出たなツインビーヤッホー!デラックスパック


対応機種プレイステーション/セガサターン
発売日1995/09/29
価格5800円
発売元コナミ

(c)1995 KONAMI
戻る

業務用の「出たな!!ツインビー」、「ツインビーヤッホー!」のシューティング2本をカップリングした、お買い得なデラックスパックシリーズ。
どちらも、業務用を完全移植している。

「出たな!!ツインビー」について。
PCエンジン版の方で内容をすでに触れているので、簡潔に触れる。

全体的に背景、画面が華美で、敵の位置、敵の弾などが背景に溶け込んでしまっており、見づらい。
がしかし、縦シューティングとしては、丁寧な作りで、ゲームとしてのクオリティは高い。
難易度は高めではあるものの、コナミ特有の覚えゲーの色合いが強く、何度もプレイすることで、着実に上達の実感が得られる作りは絶妙といえる。

また、シリーズの世界観を決定づけたメルヘンチックなグラフィック、ビジュアル、音楽などは綺麗に決まっており、それだけでも価値があり、見どころとなっている。
ステージ間のアイキャッチなどの、ストーリーやキャラクタを簡潔に描いている点も素晴らしい。

続いて、「ツインビーヤッホー!」について。

縦シューティングなのに横画面というのは、業務用の段階で、コンシューマ機への移植展開を見据えたものだったのだと思われる(そして実際、移植された)。

ゲームとしては、散漫であり、何をやらせたいのかがわかりにくい。

避けさせたいのか、稼がせたいのか、キャラを売りたいのか、ストーリーを見せていきたいのか、全部やろうとしてあれもこれも詰め込んで、逆に失敗してしまっているパターンだ。

2Dのドット絵でありながら、宙返りや急旋回といった3Dを意識したステージ上の演出は素晴らしく、他ではなかなかお目にかかることの出来ないド派手な演出には思わず目を見張る。
ラジオドラマと同じ声優が、ゲーム中に顔グラ付きで会話を始めたりといったやりとりは、業務用のSTGとしては非常に珍しい。
(ただ、業務用の場合、字幕をつけてやらないと、何を喋ってるか聞き取りづらいのだから、そこら辺の配慮は必要だろう)

不満点を取り上げる。
「出たな!!ツインビー」以上に、画面がカラフルで、敵や敵弾が非常に見づらく、また、そのグラフィックも、メルヘンチックというよりはアニメチックなだけで、アート的な面白さはない。

また、「ツインビーパラダイス」で、ラジオドラマなどキャラクタを全面に押し出した路線にシフトした割には、ストーリーがぞんざいで、起承転結のパターンを抑えただけの内容のせいで、魅力が全くない。
ここは、なんとしても無駄になっても良いから凝って作って欲しかった(せっかく声優を起用したり、主題歌を流したりしているのだから)。

ゲームバランスもイマイチで、急旋回などストーリー的な演出が入っている間にも、敵がガンガンやってきたりして、せっかくの演出が台無しになってしまっている。
ステージ構成が、どうも全体的に練られて無い印象。

アイテムの種類も多すぎる。ベルパワーの他に、地上敵を倒した時に出るウェポンアイテムも複数種用意されている。
だが、間違って取ってしまう事が多かったり、うっかり間違えて取って両手に装備されてしまうと、対地ボムを撃てなくなってしまう。
あと、分身とバリアを両方装備できず選択制なのもどうかと思う。もっとシンプルにして欲しい。

「極上パロディウス」などであった難易度補正機能が採用されているが、あまり効果的に機能していないように感じる。
というのも、強制その場復活なので、上がりすぎた難易度に初期状態で対処できないまま撃墜を繰り返し、難易度が大幅に下がるというパターンに陥ることが多すぎる。

結局、色んな要素をごちゃまぜにした結果、最終的にはベルをお手玉して黄色ベルを延々取り続けて得点を稼ぐというゲームに成り果てててると思う。
もっと他のSTGは、敵を撃ち倒す爽快感に溢れてたり、稼ぎにしても、本来はもっと楽しい行為のはずなので、ゲーム的には厳しい評価にならざるをえない。

キャラゲー化してしまうと、やはりどーもゲームとしては出来が悪くなってしまうというジンクスがあるようだ。そこで結論。

収録作品が遊びたいものならどうぞ。





[2017/06/06]
戻る

inserted by FC2 system