ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/11/01
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2008 SQUARE ENIX / tri-Ace / KOU YOSHINARI / YOU YOSHINARI
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人気作品ヴァルキリープロファイルのニンテンドーDS版。
任天堂ハードでは初めての発売となる。ニンテンドーDSiに発売日をあわせた。

ロールプレイングと歌っているが、実際はシミュレーションRPGだ。
最近、DSやPSPでこの手の詐欺まがいのゲームが随分と目立っている。RPGと思って買ってふたを開けてみたら、SLGという格好だ。何とかして欲しい。

フィールドがポリゴン、キャラクタがスプライトで、クォータービュータイプの良くあるシミュレーションRPGである。
イベントでは背景と立ち絵で、ほとんどの台詞に音声が付けられている。フルボイスにしたかったんだろうが、容量の都合で入りきらなかったっぽい。

戦闘に参加させられるキャラは最大4人で、戦闘シーンは、マップから戦闘画面に切り替わり、一作目のものに限りなく近いシステムを取っている。
ただ攻撃時に、各キャラクタが、対象となる敵ユニットの攻撃範囲に入っていなければ、戦闘に参加出来ない。
逆に、ユニットが攻撃範囲に入っていればいるほど、4人全員で攻撃を仕掛けられる回数が増えて有利になる。逆のパターンも言える。

女神の羽という、キャラクタの潜在能力を引き出すコマンドがある。しかし、そのキャラクタは戦闘を終えると犠牲となって息を引き取ってしまう。
使わなくてもクリアは出来る。しかし、難易度はその分上がるし、後述するシナリオ分岐にも影響を及ぼす。また、味方を犠牲にすることで、キャラごとに違った強力なアビリティを主人公だけが覚えることが出来る。

主に女神の羽の使用回数によるものだと思うが、本作はマルチシナリオ制を取っており、プレイヤーの行動によって、シナリオが分岐していく。
シナリオが分岐することで、出会うパーティキャラも戦闘マップも変わるため、周回プレイをして楽しんで欲しい意図があるのだろう。
クリア時間は通常のRPGと比べると短く終われるようになっている。個人的にはこのシステムはあまり好きではない。

不満点として結構気になるのが、戦闘シーンである。
システム自体は、一作目と同じだが、視点がフィールドマップと同様見下ろし型なので、敵を浮かせたときなど、状況がイマイチ判別しづらい。
ボタンとキャラクタの配置がかならずしも同じではないので、間違えることがある(あらかじめキャラクタごとにボタンを設定するようになっている)。
DSのハードスペック上仕方のないことだが、全体的に処理がもっさりとしている。そもそもこのシリーズをDSで作るのに無茶があったんじゃないか?とさえ思える。PSP向けの気がするが?
ただ、戦闘ボイスは種類が多く良く喋る(まあ当然のことっちゃ当然なんだが)。

カスタマイズの自由度も、これまでのシリーズと比べると低く、装備品やスキルの数も決して多いとは言えない。

シミュレーションRPGとしても、良くあるタイプのもので、これといった目を引く要素が無い。
逆にSLGとしての作り込みの詰めの甘さがインターフェイス面を中心に目立っている。
シミュレーション要素を入れた戦闘は、画期的に思えて作っていたのかもしれないが、はっきりいってテンポが悪いだけだし、ただただだるい。

このシリーズといえば、音楽の良さにも定評があるが、ほとんどが使い回しで、DSの内蔵音源にあわせてアレンジが施されたせいで、聴き応えにも欠ける水準になってしまっている。

敵のHPを削りきってからも攻撃を続けることで得られるカルマという数値は、いかにして稼ぐか考えさせる面での楽しさはあるが、決め技などを考慮して戦うため、テンポを悪くしてる面もある気がする。
カルマは、ステージごとに目標値が設定されており、目標値を大幅に上回ると、レアアイテムをゲットすることが出来る。

とまあ、相変わらずこのトライエースという会社らしい、アクの強いゲームシステム&バランスを本作も例外なく引き継いでいる。
その中でも、とくにこのシリーズのバランスの付け方やシステムの作り方はどうにも好きになれない。戦闘シーンも見た目第一で作られてる感じだし。
そもそも、このトライエースという会社自体が、高性能ハードを求める嗜好があり、なぜ今回DS向けに作品を開発したのかがわからない(テスト的な意味も含んだ制作だったのかもしれない)。それかDSのシェアウェアに単に引かれて作っただけか。その手のゲームは一番たちが悪い。そこで結論。

DSで作る意味はあったのか。





[2008/11/05]
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