ブレイブリーデフォルト2


対応機種Switch
発売日2021/02/26
価格6800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2021 SQUARE ENIX / Cray Tech Works
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Amazonリンク:ブレイブリーデフォルト2

ニンテンドー3DS初期に発売され大きな話題作となった「ブレイブリーデフォルト」。その後続編も開発されるほどの人気作品となる。
今作はストーリー、世界観、キャラクターを一新して送る完全新作だ。
スクウェア「ファイナルファンタジー5」のシステムを継承し進化させたジョブチェンジとアビリティカスタマイズ。
それに加えて、ターンを貯める、あるいは前借りができる「ブレイブ&デフォルト」という新機軸の戦闘システムが目新しさを見せる。
斬新なシステムの投入によって、単なるクラシック路線のRPGでは終わらせないという気概と野心を感じさせる。
本作は、これまでシリーズ開発してきた「シリコンスタジオ」から派生した開発スタジオ「クレイテックワークス」が開発を担当し、BGMは第一作目にて高評価を得たRevo氏を起用。
その他キャラクターボイスには豪華声優陣をかき集めた、まさに盤石の体制で送る今では珍しくなりつつあるJRPGの超大作だ。そして舞台をニンテンドー3DSからSwitchへと移しアンリアルエンジンで開発された本作。
果たして完成度はどうだったのか。

大まかなゲーム内容としては、過去作と同様にまさに王道RPGといってよく、いわゆるオーソドックスなJRPGのシステムを踏襲していて、このゲームを手に取るユーザーであれば、まず迷うことはないし、大きく期待を外すようなこともない。安心な作りと言えるだろう。
このシリーズは、ニンテンドー3DSでゲームを発売しているもの以外に、ソーシャルゲームを展開していたりと新規のIPをなんとか定着させようと売り込みを行っていたが、正直なところ効果的とは言い難かったように思う。
そういった関係もあってなのか、二作目の「ブレイブリーセカンド」では消費型の課金アイテムを売り出していたが、イマイチこれも全体のゲームコンセプトから不釣り合いに感じたし、世界観やキャラクタを流用していたのも良くなかったように感じられた。
そしてやはり「ブレイブリーセカンド」は評判は著しくなく、その失敗によって一気にシリーズの存在感がしぼんでいったように思う。

現に、前作「ブレイブリーセカンド」から今作の発売までは実に6年という間が空いてしまった。

そんな失敗があったこともあってか、今作は「絶対に失敗させないぞ!」という気合を感じる作りになっている。

ゲームシステムが(タイトルでは2とついているが)実質3作目となることもあって、細部までとても練り込まれており、小さな不満点までつぶさに潰していっている印象がある。
ランダムエンカウントだったのがシンボルエンカウントになったり、完全なターン制だったものが、素早さの早い順にターンが回るアクティブターン制を採用しているなど、ゲームの根幹に至る部分まで大胆にシステムを変更している。
レベルアップのタイミングがとても小気味よく、特にジョブレベルの上がり方が非常に良いので、いろんなジョブを試してみようという気にさせてくれる。
ジョブレベルを上げることで覚えられるジョブアビリティも無駄なものを省き厳選している印象で、こちらもなかなかバランスが良い。

一方で難易度は高めに舵を切っている印象で、特にボス戦では試行錯誤するのが前提のバランスになっており、歯ごたえのある作りで面白い。
ザコ戦でも、敵のカウンターアタックや弱点耐性をしっかり考えて戦わないといけないところがあり、単純な力押しだけでは上手く行かない作りになっている。

ゲームクリア後に開発者インタビューを覗いてみたのだが、「なぜここはこうなっているのか?」という疑問に感じる部分がいくつかあったが、あえて意図的にやっているという回答を見て、かなり細部までゲームを練り込んでいて頭の良い作りであることを感じた。

グラフィックはスクエニだけってクオリティはかなり高い。質感はクレイアニメのような感じで、アラがなく非常に高クオリティで良く出来ている。その他フィールドの特殊効果も凝っていて素晴らしく感じた。
ただ、アンリアルエンジンを使って開発したためなのか、ゲームの挙動が不安定になることがあり、ロード時間もちょっと長く入ることもあって、そういう点では残念さを感じた部分もある。

しかし、ビジュアルや音楽といった視覚的部分のクオリティは総じて高く、そしてスクエニの本職であるRPGとしての出来もかなりの安定感と完成度となっているので、ゲームとしてのクオリティは総合的に良くまとまっていると言えるだろう。

ゲームのコンセプトとしては、古き良き時代のRPGのリブートと言ったところなのだが、シンボルエンカウントを採用しているところやアクティブターン制にしているところなど、なにもかもが古いままではなく、きちんと今の時代にあった形で作られているので、そのへんのバランスがかなり良く感じられた。
なんか最近そういえばRPGやってないなという人にも、十分オススメできる内容になっている。

細かい部分での不満点はなくはないのだが、あえて探し出してごちゃごちゃいう必要もないレベルのものばかりと思う。ただ、メニュー画面のインターフェイスはもうちょっと快適にできたんではないかなぁ(言ってるそばからごちゃごちゃ言っとる言っとる)。

「ブレイブ&デフォルト」のシステム以外には、これといった革新的な要素に乏しいのが欠点といっちゃ欠点なのだが、あらゆる場面で手堅い作りを選択してきた思想はかなり安定感がある。
多くのRPG好きが納得できる内容になっているのは、簡単にできそうで出来ないすごいことだろう。

RPGの面白さを再定義して濃縮した良作!





[2021/03/29]
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