対応機種 | PCエンジン(SUPER CD-ROM2) |
発売日 | 1991/10/25 |
価格 | 7400円 |
発売元 | 日本テレネット |
ビジュアルシーンを重視したロールプレイングゲームを得意とする「コズミックファンタジー」でお馴染みの日本テレネットによる新作RPG「天使の詩」。
相変わらず、シナリオや、PCエンジンお得意のビジュアルシーンに力を入れた作風である。
肝心のゲームパートは、出来が悪く、遊べたものではないが、本作は、割と洗練されていてまとまっている方である(日本テレネットのRPGにしては)。
いわゆるオーソドックスなスタイルのロールプレイングだが、スーパーCD-ROM専用になったことで、エンカウント時の読み込みを始めとして、だいぶ快適にプレイできるようになっている。
冨士宏をキャラクターデザインに据えたことや、ケルト神話をテーマとしたストーリーは、巷のPCエンジンRPGで良くあるアニメアニメした没個性なものと異なり、オリジナリティがあり、良い雰囲気を出している。
ただ、せっかくのストーリーも、描写不足で、次に何をすればよいのかの誘導も下手。かつ、エンカウント率が高いため、非常にストレスが溜まる。
自慢のビジュアルシーンも、ほとんどなく、基本的にテキストベースで展開する。せっかく有名声優を起用して、CD-ROM媒体で制作しているのに非常にもったいない。オープニングとエンディング以外、ビジュアルシーンの質も悪く、みれたものじゃないのも辛い。
もっと、PCエンジンの利点を活かした作りをして欲しかった。
戦闘バランスはいい加減で、ゲームバランスが悪い。エンカウントの高さもあって作業的だし、テキストの誤字も多い。
マップ上のキャラグラフィックが小さすぎて、スケール感がないことや、インターフェイスが洗練されてないところが目立ち、イマイチ操縦性が悪いのも気になった。
町の住民の台詞で、重要な情報を喋った場合、「メモ」コマンドに自動で登録される機能は便利だが、登録されるのは8個までで、新しく聞いた情報が上書きされてしまう。
これは一度聞いた情報も再び記録されるため、既に不要の情報が上書きされ、本当に必要な情報が消えてしまう不便さが気になった。
昼夜の概念が入っているが、ほとんどの場所で昼夜で町の様子が変わることがなく、必要のない要素だと感じた。
この会社特有の、荒削りな作りを除けば、割と雰囲気は悪くないし、丁寧に作りこみさえすれば、もっと面白く出来上がったように思う。そこで結論。
独特の世界観は面白いが、RPGとしての質は悪い。