まいにちいっしょ


対応機種プレイステーション3(PlayStation Store)
発売日2006/11/11
価格0円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2006 Sony Computer Entertainment
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人気シリーズ「どこでもいっしょ」の人気キャラクター、井上トロと、それとは対照的に毒のある性格のクロが、毎日、様々な話題を提供する、
「トロステーション」を柱に、アバター機能などを盛り込み、毎日プレイステーション3を起動してもらう狙いで開発されたゲームコンテンツである。

こういったコンセプトのゲームなので、ソフトウェア自体は無料である。しかし、アバターアイテムなどサブコンテンツは有料で、いわゆるアイテム課金で収益を上げていくタイプのゲームである。
ゲームの中でも、ジャンル分けをするならば、ネットワークゲームに近いと言えよう。ただし、ゲーム性はきわめて薄い。

サービス開始初期こそ、内容に乏しく貧弱な印象を与えたが、プレイステーション3本体の機能拡張に伴って、このゲームもパワーアップをしていき、魅力的なゲームになりつつある。

なにより、毎日更新される「トロステーション」の完成度の高さに驚かされた。
この手の物は、汎用的な演出(背景、音、モーション)をあらかじめ作っておいて、あとはメッセージウィンドウに載っけて、決まり切った場面で決まり切った演出を組んでおく程度の物を想像すると思う。
しかし、本作では、その日の話題によって、撮影してきた素材を背景に載せたり、わざわざ新しくSEを作ってみたりと、かなり手の込んだ作りになっている。
吹き出し式のメッセージのやりとりだけでなく、画面全体を使って、たとえばゲームの宣伝であれば、ゲーム内容の説明を、まるで漫画を読み進めているかのようなわかりやすい絵と文字のレイアウトで紹介していく。非常に親しみやすい出来映えとなっている。

そして、肝心なのが中身である。こちらも、最初こそそのシュールさについて行けないところがあるが、見ていくうちに不思議と面白くなっていき、やみつきになってしまうというスルメ的な特徴を持っている。
2006〜2007頃に訪れたと勝手に定義しているオタクブーム(おっくせんまん、ニコニコ動画、涼宮ハルヒの憂鬱、らき☆すた)の中でも、オタクキャラ(本来マニア志向だった旧来的な悪い意味ではないオタク的言動、心情を敢えて言わせることで心をつかむ)をクロにかぶせることで、ブーム(勢い)にもうまく乗っかり、
中々他では見れない面白いやりとりが毎日見られるようになっている。

同世代ハードでは、Xbox360ではインサイドトーク、Wiiではみんなのニンテンドーチャンネルで、同ハード向けゲームの宣伝をストリーミング配信を通じてガンガン流しているが、PS3では、その役割をこの「まいにちいっしょ」が担っている。
新作ゲームをトロとクロが、おもしろおかしく、そしてわかりやすく紹介する、ここまでは余所と同じだ。しかし、この「トロステーション」は毎日更新され、ゲーム以外の様々な雑学をも取り上げていく作りである。そのため、登場キャラがかわいく魅力的で、面白いことも相まって、親近感を持ちやすいのが他社製と比べて決定的な違いである。
ゲームの情報提供や宣伝を流すことは重要だが、それを見てもらえなければ意味がないのである。
他のハードと違って、「まいにちいっしょ」では、動画に頼ってプロモーションばかり流すのではなく、一歩引いた形で紹介することで、興味のないゲームにも興味を持ってもらおうという狙いが、とても上手に実現されている。

アイテム課金とはいえ、本作はみゃイルという通貨もあり、これは「まいにちいっしょ」をやり込むことで溜まっていき、これを消費して買い物することも出来る。
日が経つにつれ、色々な機能が追加され、バージョンアップされていく。その頻度は、オンラインゲームに匹敵する。

「どこでもいっしょ」シリーズの特徴である、ゆるい作り(癒し系)が取っつきやすく(ゲーム性に乏しいという声もあるかもしれないが、それがこのシリーズの長所である)、また決して手を抜かない作りが、高い完成度を実現していると思う。そこで結論。

PS3を買ったら、まずこれをインストールだ!





[2009/05/18]
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