バイオハザード6


対応機種プレイステーション3
発売日2012/10/04
価格7990円
発売元カプコン

(c)2012 CAPCOM
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バイオテロから生き抜く超有名サバイバルホラー、バイオハザードの第6作目が堂々登場だ!!
5で導入されたオンライン対応のCo-op(2人同時協力)プレイは当然のこと、敵キャラクターに扮してゲームの進行を妨害するエージェントハントモードも新たに導入された意欲作だ。

前作では、「何も変わっていない」「時代遅れ」という批判を受けたせいか、色々システムに意識的な変化が加えられている。
(個人的には、5のゲーム内容は、あれはあれで綺麗にまとまっていて4を踏まえた続編としても好き)

まず、大きく変わっているのが、移動しながら射撃、リロードが行えるようになったこと。
いわゆる、サード・パーソン・シューティングとしての色合いが5より強くなっていて、基本的な操作性や機能はひと通り揃っている。

当然、それに対応する形で、ゲームバランスも難しめに調整されている。
操作形態はアクションが大幅に増えて複雑化し、わりかし強力だった体術による近接攻撃は、無敵時間がなくなりリーチが短くなったうえに(この辺は記憶だけで書いているので間違ってるかも知れない)、使うためにはフィジカルゲージ(体術を使うために必要なゲージ)を消費するために、かなり使いづらくなった。
ゲームルールや操縦性の大幅なリニューアルによって、全く別物のゲームに変貌したといっても過言ではない。

一般的なシューターゲームと比べると、難易度がかなり高めに感じた。

理由としては、体力が自動回復制じゃないうえに、ダメージを受けやすく回復アイテムもあまり手に入らないので死にやすい。
このシリーズお決まりの、“知らないとまず殺される”仕掛けが、従来のシリーズより頻度がかなり多いのも気になった。
時限イベントの時間制限が厳しく、何やったらいいかわからないまま死んでいくシーンも非常に多く、ストレスを溜めるところが目立っている。
海外の、特に戦争系FPSにかなり強い影響を受けてるのか、ゲーム進行が前シリーズと比べ非常に強引で強制的。そのくせ誘導が下手くそなので、引っかかって死んでスムーズに進めずイライラしてしまう。
バランスの付け方もカプコンらしいいやらしさで、(実質的な)一発死のトラップが沢山置いてあって、理不尽さを感じるところが多かった。

カバー(壁に張り付いて敵の銃撃を避ける)アクションの操作が、癖があってやりづらい。ただでさえ攻撃が激しいのだから、何とかして欲しい。
今やこの手のゲームもしっかりしたものが増えてきて飽和状態なのだから、こういう基本的な部分がちゃんと出来てないとそれだけで大減点になる。

他のシューターゲームでは、敵が人間であることが多いので、ヘッドショットで一撃で倒せるのだが、このゲームは、相手がゾンビなので、なかなか倒れなくてしぶとい。
そのくせ、バイオシリーズとしては、敵の数も非常に多く、敵の移動速度も早くなっててガンガン前に攻めてくるので、結構キツイ。
敵のAIルーチンや配置に関しては、じっくりクリアリングしながら先に進めてるつもりでも突然後ろから奇襲を食らうことも珍しくなかったり、逆にAIの動きが中途半端に馬鹿で冷めてしまうところがある。

「バイオ5」は、かなりプレイした。プラチナトロフィー狙いでやったのではなく、
純粋に知り合いとのオンラインCo-opプレイやマーセナリーズモードをやりこんで行ったら自然とプラチナトロフィーを取ってしまうぐらいプレイした。
他には、別の知り合いのためにXbox360版も買って、360版もそれなりにプレイするほど異様に「5」はやり込んだ。

しかし、5で培ったプレイのノウハウは6ではほとんど役に立たず、ノーマルモードをオフラインモードで1人でクリアするだけでも、かなり苦労した(初プレイでは1つのステージで3〜7回は死んでいる)。
どちらかというと、他のシューターゲームをプレイした経験のほうが役に立っている印象だ。

難しくて複雑だからつまらないという言い方はしたくないのだが、バイオシリーズのナンバリング最新作で、いろんな人が触るゲームにしては、調整がマニアック過ぎて、「大丈夫か!?」と本気で心配になった。
ノーマルモードをただ普通にクリアするだけでも、他の同じジャンルのゲームと比べても、明らかに要求されるプレイスキルが高いからだ。
そういう難しさを売りにしたゲームなら構わないのだが、大作ゲームで、安全パイのゲームで、ここまでマニアックな人を選ぶゲームというのは危険極まりないと感じる。
さては、4と5で、やりこんだ人たちがゾンビをホイホイよけて軽く先に進んでいく動画なんかを見て、悔しくなって手強くしたんじゃないかと馬鹿な想像をしてしまったほどだ(そんなはずはないんだけど)。

システム周りを中心とした不満点もかなり多い。

マップが入り組んでいる割に、レーダーマップが廃止された。かわりに目的地が画面上にアイコンで示されるものの、迷うマップも多い。
ルートナビゲートの機能もついているが、そこまでするのなら、素直にレーダーマップをつけて欲しかった。迷った時ナビゲートに頼らざるを得なくなった時、純粋に悔しい!!

操作性、全体的に良くない。特にゲーム中のメニューインターフェイスが悪い。
武器切り替え、アイテムの使用は、クロスメディアバーのようなインターフェイスになっているのだが、これがまた使いづらい。困ったものだ。
このシリーズは沢山の武器、アイテムが出てくるから、瞬時に使い分けるために色々模索した結果がクロスメディアバーだったのだろう。
慣れてきたら使えないこともないのだが、とっつきが悪いことは否定出来ない。
ハーブ(回復アイテム)を使うときに、タブレットに入れるという操作をしておかなければならないというのも、緊張感とリアリティを出したかったのだろうが、単純に面倒くさかった。

スキルシステム。敵を倒すと手に入ることがあるスキルポイントを集めて、防御力アップなどのスキルを購入し、同時に3つまで装備できる。
RPGてきなシステムだが、ぶっちゃけ前作みたいに金を集めて武器自体を改造強化していくタイプのほうが、何となくロマンがあって強くしてる実感も湧いて好きだった。
今回の複数主人公の形式だとそういうのは難しいというのはわかるのだが、スキルシステムに関してもそれは同じことが言えて、別のキャラを操作するときに、覚えたスキルを使いまわせるというのもおかしな話だ。
また、1つシナリオを最後までクリアすると、スキル装備のセットの切り替えができるようになる。同時に装備できるのは3つまでだが、最大8つまで登録できて、ゲーム中に状況に応じて切り替えることが出来る。
これもまた、いちいち切り替えるのが面倒くさいし、それならば同時に装備できる数を5個とかにしてくれたほうがまだ嬉しかった。

最近の海外系シューターゲームを意識しているいっぽう、相変わらず古臭い部分が残っているのも違和感があった。
中途半端に謎解き探索要素が残っていること(というか実は謎解きステージのほうがバイオらしさが出てて楽しかったのだが、これでは本末転倒である)。
アイテムを拾うとき一々ボタンを押さないと拾わないのが煩雑である(現在は触るだけで取得するのが主流となっている)。
武器の残弾数を気にしながら戦うところや、相変わらず部屋の中をアイテムの入った木箱を壊すために隅々まで探す煩わしさが、ゲームのテンポを著しく阻害している。

視点や移動操作の自由度が高くなった一方、未だに180度クイックターンという古いアクションが残っているのも疑問。出したい時に出しづらいし、出したくない時に出してしまうことがある。
こんな古いアクション操作はそもそも、バッサリ切ってしまった方がいい。

大作ゲームということもあって、ゲームボリュームに関しては申し分ないものになっている。
4人の主人公がいて(パートナーを含めると全部で7人)、4つのシナリオがあって、全20ステージ。とはいえ、重複しているステージもあるので、全シナリオを攻略するのは若干苦痛であった。
自慢のストーリーも、バイオらしいっちゃバイオらしいが、いつもどおり味がない作りで、見掛け倒しで、なんともつまらない。

ステージ内容はただの撃ち合いばかりじゃなく、謎解きやカーチェイス、戦闘機に乗り込んだ空中戦など、バリエーションがあってとても力が入っている。

だが。種類を豊富にしたせいかそれぞれのパートの作りこみが行き届かなかったのかどれも安っぽく感じてしまった。悪くはないのだが何となく惜しい。
(少なくともカーチェイスの機銃は、車は直接操作できなかったが5のほうが迫力があったと思う)

グラフィックはそれなりに綺麗だが、描き込みを頑張りすぎちゃって、パッと見て、オブジェが何を示しているのかわからず混乱してしまう。
本格的な銃撃戦をするために、遮蔽物も沢山置いているせいで、マップ自体もぐにゃぐにゃごちゃごちゃせざるをえないので、通常視点の視界の悪さ、マップがないことと合わさって、プレイヤーとしてはかなりつらいゲームになってしまっている。

全体的に感じた印象としては、「コールオブデューティ」みたいな派手なシューターゲームの後追いをしている感じで、バイオハザードっぽさが全然なくなってしまったことだ。
レオンやクリスといった歴代シリーズの登場人物が出てくるからかろうじてバイオハザードというゲームを遊んでいると思えるが、ゲーム自体はほとんど良くあるシューターゲームと変わらない個性のないものになっている。

そしてこういうゲームを日本主導で作ろうとすると、海外産のものには勝てないってことを思い知らされる。
間の悪いところでムービーのカットシーンが挿入され、ムービーシーンでプレイヤーが介入できるのはバイオシリーズお決まりのクイックタイマーイベントだけ。
カーチェイスや戦闘機を動かしていて、凄く盛り上がってきてる時に、頻繁にムービーが入って操作が中断されたりすると、凄く冷めてしまう。
演出周りもどことなくお上品でチープさが漂っており、派手さに乏しいのも厳しい。
乗り物系のパートなんかはもう、海外産のゲームには勝てないレベルにまで差を付けられてる感じがした(バイオ6が本気を出した大作ゲームとして見た場合)。

非常に手厳しい内容になってしまった。
バイオハザード6という名前がついてなかったら、ここまで厳しく言わなかったはずなので、ゲーム単体で見た場合、そんなに酷いゲームではない(ちょっと惜しいところは気になるが)。
映画の主人公を自分で動かしているようなゲームを目指している割には、初プレイの人を明らかに殺すような一発殺しが多すぎてストレスがたまるし、撃ち合いのバランス自体も、ボス戦が多いことを含め、シビアでつっかかりが多く厳しい。
やりこんでスキルが揃ってきて、ステージ攻略に慣れてきたら、楽に遊べるようになるのかもしれないが、やはり操作性が複雑化しすぎてて、何度も遊ぶ気になれなかった。半端にボリュームを出してしまったのも一理ある。

個人的には、バイオシリーズは、誰でも簡単に入り込めて楽しく遊べるシューティングゲームであって欲しかったので、安易にマニアの意見を取り入れて難しくする方向性に進めるのはやめて欲しかった。

ゲーム的にも、ストーリー的にも、「バイオハザード」としての続編を面白く作るのはかなり厳しいかもしれない。そこで結論。

バイオシリーズはもう終わったのか!?続編に期待。





[2012/10/08]
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