ゼルダの伝説 時のオカリナGC


対応機種ゲームキューブ
発売日
価格
発売元

(c)1998 2002 Nintendo
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1998年にニンテンドウ64で発売され、高い完成度で沢山の人を魅了した「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。
それをゲームキューブで完全再現。おまけに64DD向けに開発されていた「裏編」も同時収録。
「裏編」は、日の目に当たることの無かった、まさに幻の作品。
この豪華内容が詰まったディスクが、GC「ゼルダの伝説 風のタクト」の予約特典として
予約者全員に配布された。史上類を見ないたまらん豪華さである。

販促物という形態を取っているので、任天堂ハードの新作ソフト紹介ムービーも一緒に収録されている。

最初に表と裏、どちらを遊ぶか選択する画面が出て、
選択後、「読み込み中」とゲージが表示されて、大体20秒弱ディスクの読み込みがある。
どうやら、圧縮データにして最初に一括で読み込んでいるようだ。
その都度状況に応じて圧縮データを展開するという仕組みらしく、
エリア切り替えの時、メニューを開いた時などで、一瞬画面が硬直する。
音もぶつぶつっと途切れるが、体感的な待ち時間は無く、ほぼN64版そのままに遊ぶことが出来る。

セーブはメモリーカードを使うので、さすがにカートリッジのような速さでセーブは出来ない。
セーブのさいは、若干待たされる。

予約特典とはいえ、結構手を入れられていて、画面上の操作アイコンのボタンの色が
ちゃんとゲームキューブ用のものに変更されていたり、操作説明の台詞もすべて
GC向けに置き換えられている。
操作性に関しては、もとが64の作品なので、快適さが少々そがれている。
Cボタンユニットにアイテムを割り振っていたのが、X、Y、Zボタンに変わり、
特にZボタンが押しづらくなっている。しかし慣れればさしたる問題ではない。
オカリナを吹く場合、Cスティックで演奏する。
誤操作防止のためか、かなり押し込まないと反応しないこともあって、64版に比べると操作しづらくなっている。

グラフィックは、テクスチャーを滑らかにみせるためか、画面全体にソフトな処理が施してあって、
64よりもくっきり綺麗に表示される。

ここまで手を入れて再現していたのである。恐らく、GCで64のゲームをどこまで移植出来るかの
実験的な側面もあったのだろう。

さて、ある種の目玉である裏バージョンであるが、ゲーム上の8つのダンジョンと
他、進行上訪れる幾つかの小ダンジョンに至るまで、ギミックが変化している。
「ダンジョンが変われば解き方も変わる」というフレーズであるが、
ダンジョンの構造自体に変化はなく、部屋の中にあるスイッチの作動方法であるとか
配置場所であるとか、宝箱の出現方法や扉の開き方、敵の配置の違い程度である。
オリジナル版から絶対に外せない大掛かりな仕掛けなどはそのままで、
劇的な変化というほどの変化はない。細かいところでの仕掛けを変えている程度の違いである。
勿論、それだけでもゲーム内容は大幅に違ってはいる。

裏というのは、ディスクシステムで発売されたシリーズ一作目「ゼルダの伝説」から取っている。
あのゲームでは、クリア後のデータを再び再開すると
ダンジョンの入り口から中身まで全てが変化する2周目がスタートするという驚きを見せた。
同時に、異常な難易度の高さも有名である。
本作においてもそれは健在で、まず表編をクリアしていることが前提のバランスで、
とにかく迷わせる手間取らせることを目的とした非常に意地悪な難易度で、かなり難しい。
作動スイッチの隠し方なども巧妙で、ひどいときには壁に埋め込んでいたりというずるさである。
主観視点に切り替えて周囲を見渡していないと分からない場所におかれている仕掛けがとにかく多い。

表版からダンジョンの構造が変わっていないので、場所によっては全部の部屋に回らずに
ボス部屋に到達してしまうダンジョンもある。
もともと表用に作られたものであるから、それを間借りしてきた程度なので、活用されずに
終わってしまう場所があり、ちょっと勿体ない。
とはいえ、部屋を回る順番から変えていたりという工夫によって全く違うダンジョンに感じられる節もあり
良くここまで差別化が出来たな、と感心してしまう。

ゲームの仕組みやルール付けを把握してないと解けない仕掛けも多く、通常は知る機会すらなかった
やり方で解かされる箇所があり、ときには度を超えた難しさのところもある。

敵の配置では、頻繁に通るような部屋では敵をおかなかったり、表編より往来がしやすく改良されていたり
反省したのか改善点も見受けられる。
意地悪な敵の置き方をしている場所もあるが、基本的にアクション性は薄れ、そのぶん頭を使わされる比重が強まっている。
時間制限スイッチの数が激減し、時間内に指定された行動を行うといったギミックがほぼ無くなった。

ただ、全く別のゲームになっているわけではなく、ダンジョン以外、ボスの倒し方であったり
フィールド上でのギミックやフラグ立ては全くそのままなので、もう一つ変化が欲しかった気はする。
ディスク版ではダンジョンの入り口から場所が違っていたが、本作ではストーリー性も世界観もあり、
さらに3Dのフィールドデータの制作に手間がかかるという点から、多くの制約があったと思われる。
64DD自体がポシャったという他の要因もあるが、遊んでみるとなんとなく製品化が見送られたのが分かる内容である。
とはいえ、勿体ない気もするし、実際なかなか面白い。

一番気になっているのは、この作品の制作時期である。
64時代にほとんど完成までこぎつけていたのか、中途半端に作りかけのところを
GC版の発売に合わせて完成まで持ってきたのか、それによって豪華度は大きく異なる。
若干、ダンジョンによっては作りが粗っぽいままの節も感じられたので、大いに気になるところである。

従来の難易度に満足出来なかった人にどうぞ。激辛です。





[2005/04/13]
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