ウイルス


ハドソンを主軸に、セガ、エイベックスと3社共同で作られた大々的なアドベンチャーゲーム。
発売前にはコマーシャルも大量に流れた超大作ゲーム。

かなり金も掛けていて力が入っているのだが、それが空回りしていた感は否めない。

サイバーネットという仮想世界が発達したSFアドベンチャー。
ネットワークの中は、実際の世界と同じバーチャルな体験をすることが出来るというそれ系の路線。
どうも、ポリスノーツを意識したのか、影響されている部分が目立つ。
主人公は、このサイバーネットの中に潜むハッカーを退治する部隊に入っている。

基本的には古風なADVパートがメイン。
だけども、それに戦闘パートやダンジョンパートなど
様々なゲーム内容が入り込んだとにかく無駄に凄いゲームになっている。

まず、ADVパートは操作性が非常に良い。
見る、調べる、話すといった動作がそれぞれボタンに割り振られており、
それらが常に画面下に表示されている。
また、対象物を選ぶ際も、ポリスノーツと同じように直接一枚絵をクリックするものになっているし、
本作では、ボタンを押すごとに調べられる対象物にポインタが飛んでいくので
非常に直感的で分かりやすい。
しかし、残念なことに、一部屋での視点(移動)を変える際に、
Dの食卓やエネミーゼロと同じく、いちいち移動するムービーが流れる。
これがテンポを悪くしてしまっている。
これは当時のサターンの流行りだったのか?
整合性も取れてない。

他にも用意されたダンジョンパートと戦闘パートだが、
これがとんでもなく出来が悪い。

まず、ダンジョンパートだが、これがフルポリゴンで描かれており、
そこを主観視点で動くものになっている。
このポリゴンのクオリティがサターン初期をも凌駕する酷さ。
とても1997年に発売されたゲームとは思えない。
また操作のレスポンスも悪くぎこちない。
戦闘パートもフルポリゴンで同じような感じなのだが、
敵が殆どただの邪魔者でしかない。
一応、RPGのようにお金があって、武器を買い換えたりという要素もあるのだが
ADVメインのこのゲームで、そういう要素は余計だった。
ボス戦ではなかなかスペック的に凄いことをやっているのだが、
ゲームとしては全くダメ。
ボスはアニメ絵で弱点の箇所を探してそこを重点的に攻撃するのだが、
露骨なヒントがあるわけでも無し、見つけるまでがただただ苦痛である。

要するに、ゲームコンセプトが絞れていないのである。
あれもいれましょう、これもいれましょう、とゴテゴテに入れすぎた結果
プレイヤーが困惑するようなほどごちゃごちゃと色々な要素が入った煩雑なゲームになってしまった。
ADVのフラグ立て自体も突き放していて、順序立ててフラグ立てるのが大変だったので、
これだけに特化してくれた方がすっきりして良い。
変にアクション性を入れられてしまうと気疲れして遊び辛いだけだった。

やたら専門用語も多く、その割に解説してくれないため、ついて行くのが大変である。
大筋の内容は大体分かるのだが、わざと聞き慣れない単語を多用しているので、
読解するのに神経を使う。ムービーやボイス時には勝手に話が進められてしまうのでキツイ。
同じように独特の世界観で凝った見せ方をしているポリスノーツなどとは大違いで、
全く遊ぶ側の配慮が無い。

アニメ絵とCGの融合という、当時の流行りをこのゲームでもやっているが、
その摺り合わせをしようという努力が全く見られない。違和感バリバリである。
CG自体のクオリティも発売時期を考慮しても低い方で、金をかけている割に出来ていない。

全体的に深夜帯にやっているマニアックなアニメのノリ。
無意味に露出度の高い女性の絵も多く作画もそういう路線だし、主役に井上和彦を持ってきているのだから、
もっとハードボイルドな雰囲気にしても良かったのではないか。




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