アヌビス


このゲームに関しては、デモムービーをまず見て頂きたい。
ちょっと長い印象はあるが、これほどゲームの魅力を上手く伝えているムービーは前例が無い。

ただ金をかけた綺麗なデモムービーなら山ほどあるが
アヌビスに関してはイベント時の見所+ゲーム部分の迫力を絶妙な編集で魅せている。

発売前のトレイラーを見て実際やってみて「だまされた!」というものも少なくない昨今、
このゲームに関しては、まずデモムービーで焚きつけられて欲しい。

やはり、ロボットアクションゲームと言うこともあってマニアックな印象は拭えず
今回もそれほど受けなかったようだ。

実に残念だ。

前作Z.O.Eを受けて、今回は「完全無欠」な完成度を誇る。
基本的に前作の手直しだが、経験者でもマンネリを感じることなく遊べる。凄い。

前作では、ゲーム部分、ストーリー部分、どちらも今一歩であると書いた。

今回はそこらへんも抜かりなく作り込まれている。

ストーリーでは、今回、個性的で魅力的なキャラクターばかりで
前作の淡泊さが完全に払拭された。
また、イベント時の映像がキャラに関してはアニメ絵で描かれていて、地味な印象は全くない。
人間描写のシーンがメインの時は完全にアニメ映像で展開される。

また、前作は未完結だったのを受けて、今回は全ての伏線に決着を付けた。
ゲームとしてのストーリーのボリュームも申し分なく、
プレイ時間はさほど前作と変わらない物のエンディングを迎えた際の
満腹感は前作の比ではない。

ゲーム部分に関してだが、今回は近距離戦でのバリエーションが増した。
それだけでなく、近距離戦の方がメリットがあるように作られている。
敵をつかみ、それを盾にしたり、武器にして振り回したり
最後はとてもゲーム的で笑えるのだが、ジャイアントスイングをして投げ飛ばすことも出来る。
当然、投げ飛ばされた敵は木っ端微塵であり、同時に周りにいた敵もダメージを受けて倒すことが可能。
だが、前作のように遠距離でホーミングを撃つ方が良い場合もある。

今回は敵キャラの種類も大幅に増えて、モスキートと呼ばれる小型の戦闘ユニットが
大量に登場するシーンもある。
その場合は、遠くからホーミングでロックオンして一気に掃討するのが良い。
大量の敵をロックオンして一気に倒してしまう快感はなかなか粋である。

そのほか、ステージ上にあるオブジェクトをつかんで武器に出来たり、
ジェフティ自体のサブウェポンの種類も増えて
ステージによってはそれを駆使して進まざるを得ない状況も多い。

敵も似たり寄ったりではなく、個性的な敵が多く、
倒す順番を考えなくてはならない局面も多々存在するようになった。

とにかく今回はステージのバリエーションが豊富で、ゲームとしても全く単調さを感じさせない。
前作は敵を倒してコロニーを守るとか、ただエリア上の敵を全滅させるといったものが目立ったが
今回はここらへんのシチュエーションが実に変化に富んでいる。

個人的に一番好きなのは空中で巨大戦艦を次々と破壊していくシーンである。
まず、戦艦を遠巻きに攻撃して弱らせてから、弱点となるコアへ接近し、
ベクターキャノンで粉砕する。
このベクターキャノンがサブウェポンの中で一番好きだ。
要は、大型の大砲なんだが、それを撃つには地上に降り、出力を上げるための溜め時間を要する。
この溜めている時の演出が非常に上手く、
ジェフティのナビが各部位の出力上昇を段階的に伝える
(そして画面上では半透明に様々なゲージが貯まっていくのが見える)
実質10秒弱だろうか、サブウェポンのボタンを押しっぱなしのまま
この画面上のゲージが貯まっていくのとシンクロするように高まっていくなんというか高揚感のような物、
最後のコメント「撃てます」と同時に極太のレーザーをぶっ放す快感。

使いどころは本当に限られているのだが、それがまた良い。

もう一つ語りたいのが、終盤にやってくる大乱闘シーンである。
敵と味方、総勢50近いロボットが入り乱れて乱闘を繰り広げるシーン。
PS2の性能を限界まで引き出している。
画面右上にはレーダーが表示され、敵と味方の戦っている様が見られる。
そこで、超性能を誇るジェフティを動かし、被害を最小限に抑えながら
敵を壊滅させるのが目的。
死にそうになった味方からは救援要請の声が入り、とにかく忙しい。
とにかく画面上には大勢のロボットが表示され、処理落ちするぐらい凄いのだ。
あの三国無双すら超えていると感じる。

ただ、唯一残念だったのはボス戦である。
いくらなんでも耐久力が高すぎではないか?
基本的にボスの動きはパターン化されていて
隙を見つけてダメージを与えていくタイプだが、
隙を見せるまでこちら側はひたすらよけ続けなければならない。
ボスに比べてこちらの耐久力は低いのでダメージ覚悟で特攻するわけにも行かないのだ。
また、ボス戦の一つに、敵に操られた味方機と戦うシーンがあり、
この場合、機体を破壊してはダメで、上手くピヨらせて、操っているプログラムを消すために
つかむという行為をして凌がなければならないのだが、
この戦い方が非常にわかりにくかった。

とはいえ、そんなボス戦もどれもが熱くなかなか面白かった。
なにより今回は、無機質すぎたジェフティのナビが人間味を帯びていて、
単純に動かしていて面白かった。
前作のナビの演技は不快感を覚えるほどやりすぎだった。
今回はゲーム中に、R3L3ボタンを押すことで声を出すことが出来て、
シーンによってはキャラ同士の掛け合いもあり、面白い。

ストーリーは小島秀夫的というか、メタルギアソリッドにノリが似ている。
戦争、犠牲者といった部類の話。
また、演出やコンテが相変わらず上手く、
特にコマ落としの多用が上手く作用している。
このゲームを経てMGS3のイベントパートにさらに厚味がかかることを期待したい。



inserted by FC2 system