開発ツール | RPGツクール2000 |
発売日 | 2011/09/13 |
価格 | 0円 |
発売元 | 天駆連星 |
タイトル名から連想されるとおり、ファミコン時代のレトロな雰囲気を売りとしたロールプレイングゲーム。
ドットチップ、BGM、モンスターグラフィック、どれも古き良きファミコンゲームを再現したものとなっている。
内容的にはファミコンのRPGというよりは、ファミコン時代のドラクエといったほうが、より正確だろう。キャラドット、マップチップはどちらも思い切りドラクエだ。
初期のドラクエで見たことあるようなシーンや仕掛けが実にいいタイミングで登場してくる。
ただ、細かいことだがBGMに関しては、ファミコンっぽいといえばファミコンっぽい電子音なのだが、寂しすぎるというか、どの曲も哀愁ただよう素朴さで、ちょっと違和感が気になった。
「クラシックレジェンド」という題名ではあるものの、クラシック調なのはビジュアルまわりのみで、それ以外はほとんど今風の作りとなっている。
テキストは漢字混じりだし、ゲームバランスも理不尽な厳しさはなく、お金も経験値もガンガン貯まっていくので、テンポよくプレイすることが出来る。
個人的には、この辺もファミコン時代のゲームに合わせた作りになっていると期待していたため、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
意図的にバランスを理不尽にしたり、遊びづらく作られても、それはそれで嫌だから、このままで良いのだけど...。
ゲームとしての完成度は、正直言ってかなり高いほうだ。
まず、ゲームバランスが良い。
エンカウント率は低めでちょうどよく、戦闘のバランスもしっかり取られている。
お金も溜まり過ぎることがなく、新しい町についた時に、手持ちのお金と相談して欲しい武具を厳選する必要があるように、きちんと考えられている。
シナリオが良い意味で薄味なのも良い。
ストーリーを見ていくといった感じではなく、自発的に世界を冒険して先へ進めていくといったプレイ感覚が、実に昔のRPGを思い出させてくれる。
ごちゃごちゃと余計なゲームシステムが無く、キャラクターの過剰な自己主張も無く、すっきりと綺麗にまとまっているのも注目すべき点だ。
この辺がタイトルの「クラシックレジェンド」たるゆえんだと思える。
また、ダンジョンの作りも中々凝っている。
どのダンジョンも、ただの迷路で終わらないように工夫が施されており、凝った仕掛けや謎解きが用意され、プレイヤーを苦しめる。
このおかげで、ダンジョン探索も苦痛にならず、新鮮な気持ちを持ってプレイすることが出来る。
これでもかというほど王道路線のRPGで、オリジナリティに乏しく、慣れたプレイヤーにとっては退屈さを感じさせるゲームかもしれない。
しかし、奇をてらったゲームシステムや、キャラクタ、ストーリーなどに安易に頼らず、本質的な部分だけで勝負してきている本作は潔いと言えないだろうか。
王道路線を貫き通すというだけでも、結構大変なのだ。
クセがなくシンプルにまとまりながら、ゲームとしてのボリュームもそれなりにある。
王道でオーソドックスな作風に徹しているため、それ以上のものはないが、決して遊べない作品ではない。そこで結論。
よく出来た王道RPG。