テイルズオブザワールド なりきりダンジョン2


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2002/10/25
価格4800円
発売元ナムコ

(c)2000 2002 NAMCO / WOLFTEAM / Alfa System / いのまたむつみ / 藤島康介
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フリオとキャロがなりきり士の力を使って町の人達を助けていく、テイルズシリーズの外伝。
「高機動幻想ガンパレードマーチ」など代表作に持つ、高い開発力を持つことで話題のアルファシステムが製作している。

なりきりダンジョン2と銘打っているが、趣旨もシステムも異なっているため、別物と考えて良い。

大まかなシステムは、一般的なRPGを踏襲している。見下ろし型のフィールドで、ランダムエンカウントのタイプ。装備品だけは後述するが、一風変わったものになっている。

ゲームの基本的な流れは、町の中で情報収集、クエストの発生、目的のダンジョンで依頼達成の短いプロセスの繰り返し。
ストーリー性はほぼ皆無で、アイテムを取ってくる、特定の敵を倒す、人探し、といったものが脈絡もなく起こる(一定数クエストをこなすとシナリオの進展があり一応エンディングは存在する)。

はっきりいって、かなり作業的なゲームで、単調さは拭えない。が、携帯機ということを加味すると、空いた時間に手軽にプレイするように敢えてこのようにデザインされたと取れないだろうか。
システム周りは、服のカスタマイズが割と凝っているのだが、ゲームバランスがどっぷりぬるま湯で、あまり考えなくても進められるため、ダラダラプレイが十分に可能となっている。
特に、テイルズキャラの中でも魔術士が強い傾向にあり、そういったキャラを仲間に連れていけば、まず苦労することはない。

テイルズ独特の戦闘システムである、サイドビューのリアルタイムアクションも、ゲームボーイアドバンスとしては中々の再現度を誇り、気持ち良い動作で遊ぶことが出来る。
パーティメンバーが最大3人(性能の限界なのだろう)であること、上級魔法を唱えるとエフェクト展開で時間が止まるぐらいで、それ以外はほぼ「テイルズオブエターニア」に準じた作り。

主役のなりきり士2人は、「剣士」「魔術士」といった服を着ることで、その職業の能力を使うことが出来る。
このコスチュームは、服と素材を組み合わせることで、強化したり別の服に変化させることが出来る。いわゆる合成システムを採用している。
このゲームでは、目的の一つにコスチューム集めがあり、集めたコスチュームが図鑑に記録されていくのだが、本作はここに大きな問題点がある。

まず、レベルがキャラクタではなく、服自体に付けられているため、違う服に着替えてしまうと、またLV1から育てなおしになる。
しかし、育てた服を変化させるためには、その都度ルーツと呼ばれる素材が必要で、これが思った通りのものが手に入りにくいため、気軽に合成システムを使ってコスチュームを変えることが難しい。
一度作った服装なら自由に変えることができたり、逆にレベルが服ではなくキャラクタ依存だとしたら、だいぶ改善される問題点である。

ゲーム内では、ダンジョンごとに違う弱点属性を持つ敵がいるので、属性を意識して戦って欲しいとくどいぐらいに説明しているのだが、システム面との連携がしっかり取れていないため、活用する気になれない。
さいわい、戦闘バランス自体はレベルが上がりやすいことや、強力なテイルズキャラが助っ人で戦ってくれることもあってかなりヌルいため、意識しなくても厳しくなる局面は全くない。

ゲームを進めていると、テイルズシリーズのキャラクタが登場し、町に住みつくようになる。友好度(具体的に示されているわけではないが恐らく内部パラメータが存在している)を深めていくと、クエスト時に自由に仲間に入れることができるようになる。
作品の垣根を超えて、シリーズ作品のパーティメンバーが集結し、その時の気分で、好きなキャラクタを連れていき、一緒に戦闘をする。シリーズファンならこれだけでも楽しめるだろう。
ちゃんと、各キャラの魔法や特技がしっかり再現されていて掛け声のボイスも収録して喋ってくれて、それっぽい雰囲気が出ているのも特筆すべき点だ。
ただ、「テイルズオブファンタジア」クラースの召喚術が、「テイルズオブエターニア」のものに変更されているのが、わかってない感じだ。

ゲーム上の舞台となるダンジョンも全て歴代テイルズシリーズのものを使っており、元ネタを知っているとニヤリと出来る作りも良い。

その他に不満点としては、最後のボスの理不尽な強さが気になった所。マップの使い回しが非常に目立つ。リセット機能がない。セーブが(通信機能の関係で)一つしかできないことが挙げられる。

基本的にファン向けに作られた安上がりなゲームだが、GBAとしてはプログラムレベルも高く、間口の広い軽い作りなので、それ以外の人でもそこそこ遊べる内容になっている。そこで結論。

携帯機らしいRPG(起動時にウルフチームのロゴ表記があり、まだ生存していることに個人的にゲーム中で一番驚いた所だ)。





[2011/03/17]
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