ゼルダの伝説 夢幻の砂時計


対応機種ニンテンドーDS
発売日2007/06/23
価格4800円
発売元任天堂

(c)2007 Nintendo
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マリオと双璧をなす人気シリーズ、ゼルダの伝説もいよいよニンテンドーDSへ進出!!
タッチペンを使った、直感的操作をウリとした斬新な操作性、DSならではのギミック、Wi-Fi対応による対戦モードなど、盛りだくさんの内容だ。

ゲームキューブ「ゼルダの伝説 風のタクト」の続きものとなっている。キャラクター、世界観はつながっていて、グラフィックもあのトゥーンシェードを踏襲している。
このグラフィックだが、DSのハード性能を考えると、なかなか頑張っている。いやむしろ、かえってテクスチャーギザギザにならない分、見栄えはグッと良く見える。
勿論、このクオリティまで持ってくるのには相当苦労したのだろうが。

操作はすべてタッチペンを使っておこなう。移動したい方向にタッチペンで触れて、攻撃したい敵をペンでつついてやると攻撃してくれる。
しかし、個人的にこの“直感的操作”をウリにしたゲームは食傷気味である。
聞こえはいいが、究極の直感的操作というものはやはり、従来のコントローラ操作ではないだろうか。
確かに、プレイステーション以降、ボタン数が増え、アナログスティックを駆使するゲームが増えてきてからは複雑化の一途をたどっているが、ボタンを押す、離すだけで、ゲーム上のコマンド入力がなされるというのは、タッチスクリーンで操作をおこなうよりもずっと直感的だと思うのだ。

本作は、この手の「タッチペン操作」ゲームに比べ、数段レベルが高く、やっていてストレスを溜めることは少ない。しかし、ここでボタン操作で遊べていたら…!!という局面が何カ所も出てきたことを考えると、やはりタッチペン操作に絞った決断は、足を引っ張っているように思える。
やはり最大の不満点は、タッチ操作だと画面が自分の手で覆い隠されてしまうことで、遊びづらいというのがデメリットとしてある。

任天堂のゲームにしては珍しく、下画面がメインで、上画面がマップ表示である。これは、タッチ操作を前提としたゲームデザインであるから必然であるといえる。

このゲームは、謎解きにもシステム面でも、DSの機能を最大限に活用していることが特徴的で、特にマップ画面に気になった箇所をメモしておける機能が面白い。
プレイ中に気になったメッセージなりヒントなりをメモするという行為は今や絶滅傾向にあるが、このようにゲーム内でそういう機能をサポートしてくれるのであれば、多少煩わしくても、メモ書きをするという行為そのものが面白く感じられるから不思議である。
また、メモをしておかなければ解けないような仕掛けも敢えて多めに付けている点も評価したい。

グラフィックはさきほどのべたポリゴンのトゥーンシェードであるが、ゲーム的には、見下ろし型の2Dのスタイルを取っている。
SFC「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」に近い感覚だ。
ダンジョンの謎かけは、間口を広げたかったためか、割と難易度は低めで、引っかかるところは少ない。
その親切心が逆に、コアなユーザーからすれば物足りないのも事実で、淡々とした印象を持たせるのも確か。

また、GC「ゼルダの伝説 風のタクト」と同様、海を航海するシステムも継承している。
今回は、マップ上で、航路をペンでなぞって決めていくというものになっており、マップもそれほど広くなく、退屈させない工夫もふんだんに取り入れているので、GC版ほどおっくうにはならない(それでもやっぱり面倒っちゃ面倒なんだが)。

サブタイトルにある夢幻の砂時計というのは、ある一つのダンジョンのシステムのことを指していて、制限時間以内に目的を達成しなければならないというところから来ていると思うのだが、どうにも無理矢理過ぎて好きになれなかった。
時間制限も割とタイトなバランスで、突き止めていくと覚えゲーになってしまっているのが面倒だし、進行上何回も同じことを繰り返さなければならないのは正直言ってだるい。

ぶっちゃけ、タッチパネルはこういう風に使う物ではないと思うのだが…。任天堂からまさかこのようなゲームが出てくるとは思いもしなかった。
操作性関連を除いて、ゲーム内容そのものは、古風なSFC時代を彷彿とさせるシステムデザインで懐かしささえ覚える。

なんだかんだいって、さすが任天堂作品ということもあって、全体的な完成度の高さは素晴らしい。
インターフェイスまわりの不満点はかなり多いが、それ以外の部分で感心する部分も多かったので帳消し出来る出来映え。

一人用だけではなくWi-Fi対応の対戦モードも搭載しており、まさに至れり尽くせりとはこのことだ。
そこで結論。

やはり任天堂ブランドは強い。普通に遊べます。





[2007/06/27]
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