ゼルダの伝説


対応機種ファミリーコンピュータ(ディスクシステム)
発売日1986/02/21
価格2600円
発売元任天堂

(c)1986 Nintendo
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今やマリオと並ぶ、任天堂の看板タイトルへと成長した、アクションアドベンチャーゲーム「ゼルダの伝説」。
その一作目は、ディスクシステム向けに開発されたゲームソフトであった。

任天堂「スーパーマリオ」もそうだし、他社でこの時期、ファミコンで発売して看板タイトルへとのし上がっていった作品におしなべて共通して言えるのは、
一作目の段階から、シリーズとしての作風やコンセプトが恐ろしいほど完成しているという点である。

2作目、3作目で、各要素が成熟されていって完成度が引き締まっていくというのではなく、一作目の時点で基礎となる要素が既に出来上がっているのだ。

この「ゼルダの伝説」においてもそれは例外なく言える。
探索して、プレイヤー自らが発見する喜びという楽しさが、みっちり内包されている。

9つの地下迷宮を探検し、仕掛けを解いて閉ざされた扉を開き、鍵を集め鍵の掛かった扉を開き、迷宮の中にある宝を見つけ、ボスを倒す。
一作目である本作ではまだ、部屋の敵を全滅させる、キーとなるブロックを動かし仕掛けを作動させるといった程度で、ギミックのバリエーションは乏しい。
だが、それを感じさせないほど、アクションの完成度が高く、また、アクション一辺倒ではなく、地下迷宮をクリアするための方法を探すというアドベンチャー的な面白さが、絶妙のバランスで成り立っている。

ゲームを最後まで進めエンディングを迎えた後、さらなる高難易度の「裏ゼルダ」が待ち受けているというサプライズは、当時としては画期的で衝撃を受けたものだ。
要は難易度を上げた2周目なのだが、「ゼルダの伝説」においては、核となる地下迷宮の構造をガラリと変え、場所も変えることで、全く違うゲームが楽しめるようになっている。
もちろん、ゲームとしての難易度は、一度クリアしていることを前提として作られているので、アクション、アドベンチャーどちらにおいても難解な仕上がりとなって、プレイヤーを苦しめる。

惜しむらくは、本作はもともと、ディスクシステムを普及させるために開発されたソフトだった点である。
そのため、ファミコンソフトと比べると、普及率が低かったディスクシステムでの発売は、結果的にマイナーな存在であった。
「ゼルダ」の名前が飛躍的に知れ渡ったのは、どちらかと言うと、この後スーパーファミコンで発売された「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」であろう。
だが、この一作目の時点からすさまじい完成度を誇っていたのは事実である。
その期待値の高さは、後日1994年にニューファミコンの発売に合わせて、ファミコンカセット版がわざわざ復刻されるほど待望されていたと言えばどれほどのものかわかるだろう。
(ディスクシステムの性能を活かした作品であるため、その復刻版の再現度がイマイチなのが悲しい所だが)
そこで結論。

「ゼルダ」は一作目から完成されていた。遊べ!!





[2016/09/16]
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