ヨッシーストーリー


対応機種ニンテンドウ64
発売日1997/12/21
価格6800円
発売元任天堂

(c)1997 Nintendo
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幼児向け絵本のような暖かいタッチで描かれた絵柄が独特の雰囲気を醸し出す、ヨッシーが主役の2D横スクロールアクションゲーム。
ニンテンドウ64は3Dポリゴンの処理を全面に押し出した作品が多い中(特に任天堂作品)、あえて2Dアクションとして開発されたのも見どころの一つ。

2Dのサイドビューアクションということで、あまりマシンパワーの必要ないジャンルと思われがちだが、N64の性能をしっかり活かしており、画像的クオリティが高い。処理落ちも一切ない。
例えば、SFC「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」ではスーパーFXチップを採用して、部分的にポリゴンを使っていたが、本作でも同じ仕掛けを、違和感を与えず、ごく自然とあちこちで使われており、実に素晴らしい。
自分が気づいていないところでも使っていたかもしれないってぐらい、うまく溶け込んで使われている。

また、ROMカートリッジであるから、当然ディスクアクセスが存在しない。画面切り替えが軽快に行われ、場面転換がスムースなのもポイントが高い。
ついでにいうと、画面切り替え時に本のページをめくるような演出が、細かいところではあるがいい味を出している。

基本操作は、3Dスティックで移動、Aでジャンプ、Bで舌を出す、ジャンプ中にAでふんばりジャンプ、ジャンプ中にスティック下でヒップドロップ、Rで匂いをかぐ(隠しギミックに反応する)、Zとスティックで卵投げ。
おおむね、「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」の操作を踏襲していると思って良い。おそらく実質、続編として開発していたんじゃないだろうか。
やはり、ヒップドロップや匂いをかぐなど、少々アクションが多いかなとは感じるのだが、それらは使う場所が限られており、頻繁に使わせることがないので、「ヨッシーアイランド」とは違って、あまり気にならなかった。
逆に気になった点としては、2Dアクションということで、空いている十字キーでも操作したかったかな、という所。3Dスティック前提でゲームが設計されているようなので、あえて外したのだと思うが。

ステージクリアの条件が少し変わっている。ゴールがなく、ステージ上に配置されたフルーツを30個食べるとクリアになる。
フルーツはいくつか種類があり、どのフルーツを食べても良いが、ヨッシーが大好物のメロンを食べることで、クリア後のスコアにボーナスが付くという仕掛けがある。

そして、このゲーム、どうやらスコアアタックを楽しんで欲しいらしく、クリアするだけなら、難易度はかなり低く抑えられている。また、同じステージを繰り返し遊んで欲しい意図があるのか、ステージ数も全24ステージと少な目。

ステージクリア時にプレイに応じたスコアが計測される。倒した敵の数であるとか、食べたフルーツの種類、スペシャルハートを取る、などなどが影響する。

だが、肝心のスコアアタックが、目的が散漫で、あまり面白くないのは問題じゃなかろうか?

メロン30個食べるだけでも大変なのに、敵を多く倒すとか、コインを多く取るなど、スコアを稼ぐには色々な方法があるのだが、そのために最終的にはせっせとステージ内全部を雑巾がけしなけりゃならないというのは、
面白いと言うよりもはや、苦痛というほかない。
さらに、ミスったら実質減点されるとかっていうのも、「なんだかなあ」と感じてしまう。

本編の「おはなしモード」で、24ステージ中、6ステージを攻略するのだが、大体一周に1時間程度かかってしまうのに、途中セーブが不可能。いつの時代のゲームだ!?という感じになる。
また、ステージ上に隠されたスペシャルハートを取っていないと、次のワールドで自由にステージを選択出来ないというのもちょっと謎仕様。

キャラクタやステージは良く出来てるし、特に音楽やグラフィックの雰囲気がすごくいい。だけど、任天堂のゲームにしては...という但し書きが付くが、どうにも押しの一手が無いと言うか、なんというか物足りなさがある。
サイドビューアクションとしてのクオリティは高いのだけども、どうも作りかけで完成させちゃいましたという感触が漂う。なんとも惜しいゲームだ。そこで結論。

悪くない仕上がりなんだけど、物足りなさは否めない。





[2018/04/24]
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