アップルシード


公開日2004/04/17
配給東宝


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攻殻機動隊で有名な士郎正宗原作「アップルシード」の劇場版。
セルアニメとコンピュータグラフィックスの融合は珍しくないが、この作品ではトゥーンシェイドを使ってフルCGアニメーションで全編描かれてるのが特徴。

バトルやスペクタクルといった動きの激しいシーンでは迫力ある映像を作れる強みがあるものの、
人物の微妙な仕草や表情の変化にはとことん弱く、そういった面でいまいち違和感を覚える。無駄に胸が大きいのもどうよ?
あと、場面によってCGのクオリティに差があるのも気になる。スタッフロールを見る限り、複数のツールを使って人海戦術で作ってるっぽいので、それのせいかもしれない。
背景とオブジェ(キャラクター)の重ね合わせがおかしいところも一部あったり、なんでもかんでもCGに頼るのはちょっと勇み足だったようである。

メカやミリタリー、SFファンタジー、マニアックな設定と、なかなかオタク心を刺激するツボをがっつり押さえており、土俵はしっかり出来ている。しかし、詰め込みすぎの感もあり、もうちょっと絞り込んで欲しかったところだ。

この映画を見てとにかく感じるのは、ここまで手間をかけてるのに、コンピュータグラフィックスには決定的に越えられない限界があり、それはどんなに性能があがっても使い方を工夫しても克服出来ない壁があることを感じさせられる点である。
だから、これから重要なのは性能アップよりもむしろ、より有効な使い方を考えていく時代となるだろう。

内容そのものについては、平々凡々といったところで、特筆出来る点はない。
音楽はちょっと海外意識しすぎか?でも、それならカウボーイビバップぐらいはじけて欲しかった気もする。
そこで結論。

CGは決して万能ではない。使いどころを見極めよ。





[2006/02/05]
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