街刃


掲載雑誌週間少年マガジン
巻数全4巻
作者天辰公暸
発売元講談社


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1巻では、「作家石田衣良絶賛」という触れ込みで発売されていた。
少年漫画ではありがちなバトル漫画である。

この漫画には、惜しいなぁ〜という感情を挟まずにはいられなかった。
4巻で打ち切られ、ストーリーも完全にぶつ切りで、未完結となっている。
4巻の終わりには申し訳程度に、読み切りの話が追加されてたりもする。

絵が劇画タッチで、ソフトなテイストが好まれる昨今の読者に受けが悪い。
これは長所でもあり、好きなところでもあるのだが、背景の描き込みを頑張りすぎ。
カット割りも懲りすぎて、読解するのにややかかる。
最近の漫画では珍しいバトル主体の形式で、ストーリー性が弱い。

物語は「現代に生きる忍者」をテーマに、大都会渋谷を舞台に、忍術を使った戦いが特徴的で、基本的にハッタリがない。
ハッタリがないというのは、すべての忍術(能力)には、きちんとした物理法則から成り立っており、それには忍者が活躍した江戸時代からの舞台背景までも準備される濃さである。
しかし、漫画の中で、その説明がなされるのだが、漫画にしては荷が重すぎて、うざったい印象を受ける。
流し読みでもたいがい理解出来るが、難しい箇所もある。

早い段階で黒幕が出てきてしまった(2巻序盤)時点で、どうにも薄っぺらなありきたりな雰囲気が広がってしまった。
レギュラーキャラを出し惜しみ(?)しすぎたのも短命を招いた原因かもしれない。
読み切りの話は、キャラもそろっていい流れを出していたので、もうちょっと長い目で見れば、育った漫画だったようにも思える。

なんにせよ、非常に惜しい!こういう意欲的な漫画が流行らないし育てられないのは、残念に思う。
もちろん、とくべつこの漫画が出来が良かったというわけでもないのだが(確かに欠点も多い)、あまりにも打ち切るのが早かったのではないだろうか?

せめて完結させて欲しかった。残念!





[2007/02/20]
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