銀河お嬢様伝説ユナ2 永遠のプリンセス


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2)
発売日1995/06/30
価格7800円
発売元ハドソン

(c)1992 1995 HUDSON SOFT / RED
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大作デジタルコミック「銀河お嬢様伝説ユナ」の続編。
随所にグレードアップの箇所が見られる期待作。

今作は画面上部はシネスコサイズのグラフィック表示と、画面下部がテキスト表示と、すっきりした表示となって、見やすいし臨場感も増している。
このグラフィックが前作以上に動く動く。カット割も多く、作画レベルも高いので(ゲームにしては)、アドベンチャーゲームというより、ちょっとしたアニメとしても見れるぐらいのクオリティだ(勿論本職には負けるが)。
台詞は今回全て喋り、アニメーションパターンもかなり豪華に使っているかわりに、ゲーム全体のボリュームは短くなっている。
コマンドも、必要最低限まで減らされて、より見て楽しむ割合が強まっている。

シナリオ構成にはアニメの脚本を手がけるあかほりさとる、新規キャラクターデザインに藤島康介を迎え、豪華な布陣で作られている。
スタッフロールを見ても、アニメ制作会社やアニメ関係の人間が多く、どういう方向性で作られたのかが推し量れる感じだ。

前作は物語がやや弱いと感じていたが、今回はプロの人間を起用することで、もう安心してみれるし、服飾デザインやキャラクタデザイン、コンセプトも若干一般化した感じで、間口が広がった印象がある。
ただ相変わらず登場人物が女の子ばっかりというのは徹底しすぎと思うが。

今回も戦闘シーンがあるが、カードバトルと聞いて嫌な予感がし、そしてそれは見事に的中するのだった。
特にゲーム終盤のバランスがきつく、敵が強く設定されているせいで、運が良くないと勝てないレベルのものを強要され、非常にストレスが溜まる。
相変わらず戦闘でもキャラクタは良く動くのは凄いと思うのだが、テンポが悪いし、理不尽さも相まって、最悪の印象である。
また唐突にミニゲームが挿入されたりするが、説明が一切ないので、わけがわからないし、その労力は買うが、入れる以上はもうちょっと何とかして欲しかった。

新キャラクターのユーリィとユナのぼけぼけ凹凸コンビは見ていてそれなりに楽しいし、ライバルキャラのエリカの取り巻きであるエリカ7、
これは勿論前作同様、天外魔境のパロディ(天外2の暗黒ラン)である。
今回は登場キャラをしっかり話で立ててやろうという意図が見られ、ただ出てくるだけではなくなっているのは良い(一部扱いの悪いキャラが残ってるのは残念)。

アニメーションのクオリティはPCエンジン随一を誇り、人気デザイナーが書いたキャラを人気声優が演じ、抑えるところを抑えたストーリーでとことん盛り上げる。
この直球路線が受けないはずがない(その手の人間には)。プログラムレベルも非常に高いので、ゲームとして見ても感心させられる。ディスクアクセスもスムーズで素晴らしい。
それだけにカードバトルの戦闘システムだけはがっかり。それ以外の、デジタルコミックとしての完成度は頂点といってもいいだろう。
エンディング後の伏線を見るに、まだまだこの作品続ける気満々のようである。そこで結論。

PCエンジンの底力を見せた力作(良作とは言い難い位置)。





[2008/08/01]
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