コールオブデューティ モダンウォーフェア2


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2009/12/10
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)1999-2009 SQUARE ENIX / ACTIVISION / infinity ward
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海の向こうでは、絶大な人気を誇っているファースト・パーソン・シューティング「コールオブデューティ」シリーズの最新作である。
今回はシングルプレイモードのストーリーが前作「コールオブデューティ4」の続き物であることから、サブタイトルの「モダンウォーフェア」に2を付けて発売している。

まず目を見張るのが圧倒的なグラフィックのクオリティである。国内ビッグタイトル「ファイナルファンタジー13」ですらかすんで見えるほどだ。
また、ヘリコプターから機銃を撃ちまくって、戦車を破壊し大勢の人間を倒したり、遠隔操作でミサイルを発射するなど、スペクタクルシーンも満載で、臨場感や爽快感もかなりのものである。
勿論、映像が綺麗でありながら全てが60フレームでなめらかに、そしてリアルに動く。すさまじい完成度だ。

操作性に関しても、クセが無く素直に動くので間口が広い。最初に遊ぶことになるだろうシングルプレイでは、操作方法を丁寧にレクチャーしてくれる。
またその後、プレイヤーの実力をはかり、最適な難易度をチョイスしてくれる。ぬかりない配慮がもうけられている。

オンラインを介した対戦モードは当然ながら入っているが、スペシャルオプスという協力プレイモードも新しく導入された。
対戦はちょっと気が引けるという人にも、こちらの協力プレイ(2人)でがっつり楽しめる。ちなみにオフラインで画面分割して遊ぶことも出来る。
シングルモードのみだと、ステージ数はかなりの数作られているのであるが、やはり10時間足らずとちょっと物足りない。しかしスペシャルオプスなども含めるとゲーム・ボリュームも、かなりの物となる。

対戦モードなどの、ゲームバランス調整に関してまでは、深く立ち入った批評は出来ない。なぜなら明確な正解がないからである。
一つ言えるのは、良くできたFPSということだけだ。

ただ一つ気になったのが、ローカライズである。なんか意味が通らないところが多いなと調べてみたところ、やはりかなり誤訳が多いようだ。しかも、ご丁寧に音声まで日本語で吹き替えてくれている。
今回から、スクウェアエニックスが日本版の販売を手がけることになり、発売直前に、世界で売れているゲームを日本でも是非売りたいと社長が直々にテレビ出演し、その熱意を語っているのをたまたま見たのだが、ゲーム自体は非常に良く出来ているのである。
しかし、やはり言葉の壁が一番の障害になっていると思う。日本でも売りたいなら、ここに最も力を注ぐべきだ。

これまでも洋ゲーと呼ばれてきた物は、国産ゲームでは当たり前にされてきたことがおろそかになっていて、ユーザーが定着しなかった。
たとえば、○(A)ボタンが決定、×(B)ボタンがキャンセルといった細かい操作性から始まって、メニュー画面や文章によるナビゲートの表現の仕方である。

この手のゲームは大抵、右から左に流れてきた英語を直訳しただけのような物が多く、馴染みにくかった。本作においてもそれは健在である(最近ではそうじゃないゲームも僅かながらある)。
しかもそんな直訳言葉を吹き替えで喋るぐらいだ。せっかく凝ったストーリーを用意しても、意味が通じにくい日本語では全く台無しだ。

要所要所での操作に関するヘルプ文章も、たとえば、ボタン長押しで武器の切り替えといった説明文も、「ボタンホールドで切り替え」という表現は、普段国産のテレビゲームでは見ない表現である。
些細なことなのだが、そういった細かい違和感を埋めることで、もっと洋ゲーに対して入り込みやすくなるのではないかと思う。ゲームの面白さは普遍だが、文化の違いはある。その違いを埋めるのがローカライズの役割である。

また、価格が高いのも不満である。まともなローカライズをやってくれればまだ許せるものだが、こんなやっつけで直訳しただけのようなゲームに、この値段は無いだろう。

残虐表現がカットされているから不満という意味ではないが、テロリスト襲撃のステージで、丸腰の民間人を撃ってしまうとゲームオーバーという自主規制も悲しい。つまり、テロリストを演じるステージなのに、実質的には見ているだけなのである。これは事情をわからないと違和感がある。
大元のアメリカ版のバージョン(オリジナル版)では、出来ていたことを出来なくするということに対しての不満だ。ゲームが大衆化してからというもの、日本も上品な国になってしまった物だ。昔は卑猥だったり残酷なゲームが野放しにされていたというのに。

ゲーム自体はかなり良くできているが、ローカライズ周りが駄目過ぎる。そこで結論。

人気No.1のゲームは伊達じゃない、しかし日本で売るには改善点はたくさんある。





[2010/01/19]
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