対応機種 | PCエンジン(CD-ROM2) |
発売日 | 1991/03/22 |
価格 | 7200円 |
発売元 | ハドソン |
日本ファルコムの看板的人気作品となった「イース」3作目。
「イース1・2」でCD-ROMの機能を最大限に引き出し大成功を収めたこともあり、その続編も当然PCエンジンに移植された。
「イース3」は、ファンの期待と裏腹に、ゲーム内容が大幅に変わってしまったため賛否両論を巻き起こした作品である。
トップビューの体当たりアクションだったものが、サイドビューのアクションロールプレイングとなり、ゲームとしての「イース」の面影が薄れてしまったのだ。
しかも、アクションとしての出来も、あまり褒められたものではない。
悪い意味でファルコムらしさを連想させる、RPG屋が頑張って作ったアクションゲームといった感じの水準で、間違っても「イース」の名前を背負わせるには荷が重い。
PCエンジン版では、「イース1・2」のアレンジ手法を踏襲して、同じスタッフが移植製作したこともあり、かろうじて「イース」として遊べるところまでには仕上がっている。
例えば、米光亮氏の派手派手でノリノリの生音アレンジBGMであったり、同じくCD-ROMの特権である、見せ場のイベントシーンを、豪華声優陣に演じさせる等、豪華な作りとなっている。
さて、PCエンジン版では、もう一つ大きな見どころがある。と言うかある意味、これがPCエンジン版で一番の見所と言ってもいいかもしれない。
PCエンジンはハードスペック上、BG1枚しか扱えないため、当時スーパーファミコンの登場で流行り始めていた多重スクロールが出来ない仕様になっている。
PCエンジン版「イース3」では、この多重スクロールを、無茶な力業で実現させている。スーパーファミコンへの対抗意識みたいなものもあったのだろう。
豪華にアレンジ移植されて、遊べるようになっているとはいえ、ボリューム不足であったり、アクションゲームとしてのイマイチさは払拭できておらず、
多重スクロールのインパクトを除けば、大したことのないゲームだ。そこで結論。
プログラム的には面白いが、ゲームとしてはイマイチ。