対応機種 | プレイステーション |
発売日 | 1999/10/28 |
価格 | 6800円 |
発売元 | ソニーコンピュータエンタテインメント |
惜しまれつつ完結したアークザラッドシリーズだが、
多数の続編希望の声に応える形で、3作目が発売された。
プレイステーション創生期に「光と音のRPG」と銘打って発売された
このシリーズは、派手なバトル演出と音楽が特徴的だった。
3作目が発売されるに当たって、これまで全てドット絵で描かれていたのを
ポリゴンに一新し、その上にスプライトキャラの表示という時流に合わせた描写法に変えている。
ポリゴンにしたのはいいが、結局2DのRPGと一緒で全て上から見下ろしたカメラ位置は
一切動くことはない。
これでは、せっかくポリゴンにした意味が全く無い。
従来の作品では、3Dに強く2D処理に弱いPSのハードウェアを上手に使って
サターンにも引けを取らない、高いクオリティで作られていたが、
この技術的な辺りで別段凄いことをやっているわけでもなく、非常に貧相でつまらない。
映像的な面はとにかく最悪で、カメラ以外にも、モデリングからテクスチャーまでちゃちくさく
おまけにフレームレートも30に落とされているために、雑っぽい。
たまに入るCGムービーの水準だけは一丁前に良くなっているが、肝心のゲームパートの
低水準さには落胆するばかり。
ウリの一つだった、派手な攻撃エフェクトも地味になり、
戦闘ボイスも音が割れているという具合。
T-SQUAREが担当していたトラック再生に迫る勢いだったノリノリのサウンドも
なりを潜めてしまい、貧弱な楽曲ばかり。
ゲーム内容は、2で登場したギルド仕事がメインに据えられており、
基本的な流れは、いくつかの仕事をクリアすると、ストーリーが進展する仕事が出てくる
という感じなのだが、
このせいで、ゲーム大半は「おつかい」であり、やらされ感が強い。
おつかいイベント自体が面白ければいい。だが、このゲーム自体、
テキストの出来が非常に悪いので、結果としてつまらない。
ゲーム後半(ディスク2枚目)になってくると、ミニゲーム形式のものがいくつか出てきたり
大掛かりなものがやっと出てくるために
前半のマンネリはやや払拭されるが、そのころには既におつかいノルマ制な作りに
嫌気がさしている状態。
一応物語として完結するように作ってあるが、取って付けたような物であって
期待すると肩すかしを食らう。
戦闘周りのシステムも実にいい加減な作りで、
特に経験値がバーの表示だけで具体的な表示がないからよく分からないのだが
弱い敵を倒そうが、ただ移動しただけだろうが、一定の経験値が入るらしく
ちょっと脇道に逸れて戦っているとすぐにレベルが上がっていく。
このせいで、キャラがすぐ強くなってしまい、戦闘が作業的になってしまう。
攻撃周りの演出が簡素になりテンポアップしたのはいいが、
貧相すぎて、どちらかというと手抜きをしたという印象の方が強い。
少々煩雑さが漂っていた2のシステムだが、本作ではシンプルにまとめられている。
しかし、前作独特の面白味が逆に削がれてしまい、ゲームとしての幅が狭まった
退屈な作りになってしまっている。
まとめられているのではなく、ここでも面倒だから手を抜いたという印象が強い。
どうも、2までの開発元が解散したり、別の発注先でもゴタゴタがあったらしく
その影響をもろに受けたようなのだが、いくら要望が強いからと言って
ただ出せばいいと言う物では無いだろう。
チヤホヤされて調子に乗った駄作