クライムクラッカーズ2


対応機種プレイステーション
発売日1997/11/27
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1997 Sony Computer Entertainment / MEDIA.VISION
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キャラクターデザインにここまひを起用した、PS初期のラインナップの一つ、スペースオペラ「クライムクラッカーズ」の続編である。
DOOMタイプの3Dダンジョン探索アクションゲームで、実験的に挿入されたアニメーションムービーが当時話題を集めた。

ゲームシステム、操作性、ゲームバランス等に難点が見受けられる作品だったが、続編ではじっくり練り込む時間がとれたためか、洗練された作り込みでかなり遊びやすくなった。

RPGと銘打っておきながら、RPGっぽさが薄いゲームだったが、今回はキャラクタにレベルアップの成長要素を導入することで、かなりRPG要素が強まったと言える。

ステージ上で取った行動によってシナリオが分岐し、8通りのストーリーが楽しめる。攻略するステージマップもルートごとに異なっている。また、全て攻略すると最終ステージが出現する。
一度クリアすると、レベルやアイテムを引き継いで最初からのプレイとなり、繰り返しプレイして全てのシナリオを攻略する構成になっている。

1つのルートはそれほど長くなく、4〜7ステージで1周が終わってしまうが、全ステージを攻略しようとするとそれなりのボリュームとなる。
ステージのバリエーションも豊富で、ワンパターンになっていない点も評価できる。

このシステムは斬新で中々面白い試みだと思うのだが、残念ながら問題点のほうが目立ってしまっている。

攻略するルートの順番がほぼ決まっている点。ゲームバランスをコントロールするためか自分で選ぶのではなく、選ばされている作りで、やらされ感を受けること。

8通りにシナリオ分岐するが、実質的には4つのシナリオがさらに2つに枝分かれするだけで、状況の変化によって多少展開に違いはあるものの基本的に同じ話を2回見る羽目になる。

レベルを引き継いでプレイ出来るせいもあり、全般的に難易度がかなり低い。加えてレベルが上がりやすい上に、サイト照準にオート機能が付いており自分で合わせる必要がない、敵の弾が遅い等といった作りによって、さらにヌルい有様に。
必ず最後に攻略することになるエクストラルートでさえも、装備品の強力さも相まって、まったく緊張感がない。困ったモンである。

世界観設定などテキストの質が高い作品だが、今作においてもクオリティの高さは健在だ。
ただ、その良さがイマイチ描写不足により、プレイヤーに伝わってない印象がある。面白い設定もサラリと流してしまったり。最後の伏線が引っ張ったわりに肩透かしものだったり。
台詞回しが「ワイルドアームズ」に非常に似ている。どうやら「ワイルドアームズ」と同じスタッフが制作しているようだ。メモリーカード管理画面なんてそのまんまだし、スクリーンセイバー機能まで付いている。

ジャケットの裏には、40分に及ぶアニメーションムービーを収録!!などと書かれているが、CD1枚に収めるために、フルサイズなのはオープニングムービーとボーナスムービーのみ。
肝心の劇中ムービーは全て小さいサイズで再生される。これにはがっかり。何もそこまで無理してイベントをアニメ化しなくても良かったと思う。

取ってつけたように人気声優をあてがっているのも、無理矢理感が目立ってかえって購買層を狭めてしまっている気がしてならない。しかしあまりにも「新世紀エヴァンゲリオン」絡みの声優が多い気が?
個人的に気になったのは、主人公のセリアが役柄と声が合ってないように感じた(ただ岩男潤子出したかっただけじゃないかと…)。前作の主人公エミリアの声もイメージと違って違和感があった。

キャラクターデザインの絵柄も全体的に幼すぎるように思う。前作ぐらいのほうが丁度良かった。

複数の階層にまたがるような立体的なギミックが登場するなど、ステージマップも大幅にグレードアップしている。
しかし、相変わらずマップ構成は四角いブロック型で、記号的な面からすればわかりやすいが、やはり画一的で古臭いと言わざるを得ない。
クリーチャーのグラフィックもイマイチで数も少ない。1の時は、どれもが目新しく感じられたものだが、あれから3年経ってる割には進歩していない。
生音で派手なBGMを鳴らしているのも1と変わらないが、この手法は、音源の制約が無いが、かわりに曲終わりにBGMが途切れてしまう。さすがに何か工夫が欲しかった所だ。

やり始めの数時間は色々目新しくて面白く感じられるのだが、手の内がわかってきたりバランス崩壊し始める中盤以降になると作業的になり「う〜ん」と唸ってしまう作品だ。
シェリフスターを全て集めたおまけも、実にギャルゲー的アプローチで、なんだかがっかりしてしまった(声優ファンとかなら嬉しいのかもしれないが)。そこで結論。

方向性を見誤った作品(前作のエンディングでいきなりアイドルの穴井夕子が主題歌を歌いだすムービーには衝撃を受けたものだが、露骨なアニメおたく向けではなく個人的にはああいう一般性が欲しかった)。





[2011/08/08]
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