スペースグリフォンVF-9


対応機種プレイステーション
発売日1995/01/27
価格4800円
発売元パンサーソフトウェア

(c)1995 PANTHER SOFTWARE
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PCゲーム「HAMLET」を、大幅にリメイク移植する形で製作されたのが、この「スペースグリフォンVF-9」だ!
主人公は3つの機体に変形できる出来るロボに乗り込み、一人称視点で舞台となる月面基地を探索する。そこに徘徊する敵と戦いながら物語を進めていく、アクションアドベンチャーゲーム。

プレイステーション初期の作品にしては、ポリゴンを使ったフィールドのグラフィックレベルが高い。
メカの設定や、小物類のディテールもしっかり作られており、直接的にゲームの面白さに直結するものではないが、凄く雰囲気が出ている。
それ以外でも、全体的に、キャラクタの台詞回し、世界観やゲームの雰囲気を崩さずなるべくリアルに描こうと言うこだわりがある。
インターフェイスの面では今一歩マニアックさがあり、垢抜けない部分はあるものの、中々良く出来ている。

また、メカの操作が複雑そうに見えて、実に洗練されており、すぐに操作に慣れることが出来る(レベルアップのシステムはいらなかった気がする。どうせゲームが進むと勝手にレベルが上がっていくし)。

基本的に、フルポリゴンの一人称視点のフィールドで、時々入ってくる仲間たちとの無線通信でストーリーが展開していく。
ただ、要所要所にビジュアルシーンが挿入されるのだが、これがムービーではなくプログラムで、感覚的にはPCエンジンのビジュアルシーンに近い。
だが、これの出来が(PCエンジンのビジュアルシーンに比べると)今ひとつで、盛り上がりに欠けるのが難点。

台詞はフルボイスで、起用声優が実に豪華。多少、チープな部分も、この人気声優陣のおかげでカバーできている。

これだけ華やかで、各パートよく出来ているのだが、どのマップも入り組んだ巨大迷宮のようなマップばかりの上、同じような風景が続くこと、指定されたエリアの敵を全滅させるとストーリーが進むというワンパターン構成が
単調さや退屈さを生んでしまっている。

ストーリーは悪くないし、雰囲気も抜群で、ホラー映画のような陰鬱とした空気感も上手い。ストーリーも抑えるべきポイントを抑えていて、期待どおりに進んでいく。

しかし、ゲームとしては、敵を全滅させるとストーリーが進むという展開ばかりで、作業感が強いことが足を引っ張ってしまっている。

難易度はそれほど高くないが、HPを回復させるリペア、攻撃時に必要になるパワーユニットの数が限られているため、下手をするとハマってしまう可能性がある。
(普通にやっていると、そうなってしまうことはないし、難易度も高いわけではないので、まずハマることはないだろう)
この辺、補給場所みたいな救済策が欲しかった所だ。

決して悪いゲームではないのだが、細かい部分で、イマイチ垢抜けない部分が多いため、そこら辺が気になってしまったゲームだ。そこで結論。

単調さは否めないが、それを各パートの質の高さで持ち直している作品。





[2017/12/14]
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