ゼノギアス


対応機種プレイステーション
発売日1998/02/11
価格6800円
発売元スクウェア

(c)1998 SQUARE
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ポリゴンフィールド+スプライトキャラクターという珍しい手法で送る、これまた珍しいRPGでロボを本格的に扱ったSF+ロボットRPG。
キャラクターデザインに田中久仁彦を迎え、スクウェアが本気を出した超大作RPG!!果たして出来映えは!?

少し前にセガサターンで発売されたゲームアーツ「グランディア」と同様に、ポリゴンフィールド+スプライトキャラクターという高い技術力を必要とされる表現技巧を難なくこなしている。
グラフィックは立体的な演出とともに非常にクオリティ高く仕上がっており、それと同時に音の演出も素晴らしく、高い演出効果をあげている。特にギアと呼ばれるロボット同士が戦いぶつかり合うときの効果音に関しては相当な力を入れて作られている。
イベントシーンではポリゴンフィールドの強みを活かし、立体感溢れるカメラワークで、実に巧みにストーリーを魅せていく。

ただ、「グランディア」と同様に、カメラを主人公中心にぐるぐる回せるが、物陰になって見えにくい部分が多くあり、少々ストレスのもととなる。
また、ダンジョンなど入り組んだ地形になると、現在位置を見失いやすく、このゲームはそういった場所では地図を用意することでフォローしている。

ストーリーは、強制イベントが非常に多く、しかもかなり長いためゲームとしてはどうか?と感じられるが、圧倒的な密度と情報量で展開していくシナリオは、非常に見応えがあり、ゲームの中心、求心力となってプレイヤーをグイグイ引っ張っていく。
ここらへんのノリは、実にスクウェアRPG的と言ってよいだろう。

しかし、壮大過ぎるプロットに製作が追いつかなかったのか、ディスク2に入ってからは大幅に展開を端折ってしまう部分が見受けられ、残念。
ここをもう少し、1本のゲームソフトとして良い着地点を用意できれば、非常に良かったのだが。

テキストのレベルが高く、厚みのある世界観を構築しており、とにかくシナリオが良く出来ている。
ただ、ゲーム後半になると固有名詞の乱舞に加えて、難解なストーリー展開によって、ちゃんとシナリオを追ってないとわけわからんとなること必至。
ロボットを扱った作品ということもあり、全体的にマニア向けの作風で、一般受けしづらい雰囲気出てる。

バトルは、通常攻撃を弱中強の攻撃で組み合わせて出していく格闘ゲーム風のシステムをとっているが、簡単操作で攻撃モーションが滑らかに繋がる様は圧巻。
特定の組み合わせだと必殺技になり、高い威力を発揮する。最初から使えるわけではなく、必殺技と同じ組み合わせで攻撃を繰り返し出すことで覚えることができる。この組み合わせは教えてもらえず自分で見つけなきゃならんので少々厳しい。全キャラ共通なのが救い。
ただ、敵によっては回避率が高くてなかなか倒せずイライラすることがあったり、余ったAPを貯めて繰り出す連殺というコマンドはよく考え抜かれているがよほど狙ってやらないと使う機会がない、また、ザコ戦のバランスが少々悪い場面があるなど、戦闘シーンは面白いが惜しい点も目立っている。
それから、いわゆる通常のRPGで言う魔法に当てはまる攻撃はコマンドから普通に選んで選択するだけなのは、なんかもったいなかった気も。
ギア戦は多少システムが変わるのだが、やはり弱中強の攻撃を組み合わせる戦い方なのは変わらず、それに加えて燃料の残りを意識した戦いを要求されるなどなかなか面白い。
ゲーム後半はギア戦を中心に、パズル的なボス戦があり、しっかり考えて戦わなければ勝てない戦闘が多くあり、白熱したバトルを楽しめる。ただ基本的にギア戦のボスはイベント的な意味合いが強い。

ディスクアクセスは非常に軽快で、待たされ感が全くない。メニュー画面もフィールド操作においてもストレスなく操作でき、インターフェイスは非常に良い。

PSの大作RPGということもあって、要所要所の見せ場ではムービーシーンが流れるが、「このゲームにはムービーはいらないんじゃないか?」と感じた。
セルアニメとCGムービーの2種類あるのだが、もちろん水準以上のクオリティではあるものの、画質はそれほど良いというほどでもないし、これといって効果的に使われているかと言うとそれも疑問が残る。
ムービーではなく、全てリアルタイム処理したほうが整合性も取れてよかったと思うのだが。ついでにいうと、ムービーを中心にキャラが喋ることもあるが、これも戦闘時の掛け声以外は余計なものと言うふうに感じた。

後半は苦言が多くなってしまったが、高い技術力をまざまざと見せつけてくれる作りで色々と見どころが多く、真正面からRPGでロボットものをそれも高い次元でこなしているなど、むしろ評価できる点のほうが多い。
ロボットものが好きな人には刺さる作品なのは間違いないだろう。
余談になるが、セーブファイルにサブタイトルが表示されることや、会話ウィンドウが出ている間にもキャラを動かすことができるなど、同社「クロノトリガー」を踏襲しているところが多く、どうやら本作は「クロノトリガー」のコアメンバーが開発にあたっているようだ。

ロボットものRPGの看板に偽りなし!高い次元で出来上がった傑作!





[2004/03/10-2020/02/09]
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