対応機種 | プレイステーションVita |
発売日 | 2013/03/07 |
価格 | 6480円(カード)/5830円(PlayStation Store) |
発売元 | バンダイナムコゲームス |
ニンテンドーDS「テイルズオブハーツ」を、昨年1月vita向けに開発した「テイルズオブイノセンスR」のシステムエンジンでフルリメイクした作品だ。
リメイクの仕方は、「テイルズオブイノセンスR」と一緒で、ゲームシステムやゲーム内容においても、そのほとんどを踏襲しているため、今作で敢えて語ることや新しく見るところはない。
先に書いておくと、DS版「テイルズオブハーツ」とは、ゲームシステムが大幅に違っていて(大きな違いとして戦闘シーンが2Dではなく3D戦闘になっている)、なおかつ、オリジナル版の趣旨(面白さ)を再現する意図が全く無い。
そのため、リメイクというよりは、ストーリーやキャラクタ、世界観を原作として借りてきただけで、ゲーム自体は全く別物と捉えたほうが良い。
vita向けでは2本目ということで、細部に色々と余裕のある作りとなっている。
軽く改善点を挙げると。
グラフィックはグレードアップし、特にテクスチャはトゥーンレンダリングとなって、俄然雰囲気が出た。
しかし、イベントシーンは3Dカットシーンが中心だが、モーションやエフェクト、カメラワークなどが弱く、記号的な部分が残ってしまっており、淡白である。
スキル成長&装着システムも改善され、不満点が無くなり、かなり遊びやすくなった。
アニメムービーが大幅に追加されている。とはいえ1個1個が短いので、見応えはあまりない。
しかし、ムービーは4:3(簡単に言ってDS版からのもの)と16:9(新規)の2種類のサイズで収録されており、ベタ移植でもないんだからさすがに摺り合わせをはかって欲しかった所だ。
バトルシステムも色々変わっており、簡単に書くと、「エクシリア」のシステムをさらに発展させた形になっている。
TC(テクニカルカウンタ)のぶんだけ、特技をコンボに組み込めるようになっており、序盤から3,4つポイント持っているので、通常攻撃にプラスして怒涛のコンボ攻撃を出すことができる(特技を使うのに別途TPが必要)。
空中コンボばかり目玉として紹介されているが、事実上ほぼプレイヤーの動き(アクション)に制限がなくなったことで、戦闘のテンポも上がっており、爽快感あふれるバトルを体験できる。
欠点としては、コンボがインフレを起こしたため、鋼体(アーマー)持ちの敵キャラが非常に多く、かつ、かなり攻撃を当てないと鋼体解除出来ないバランスになってしまっている。
あと、前作(イノセンスR)と比べ、全体的に敵が動きまわるため、鋼体持ちの敵が多いことも合わせて、通常攻撃を当てづらくなっている感じがした。
今作の全体的な印象は、「テイルズオブイノセンスR」のレビューと全く一緒だ。
DS版の方が、オリジナリティに溢れており、面白いゲームを作ってやろうという気概を感じる作品だった。
それに対して、今作は、無難に王道的に小綺麗にまとめたものとなっており、誰でも遊べる間口の広い作品になっている代わりに、ゲームとしての面白さを犠牲にしてしまっている。
どちらの方向性が好みかは、人による。そこで結論。
良くも悪くもいつもの「テイルズ」(全体的にやっつけ仕事っぽさが漂ってるのが残念。本気を出せばもっと面白く出来るはずだ)。