ゼノギアス


対応機種プレイステーション
発売日1998/02/11
価格6800円
発売元スクウェア

(c)1998 SQUARE
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ファイナルファンタジー7とは対極に位置する作品として
大々的に宣伝が行われた、スクウェア渾身の大作RPG。

俗に裏FF7とも言われていたこのゲームは、
ファイナルファンタジー7がプリレンダCGで描かれた一枚絵のフィールドマップだったのに対し
ゼノギアスでは全てのマップをポリゴンで構築している方向性の違いから来る。
前者は、PSではまず出来ないきめ細やかなグラフィックを見せることが出来る代わりに
一枚絵なため立体感が無く、あったとしてもそれは擬似的な物である。
また、マップ一枚一枚をその都度描き直さなければならず
イベントなどで違う構図から表示させたい場合、その分手間暇がかかる。

後者のゼノギアスでは、建物の裏から何から全てをきっちり作り込まなければならないため
一片の誤魔化しも通用しない。
普段見ないだろうところ、見えないだろう所まで抜かりなく作るぶん、
ファイナルファンタジー7と違って、一つのマップを作るのにかなり手間がかかる。
その代わり、完全な立体空間を作っているために、イベントなどで
映画やムービーシーンを見ているような、動きのあるカメラワークで見せることが簡単に出来る。
どうも、制作時期としてはファイナルファンタジー7と同時のようなのだが、
作業分量や技術的な面ではゼノギアスの方が負担が大きかったらしく
FF7よりも余分に一年、発売までこぎつけるのにかかってしまったようである。

実はこの手の(マップがフルポリゴンの)RPGは、2ヶ月前に既にサターンでは「グランディア」が
発売されていた。
PSという括りでは、目新しいのだが、タッチの差でグランディアの方が早かった。惜しい。
「グランディア」は、構想から開発までかなりの歳月を費やしていることもあって、
キャラクターの動きやストーリープロットに至るまでの職人芸ともいえる
(技術力の力押しでは出来ない)凄みがあったが、
その面でゼノギアスは、勢いで作り上げた感が強く、フィールドに表示されるキャラ絵は
いまいち地味で、アニメパターンに乏しいのが気になった。

本作のストーリーは、簡単に書くとSF+ロボットアニメ+ファンタジーRPGという
受けやすいジャンルを強引にねじ込んだような、めちゃくちゃな作りである。
中でもガンダムのようなロボットアニメが好きで好きで仕方が無いのか
その手のオマージュが元ネタを知らない人ですら笑ってしまうほどふんだんに取り入れられている。
普通の中世RPGのフィールドに、巨大ロボットが出てきて町中で戦ったり
空には空中要塞が浮かんでいたり、この上なく破天荒でめちゃくちゃ。
だが、意外にも綺麗にまとまっていて、独特の世界観に仕上がっている。

RPGといえば戦闘だが、とにかくこの辺りの作りが雑で雑で、救いようがないほどひどい。
弱、中、強攻撃と3種類の攻撃法が用意されていて、割り振られたアクションポイントの分
1ターンで攻撃出来て、強攻撃は威力が高い代わりに消費ポイントも多く、
弱攻撃は威力が低いが消費ポイントも少なく沢山攻撃出来るといった仕組み。
だが、これはどの組み合わせでも結局総合攻撃力に違いがないため意味をなさない。
強いて言えば、強攻撃はかわされるリスクが大きく、弱攻撃は手数が多い分、
結果的に弱攻撃連打の方が強かったりする。大穴を残したシステムである。
しかし、それでは面白くないのを分かっているのか、
特定の組み合わせの攻撃を出し続けることで覚える必殺技が用意されていて、
これを習得していかないと先へ進むのが困難となる。
はっきりいって、うっとうしい。普通に遊ばせてくれよ、とさえ思う。

敵の出現パターンや種類の極端な少なさ(同じ敵だけで構成された敵群が目立つ)、
バランス調整、経験値やお金の与え方などが、壊滅的にいい加減で
戦闘そのものは、はっきりいってストレスの元ですらある。
せっかくポリゴンフィールドを生かしたギミックが盛り込まれたダンジョンも
敵のエンカウントでぶちこわされ、イライラが募る。
しかも、大抵こういうゲームに限ってエンカウントが高かったりする。困った物だ。

但し、ボス戦だけは妙に面白かったりする。
細かな数値調整をする暇が取れなかったのか定かではないが
この勢いをザコ戦にも持ってきて欲しかったぐらい差がひどい。

戦闘が破滅的に出来が悪いのでは、このゲームはつまらないのかといえば、実はそうでもない。
先に述べた、本作の魅力はほぼ全てストーリーにあり!と断言出来る。

とにかくシナリオが凄く良くできている。
それだけか、といわれれば「それだけだ」としか言えないほどだが、
それだけでも十分面白いと言えるほど出来が良い。
ロボットアニメやSFが軸足だけあって、独特の込み入った設定も多いのだが、
それらが訳の分からないまま終わるといったものではなく、ストーリーの魅力を引き上げる
要素として上手く活用されている。
台詞周りのセンスも良く、登場キャラが多いのに、メッセージウィンドウ横に
顔グラフィックが出ることと合わせて、印象に残りやすいキャラばかり。
フルポリゴンの強みを生かした頭一つ抜け出たカメラワークを駆使した見応えのある演出。素晴らしい。
見栄えの良さと、中身も良い、ここが両立出来ているRPGというのはなかなか無い。
それでいて、ゲームとしてのボリュームも相当な物で、終わらせた後の満腹感もちゃんとある。
少々独りよがりではあるが、RPGという媒体を前提としたプロットの作りは、
しっかりプレイヤーを置いてきぼりにせずに話の流れについて行かせる。

ディスク2枚目に入ると、ほとんど見ているだけでストーリーが進展する。
(たまにボス戦が入る程度)
再三述べたとおり、正直ゲームパートは致命的につまらないので、
この構成は良いことと言える。
ディスク1枚目だけでも、それなりのRPG1本分の分量は入っていたので、
ストーリーが佳境に入り盛り上がってくる2枚目は、
これぐらいスピーディに話が進んでくれるほうが丁度良い気もする。

音楽のクオリティも高く、これだけ破天荒な世界観なのに対し、
雑多にならずに、全般統一感を感じさせる濃い楽曲で構成されている。
フィールドマップの従来型のRPGのような民族音楽かとおもえば、
方やボス戦で流れるようなSFライクな一面も顔を出す。

まだフルポリゴンのフィールドマップを作るのに慣れていなかったのか、
マップによってはコンパスがあっても現在位置が把握しづらい箇所や
目立った目印が無く、似たような構造が延々続く箇所など
やたら迷わせようとする意地悪なマップが幾つかあった。
このゲームでは、フィールドがポリゴンなのに合わせて
マップをまわす(カメラを主人公中心に動かす)ことが出来るのだが、
この手のゲームがまだそれほど出ていなかったこともあって、
もう少しあざとく分かりやすいマップに作る配慮も必要だったように思う。

それとゲーム中希に入るCGとアニメーションムービーは、
全体の分量と比較して少なすぎて、思い切ってオープニングとエンディング以外は無くしても良かった。
通常マップだけでほとんどイベントの描写は問題なく出来ていたので、
どちらかというと後付けで無理矢理つけた感じがした。
また、スクウェアという会社はCG関係には強いようだが
アニメーション制作となると、とんと弱く、ゲームのアニメーションムービーとしては
水準は中程度といった感じで、悪くもないが良くもないという位置。
この程度ならば、わざわざ入れる必要もなかった。

若干、ローディング処理がもっさりしているが、少しやれば気にならない程度。
ゲーム周りは目をつむる必要があるが、ストーリーの出来はとにかく良い。
他では味わえない凄さがこれにはある。

ゲームとしては半人前だが、シナリオのレベルが高い作品。





[2004/03/10-2005/01/27]
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