イース4 The Dawn of Ys


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2)
発売日1993/12/22
価格7800円
発売元ハドソン

(c)1993 HUDSON SOFT / Falcom
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この「イース4」は、ハドソンがPCエンジン用に制作したものと、トンキンハウスがスーパーファミコンで制作した2種類あり、ファルコムは素案を上げただけで、開発に直接関与していない。
素案を元に、ストーリー、ゲームシステムを一から各社練りあげていったことから、このような事態になっている。

一足先に発売されたスーパーファミコン版「イース4」は、製作元がトンキンハウスで、同ハードでイースの移植を手がけていた経緯から4を開発したのだが、スーパーファミコン市場での注目度は低く、ゲームとしての出来も良いものではなかった。
いっぽう、PCエンジン版は、それまでのファルコム作品(イース、ドラゴンスレイヤー英雄伝説)の移植作業の実績の高さもあり、年末商戦の大作ソフトとして、高い注目を浴びていた。

米光亮氏作曲による豪快な生サウンド、豊富なマップチップ&キャラパターン、豪華声優がイベントシーンで喋る!PCエンジンでもトップクラスを誇る表現、演出力の高さなど、このゲームのセールスポイントを挙げていくとキリがない。
「イース1・2」の時に確立した技術力を、本作においても当然のようにやっている。スーパーCD-ROMになったことで読み込み回数も減らすことが出来るようになり、ディスクアクセスも非常に早い。
1・2の時に話題となったバストアップ演出も絵を大幅に増やしてパワーアップしている。特に、ビジュアルシーンなどの作画レベルが非常に高いのも素晴らしい。

今回シナリオはハドソン内部の人間が作っているが、これがなかなかに、ファルコムくさくて良い。ファンを喜ばせるツボも心得ているし、イースと言えば何よりも外せないのが可愛い女の子!(笑)というのも、良くわかっている。

PCエンジン版イース1・2では、アクションの難易度がオリジナルより低いことが賛否両論となったが、本作はキャラクターを4方向だけでなく斜めにも移動できるようになり、さらに魔法のタメ撃ちが追加され、アクション要素が強まっている。
ボスもきちんとヒット&アウェイを駆使して戦わないと倒せないように作っており、「経験値稼がないと厳しいかもね」という辺りにバランス調整している。今作は歯ごたえのあるゲーム・バランスになっている。
勿論アクションゲームが苦手な人でもレベルさえ上げればきちんと攻略できるように調節されており、ゲームクリア出来ないほどの厳しさはない。
経験値稼ぎを要求されるゲームだが、レベルは小気味良く上がっていくので、ゲーム全体のテンポは良く、サクサク進むので気持ち良い。

不満点を挙げるならば、マップデザインの規格を、イース特有の画面構成(画面全体にフィールドを表示するのではなく、画面下部にステータスを表示し、額縁の中にゲーム画面を表示する)を考慮して作っていないので、視界の狭さが気になった。
普通のコンシューマゲームのように全画面に表示させるのならば丁度良いサイズなのだが、この独特な画面構成を変えてしまうとイースらしさがなくなってしまうし、難しいところだ。

PCエンジンのイースシリーズといえば、毎作目新しい技術力を魅せつけてくれたが、本作にはそういった飛び抜けたものはないが、全体的に高いクオリティで出来上がっており、完成度は高い。そこで結論。

イースファンならぜひ遊ぶべし。





[2010/10/03]
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