ときめきメモリアル ドラマシリーズVol.1 虹色の青春


対応機種プレイステーション
発売日1997/07/10
価格4800円
発売元コナミ

(c)1994 1997 KONAMI
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PCエンジンを起点に、他機種に次々と移植されていくことで、大ブレイクを起こした人気作品ときめきメモリアルが、アドベンチャーになって新たに登場する。
よりドラマチックに、ブラッシュアップされた本作の出来映えはどうか。なお、この作品はセガサターン版も同時発売されている。

あまり知られていないことだが、このゲーム実は「ポリスノーツ」など作ってきた小島秀夫率いる小島組が制作している。
ハードボイルドなSF探偵物を作ってきた人たちがこんなのを作ることになるなんて涙を誘うが、まあそんなこともあってなかなか良く出来ている。

インターフェイスデザインは「ポリスノーツ」を継承していて、ポインタを動かし画面上の気になる部分をクリックし、表示されたコマンドを選択していく…というオーソドックスなタイプのADVだ。
しかし、作画がものすごく良くできている。非常にクオリティ高い。オリジナルよりも凄いかもしれない。
特にPSやSS版は、原画がPCエンジンのものを使い回しているので、塗りが古くさかったり、チープっぽさがどことなく漂っていたが、このゲームではそんなことでの不満は一切無い。
ちょっと逸れるが、ときメモの外伝ものの作画はひどいものがあった。いくらスタッフが違う、事情があるとはいえ、「ぱずるだま」の絵なんて、良く知らない人がふらっとみただけでも違和感覚えるほどひどかったものだ。

主人公以外はフルボイスで喋る。フラグ管理も優秀で、事前の行動がボイスに反映される細かさも見せる(ポリスノーツでも若干あったが)。
しかし、ゲーム性質上主人公の台詞が頻繁に絡んできて、そのたびにページ送りでボタン入力を要求されるのは、ちょっとテンポがぎこちない気もする。

ジャンルはアドベンチャーゲームとされているが、どちらかというと、元作のSLG部分を抜いたゲームと解釈すべきで、
登場する女の子に好感度が設定されていて、それによってシナリオが変化したり、通常のADVのように特定のフラグを立てないと先に進まないというものでもなく、
一定量のコマンド選択権を与えられて、その中でどう行動するか、また、簡単なミニゲームを一定のレベルまでこなさないといけないなど、という少々ゲーム性を盛り込んだ物となっている。
まあただ、パラメータや女の子の爆弾を気にしたりする必要が無い分、やりやすくはある。よほどのことが無い限り、好感度が下がることはないので、難易度は低いと思っていいだろう。

最初にゲームの目的も提示されるし、本編知らない人でも、丁寧に解説ががっしり入るので、一見ファンディスクに見えるこのゲームだが、実は初見の人の方がストレス無く遊べるんじゃないか?っちゅう気がする。

しかし、不満点もいくらかある。
このゲーム、さすがアドベンチャーと謳ってるだけあり、ストーリーがなかなか細かいところまで良くできている。だが、それは1周で全てをみられる構造になってない。実に残念だ。
少々ノルマの厳しいミニゲームをこなしたり、厳しい条件を超えないと発生しないイベントがあって、本筋だけでもまあ満足出来るものではあるのだが、実にもったいない。
声を飛ばさないで、じっくりプレイすると大体、一周に7時間程度かかるのだが、このプレイ時間の割に中身が薄っぺらだ。これなら一本道にして、とことんストーリーを見せつけた方が満足感が得られたと思う。
結局この出し惜しみのせいで、毎日部活を真面目にこなす作業的な展開が大半を占めてしまう。

セーブ出来るタイミングが悪い。日をまたいだ時にのみセーブ出来るが、事前に次の日にこなすミニゲームであるフリーキックの予習練習が出来る配慮があるのだが、本番がくるまでが長い。一日二日間をおいて始めると、その練習で得た対策法をすっかり忘れてしまっている。

それから、この手のゲームの主人公は、どーも感情移入出来ない。女の子とのやりとりもとんちんかんな方向へ飛んでしまうことも目立つ。ギャルゲーでは、普通なのかもしれないが残念。

安く仕上げようというのがあるらしく、エキストラ役の声優が素人丸出しだったり(ちゅーかスタッフだろ)カット絵をごまかしたりしてるのがやたら目に付いたりするが、
ミニゲームも含め、基本プログラムはしっかり出来ているので、完成度は高い。

スタッフロールを見たところ、イベント周りの制作は、おそらく新人がやったんだろう。そこで結論。

Vol.2以降に期待!(小島組が作らなかったらこうはならなかっただろう)





[2006/09/22]
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