対応機種 | プレイステーション3/Xbox360 |
発売日 | 2013/04/25 |
価格 | 7980円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
フルポリゴンアクションアドベンチャーゲームの老舗人気シリーズ「トゥームレイダー」久々の新作だ。
シリーズとしての冒険や挑戦にも積極的で、特に人気の源泉である主人公ララの「強い女性」というキャラクター性まで変更し、若いころの「弱い女性」にしてしまったのは、かなり勇気のいる決断だったと思われる。
ゲームとしては、最近良くあるタイプの、洗練されたスペクタクルシーン満載型アクションアドベンチャーゲーム。
これに、RPG的な成長要素を取り入れている。敵を倒したり、マップを探索してオブジェクトを調べる(集める)ことで経験値が蓄積され、スキルを習得させていくことができる。
局所的に発生する銃撃戦、テンポよく進む巻き込まれ型のストーリー展開、凝ったカメラワークと演出によるアスレチックアクション等、PS3「アンチャーテッドシリーズ」を彷彿とさせるゲーム内容となっている。
ステージマップはかなり広大で、与えられた道をただ前に進むだけになっておらず、寄り道をする余地の十分あるものとなっている。
しかし、グラフィックの描き込みや、入り組んだマップ構成によって、位置がわかりづらかったり、次に向かうべき目的地を見失うことが頻繁にある。
ゲームとしてのボリュームも申し分なく、どの要素も非の打ち所のない高いクオリティを発揮している。
強いて言えば、ここまで作りこむためにはどうしても長い開発期間が必要だったせいか、発売時期が今ひとつ遅かった印象がある。
細かい不満点も結構多い。
このへんは派手さを重視したアクション映画と割り切るしか無いのかもしれないが、見た目とは裏腹にストーリーがチャチ過ぎて、冷める部分が多い。長い割に話に中身が無いため、全体的にダラダラとした感じになってしまってるのが残念。
また、「トゥームレイダー」といえば、、ララ・クロフトの痛快冒険活劇を期待する人が多いと思うが、ことさら、このへんのキャラクタ設定を変更してしまったことで、別物化してしまった点。
メニューインターフェイスが独特で、なれるまで見づらく使いづらいこと。
強制スクロール(アクション)シーンで、凝り過ぎた演出のせいもあり、一撃死トラップの場所がわかりづらかったり、クイックタイマーイベント等、全般、ゲーム側の誘導が弱い(作りが甘い)ところが節々で気になった。
戦闘シーンでは、近接攻撃が弱いために(強化することで使えるようにはなる)、近づいてきた敵を倒す爽快感に乏しいことなど。
面白いし、良く出来ている作品なのだが、作りこみに時間を要したせいか、今となってはオリジナリティに乏しく、イマイチこのゲームならではのウリに欠けている感が目立って見られた。そこで結論。
圧倒的な作り込みによる完成度の高さに反して、今作独自の魅力が無く物足りなさを感じさせるもったいない作品。