トレはん!


開発ツールRPGツクール2000
発売日2009/11/12
価格0円
発売元りの

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独自のゲームシステムを多く採用したコメディタッチのロールプレイング。

テキストとシナリオの質が非常に高い。ストーリーが短く、いいところで終わってしまうのが残念過ぎる位。

システム周りはほとんどオリジナル。
シンボルエンカウントだが、ダッシュ移動で簡単に避けられるため煩わしさがない。また、フィールドを歩いていると徐々にHPが回復するのも良い。
ダッシュ移動の切り替え操作がやりづらかったのがちょっと不便だった。

バトルは、サイドビューで最大2vs2。若干物足りない仕様かもしれないが、その代わり、キャラクターが良く動く。飛び出すダメージ表示など、なるべく視覚的に見せようという努力が見られる。
右側に表示されるパーティキャラの顔グラフィックのパターンも数種類あって、協力技ではカットインが入ったりもする。
また、素早さの高い順から行動するセミリアルタイム制を採用しているのも好感が持てる所だ。

MPは無く、それに近いものとしてCPがある。特技を使う際にはこのCPを消費する。
戦闘中だと、3つまでは1回行動する度に1ポイント自動で回復するが、それ以上はチャージ(防御)するかアイテムを使って回復しなければならない。
フィールド(ダンジョン)上でも、ルーンのカケラを調べることで、回復させることが出来る。

3人パーティだが、戦闘に参加させられるのは2人までで、主人公は固定。2人目の仲間は好きなときに入れ替えることが出来る。バトル時では1ターン消費して入れ替える。
待機状態の仲間は時間経過とともにHPが回復したりするので、状況に応じて入れ替えて戦っていくようになっている。

レベルアップのシステムも独自仕様。
EXPは無く、スキルスロットを装備させて規定数戦うことでキャラクターのスキルレベルが上がっていく。
この時装備しているスキルスロットの性能に応じてステータスが成長する。
戦士タイプ、魔法タイプといったスキルスロットがあり、キャラごとに伸ばしたいステータスに合わせたものを装備させる。
ただ、この辺はゲーム自体が短いこともあり、あまりカスタマイズの面白さが引き出せていない印象があり残念。
育てていくとクラスチェンジするという概念が作られているようだが、普通にエンディングまで到達するぶんには、そこまで育ちきる前に終わってしまう。
また、このへんのレベルアップの仕組みがイマイチわかりにくさが残ってしまっているのが惜しかった点かもしれない。
そこまで無理して独自要素に拘る必要があったのかと言う感想も一方である。

他にも、敵を倒しても直接お金が手に入るのではなく、換金アイテムを落とすことがあり、それを売ってお金を集める所、
会話ウィンドウが顔グラフィック+吹き出しになっている点、サブメニューでパーティメンバーと会話できるなど、細かいところが凝っていて作りこまれている。
マップの造形も、狭すぎず広すぎずの絶妙な位置にあり、出来が良い。

色々と独自要素にこだわった作りになっており、オリジナリティあふれる作品だが、労力の割に面白さにつながってない節が感じられたのが実に惜しいところだ。
しかし、この手間とこだわりは、作者の力量の高さを十分に感じさせる力作といえるだろう。そこで結論。

作者の拘りが節々に活かされた作品。





[2015/02/20]
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