対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1994/01/07 |
価格 | 9000円 |
発売元 | コナミ |
シューティングでお馴染みの「ツインビー」が、アクションゲームに挑戦!!
出来はいかほどのものか!?気になるところだ。
この頃から、ツインビーをキャラ物として売りだそうとした、ちょうど路線の転換期だったのではないかと思う。
(実際は、これよりもう少し前で、文化放送でラジオ番組を始めたりして、世界観を固めたりしていたが)
しかし、このゲームを作っている段階ではまだ、ライトやパステルといった操縦者の名前も決まっておらず、世界観的にはまだ完全に固まる前だと思うが。
「ツインビー」というシリーズを、シューティングゲームだけで売るのは分が悪いということで企画が立ったのだろう。
で、おそらく、「ツインビー」をアクションゲームにするのにだいぶ苦心したんだと思われるが、なぜだかセガ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のようなゲームに仕上がってしまっている。
全く同じでは無い。
だが、ステージのクリアタイムが計測されたり、方向キーを入れっぱなしにするだけで速度が上がったり、全体的にスピード感や疾走感を重視した作りになっている所。
そこら辺から間違いなく「ソニック」を意識していると言ってもいいだろう。
しかしそれ以外に関しては、オーソドックスなアクションゲームと同じシステムになっている。
セガの「ソニック」が、高速スクロールアクションとして楽しめるようにするために、様々なものを犠牲にしたりして、それに特化していったのに対し、
こちらのゲームは、普通のアクションゲームに、それを足していったようなものになっているので、どうにも操作感が良くない。
ステージ構成も、普通のアクションゲームとしては悪くないのだが、キャラの動きになんとなく落ち着きが無いので、どうにもごちゃっとしているように感じられる。
近距離はパンチやハンマーで殴る、遠距離はピストル、攻撃判定のあるぶんしんのオプション等(敵を倒して強化ベルを取ることで使えるようになる)
それに加え、溜めジャンプで、入力キーの方向に一直線に飛んで行くことが出来る。これを連続で使えるので、障害物がなければ、基本的にどこへでも飛んで行ける。
壁にぶつかると90度反射して飛んで行く性質がある。
なかなか面白いアクションではあるのだけれども、これを活かしたステージ構成になってないので、使っていて面白いと感じられる場面が殆ど無い。
逆に、こじつけるように無理矢理使わせるような箇所がいくつかあって、それを強制されると、なんだか途端に煩わしくなってしまうのだ。
溜めジャンプは文字通り、ジャンプボタンをゲージいっぱいまで貯めることで使えるのだけども、ジャンプ中にボタンを押していても溜まっていくので、使いたくない時に暴発することがあるのが困りものだ。
(この溜め性能を活かして、連続溜めジャンプが出来るのだが)
ボス戦がアドリブの効かないガチガチのパターンゲー(難しいという意味ではない)になっているのを除けば、グラフィックはパステルカラーで子供受けの良いデザインだし、難易度も適度でまあ悪く無い。
ただ、アクションゲームのコナミとして考えると、ちょっと素直に褒められない仕上がりだ。
ステージが無駄にだだっ広く、迷路染みていて、どこに向かったらいいかわからない。また、広い割に似たような地形が多くて、イマイチ面白みのない構成(これは、“コナミにしては”という但し書きを付け足しておく)
「スーパーマリオ」のように、ゴールが複数あってステージ分岐したり、鍵のかかったドアを探して開ける、ステージ上に隠れた妖精を探しだす、といった探索要素、やりこみ要素が用意されている。
これを100%にすることで、真のラスボス、真のエンディングが見られるという仕組みになっている。
が、さっき書いたようにマップがだだっ広いせいで、これらの要素がはっきり言って苦痛でしかない。
もっと言うと、アクションステージ自体も、何度も遊びたいと思うほどメリハリのあるものじゃないので、つまらない。
それに、これも何度もしつこいが、老舗ゲームメーカーで天下のコナミが、中途半端に「ソニック」の真似をしてきているというのが、どうにもダメだ。個人的に好きになれなかった。
肝心のスピード感についても、最高速でも驚くような速さはない。そこで結論。
一定水準を満たしたゲームだが、コナミにしてはイマイチ。