイプのRPGだが、力の入り方が半端無い。
PCエンジンのスペックをフルに使ったド派手なビジュアルシーンがここぞとばかりに挿入され、ゲームを盛り上げる。

売りであるストーリーも非常に良く練り込まれており、長いけどだれない。メリハリがきちっとついていて、面白い。
演出も上手で、ついついノせられてしまう。

今作では、国(1エリア)ごとに汎用データ(マップ、サウンド、文字台詞データ、モンスター)を読み込んでおくことで、1エリア内(国内)では、画面や戦闘の切り替わりで一々待たされない(その代わり戦闘背景は黒一色になっちゃったけどなァー)。
スーパーCD-ROM2でメモリが増えたことで出来た芸当だろう。
ディスクアクセスも、プログラムがだいぶ進歩したことで、待たされる時間が減り、CD-ROMのゲーム独特のストレスが無い。

また前作では、タイトルとエンディングぐらいしか流れずがっかりだった著名人作曲のトラックBGMも、フィールドマップで流れるようになり、無駄金をかけずにゲーム内にフィードバック出来て好印象だ。

レベルアップも小気味よく、死んでもお金が減らされたりすることはなく、マップを歩いていればステータス異常(死亡含む)は自然回復、HPMPも徐々に回復という親切さが、ゲームの展開を妨げず、テンポ良く遊べて良い。
おまけに敵のヒットポイントが丸見えなので、戦略が立てやすい。恐ろしくなるほど徹底されたお客様志向である。
村人の台詞も面白いし、情報の与え方もしっかりしてる。戦闘バランスも凄く良く出来ていて、感心させられる。

インターフェイスデザインもとても良く出来ていて、文句の付け所が無い。

褒めてばっかりいるが、それだけ良くできたゲームなのである。実際、これを超えるRPGが今後出ることは無いと思っている。
物語重視でありながら、プレイヤーを置いてきぼりにせず、どこをとっても、隙が無く出来上がっている。

極限を超えたゲームとはこういう物のことを言うのだろう。こんなゲームにもっと出会いたいものだ。そこで結論。

文句なしに傑作。





[2008/09/24]
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