ゼルダの伝説 神々のトライフォース


対応機種スーパーファミコン
発売日1991/11/21
価格8000円
発売元任天堂

(c)1991 Nintendo
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ディスクシステムで発売された「ゼルダの伝説」がスーパーファミコンに登場。
スチャダラパーを起用したCMが大量投下されたことでも大変話題になった。

本作は「ゼルダの伝説」の中でもアドベンチャー要素を更に強めた作品になっている。
ダンジョンの中にあるアイテムを入手しボスを倒すという基本的な流れはそのままに
ダイナミックなストーリー展開、凝った設定の数々などそれ以外の作り込みにも驚かされる。

スタートボタンでメニューを開くと、A,B,X,Yに対応する形でアイテムが表示されている。
それと一緒に、そのボタンで出来る操作も同時に記載されているわかりやすさである。
まさに説明書いらずの親切設計な作りは素晴らしいの一言。

本作は石を持ち上げるとか、出来るアクションが従来作に比べ大幅に増えているが、
メニュー画面でのわかりやすさと共に、操作性もボタン数の増えたSFCのコントローラを
上手に活用しており、煩雑さは一切感じない。

グラフィックはディスク版とは違い、原色系を駆使したカラフルな色合いになっており、
加えて、キャラクターも全体的にデフォルメがかけられていて、その面で入り込みやすくなっている。
また、台詞中に漢字を織り交ぜることによって、より読みやすさがアップしている。

マップは一画面ごとに切り替わる方式だったのが、SFCではそのような制限をかける必要もなく
マップごとの広さに準じた形になった。
かといって、マップ自体に区切りをなくすこともせず、特にフィールドでは敢えてこういう仕様によって位置を把握しやすく
いたずらに迷うことが無くて良い。
ダンジョンでも、一画面一部屋という制限が撤廃されたことにより、
これまで以上に変化に富んだ構成を作ることが出来ている。

ゲーム自体のボリュームは相当な物で、大作RPG並みの壮大さである。
裏世界と行ったり来たりするというギミックを始め、面白い仕掛けも多数仕込まれており
進めていて全然退屈にならない。
仕掛けに対して、その都度どう対応すればよいか分からず人によって詰まりどころが変わってくるところも面白い。

アイテムも弓矢やブーメランといったディスク版からのお馴染みの物から
フックショットやマジックハンマーという変わった物まで新旧様々なものが登場し飽きさせない。

ダンジョンの数も種類も多く、氷の迷宮から水位を上げ下げしながら進める迷宮など
ダンジョンごとに全く違った展開を見せる豪華さである。
また、複数階層になり、それがまたダンジョンの厚味を深めることに一役買っている。

アクションとしても、謎解きとしての難易度も非常に良い位置にあり、
全体の設計センスやテンポが良いことも相まって、何度でも楽しく遊べる。
ダンジョンだけではなく、フィールド上でも穴掘りや的当てといった簡単なミニゲームや
各所にちりばめられたハートのかけらを集めるというイベントの豊富さも見逃せない。
アイテムを使い分け、広いフィールドを探索する楽しさはさらに強化されている。

全体マップはかなり広い方だが、目的地をしっかり地図に目印を付けて教えてくれるので
迷わずに進めることが出来る。

もともとディスクシステムで出ていた頃の作品は意地悪さの漂うシリーズだったが、
本作はスーパーファミコンのキラータイトルの一本として大々的に開発されたため
間口を広める方向で作られており、全体的に親切な設計でありつつも、絶妙な難しさで楽しませてくれる
素晴らしいゲームへと進化した。

アクションアドベンチャーのお手本的作品。





[2004/06/29-2005/04/17]
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