Z.O.E ZONE OF THE ENDERS


対応機種プレイステーション2
発売日2001/03/01
価格オープン価格
発売元コナミ

(c)2001 KONAMI / Konami Computer Entertainment Japan
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コナミ「メタルギアソリッド」を代表作に持つ小島秀夫プロデュースによる初のプレイステーション2作品。
キャラクターデザインに「機動戦士ガンダムX」の西村誠芳、メカニックデザインに「メタルギアソリッド」の新川洋司という豪華布陣で製作された3Dロボットアクションゲームだ!
メタルギアソリッド2の体験版が同梱され、購入の後押しとなり、非常に話題を呼んだ作品である。

ロボットを動かすアクションゲームと言うと難しい、マニアックなイメージを持たれるかもしれないが、このゲームに関しては操作性が少々特殊ではあるものの、シンプルに纏められており、すぐに馴染むことが出来る。
メカもののゲームにありがちな、ロボットのカスタマイズといった面倒臭そうな要素は一切なく、アクションに集中できるように作られているので、間口はかなり広い。

ゲーム構成も、ムービーとゲームが交互に繰り返されるタイプの単純なもので、プレイヤーはゲームを進めることだけを考えれば良い。ゲーム自体の構成も小気味よく、適度に爽快感を得られる作りで悪くない。

が。
ゲームとして一定の水準を満たしており及第点を与えられる仕上がりなのは間違いないのだが、どの点においても一歩惜しいのだ。

例えば、ストーリー。例えば、キャラデザ。例えば、バトルシーンetcetc...。

骨格は非常に良く出来ていて、申し分ない出来上がりなのではあるが、どーも、全体的に練り込み不足感が漂っていて、物足りなさが先行している。

ゲームとしてのボリュームが大体5時間前後なのだが、設定とか色々凝ってそうな割に、シナリオのスケールが小さいし、中身もさほどでない。逆に何度も遊ぼうと思うと、少々長いという微妙なボリューム。

また、メカニックのデザインは凄く良いのだが、ムービー時に出てくる人間キャラクタの表現がまだまだこなれていなくて、せっかくのキャラデザが台無しといった感じ。
せっかく「機動戦士ガンダムX」の西村誠芳を起用しているのに、どうにもその魅力を十分に引き出せておらず、惜しい。
人間のキャラクタデザインとメカデザインに、大きなズレがあり、その乖離した溝が、ムービーを見ていても凄く気になる。技術的にまだ人間キャラの表現が難しかったのだろうが、気になるもんは気になる。

次に、具体的なゲームシーンについて。
アクション数は豊富で、単純操作でそれらを出すことが出来る所は凄いというほかない。
ダッシュ移動、ガード、近距離/遠距離攻撃に加えて溜め攻撃のバリエーション、
つかみからの投げ、といったスタイリッシュなアクションの数々をハイスピードに繰り出せる。これらは単純にカッコ良く、また、気持ちいい。
さらにサブウェポンが用意されており、段階的に使えるようになっていく。

だが、ザコ敵がたったの2種類と少ない。後はボス戦に頼っているけど、これも数が少ない。多数用意されたサブウェポンも使い分ける機会に乏しく、いつでも同じ攻撃ばかりになりがち。
レベルアップの概念も必要だったかなあ...という存在感のなさで、ちょっと焦点がぼやけてしまっている。

しばしば何をやったらいいかわからなくなったり、もしくは、わかりづらかったりする配慮の無さがある。
何度も書いているが、全体を通して明らかにこなれていない部分があり、なんともこれが練り込み不足な印象につながって行ってしまうのだ。

ひとまず、プレイステーション2で一発目のタイトルということで、まずはこんなところだろうか、といった感じの出来で、過剰な期待は良くない。しかし、面白いっちゃ面白い。
なんとも困った位置にあるゲームである。そこで結論。

プレイステーション2の可能性を感じさせた一作。





[2018/03/14]
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