ときめきメモリアル ドラマシリーズVol.3 旅立ちの詩


対応機種プレイステーション
発売日1999/04/01
価格5800円
発売元コナミ

(c)1994 1999 KONAMI
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完全無欠かつ難攻不落の「ときめきメモリアル」の中での正ヒロインとして有名な藤崎詩織との恋愛ストーリーが描かれた人気シリーズの3作目。

ゲームエンジンは流用しておりシステム周りに大きな変化はないが、シリーズ集大成的な作品にしたかったらしく、3本目ということもあって様々な部分がこなれており非常にクオリティが高い。
ゲームは日付単位で進行し、放課後に自由時間が与えられ、恋愛SLGのように学校内を移動して女の子との交流を深めるが、この仕様がこれまで一本筋の通ったシナリオが予め存在する本作のアドベンチャーゲームとの相性の悪さを生んでいた。
しかし今作では、登場人物とエピソードを大幅に増やし、やることがなくなって退屈になり時間を持て余すことがなくなった。登場人物に関しては、本編作品で攻略可能な女の子は全て出ていると思う。少なくとも一周するだけでは行動時間が全然足りない。

サブエピソードにはそれぞれミニゲームがあてがわれており、これをやり込んで条件を満たさないと最後までそのストーリーを見ることが出来ない。ミニゲームの種類も豊富でどれも作り込まれており、非常に良く出来ている。
勿論本筋である藤崎詩織とのシナリオにも過去作同様にミニゲームが付けられているが、毎日運動をして体を鍛え各パラメータを上げていって最終日のフルマラソン完走を目標に日々鍛錬を重ねるというゲーム性が、元となっている本編作品のゲームシステムといい具合にリンクしていていい。
サブエピソードを攻略することで、このパラメーターが上昇してゲームが優位に進むように作られているのも嬉しい。

ストーリーは相変わらずベタだが、演出が上手くラストシーンでは思わずホロリと来てしまった。プレイヤーをノせるのが実に上手い!!
これまでスポットライトを浴びたことのない(恐らく不人気キャラ)今作でも脇役扱いのキャラクタ達のサブシナリオも、奇天烈なキャラ設定にも関わらず、何とか彼女らの魅力を引き出すべく頑張っている点も好感が持てた(しかし早乙女優美の棒読みだけはいい加減どうにかならんのかと思うが)。

そんなわけで、単調・退屈さや不快感(遊び手を不愉快にさせる言動をするキャラや展開を避けている)をほとんど感じさせることなく、気持ち良く遊ばせてくれるのがこのゲームなのだが、既にときメモブームが過ぎ去ってしまったこと、アドベンチャーゲームとしてあまり面白くなかったことで多くの人が見限ってしまったことを考慮すると実に不遇な作品だろう。
どっちかというとときメモ人気を冷めてみていた人にこそプレイしてみて欲しいゲーム。あと、過去作で懲りた人にも騙されたと思って遊んでみて欲しい。これが完成形と断言できる。

最後に不満点を一つ。Vol.1とVol.2のデータ連動があるならもっと目立つところに書いといてくれー!おかげでボーナスシナリオを見逃してしまった。そこで結論。

これこそが真のときメモだ!!(ミニゲームも多いし)





[2011/01/04]
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