ドラゴンボールZ 超武闘伝


対応機種スーパーファミコン
発売日1993/03/20
価格9800円
発売元バンダイ

(c)1993 BANDAI / BIRD STUDIO / SHUEISHA / FUJI TV / TOEI ANIMATION
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鳥山明の超人気格闘漫画「ドラゴンボール」が、対戦格闘アクションになって登場!
これはもう、このチョイスで「勝った」も同然なものであろうが、さて、ゲームの出来映えはいかほどだろうか。

ドラゴンボールは、原作の連載開始から幾度となくゲーム化されている作品であるが、初期は当たり前のようにアクションゲーム、その後はなぜかカードゲーム風のRPGが主流となっていき、「原作ゲーとして心をつかむ演出もあって悪くないんだけど、ちょっと違うんだよなあ」と思わせるものばかりであった。
そんなときに、カプコンから「ストリートファイター2」が登場し、対戦格闘アクションというジャンルが大ブームとなり、ドラゴンボールもそのブームに便乗する形で、対戦格闘アクションとしてデビューすることになったのが本作となる。

さて、本作はただスト2を模倣したものではなく、随所にドラゴンボールらしさを盛り込み、だいぶオリジナリティのある独自システムとなっている。また、アニメ版と同じ声優を起用し、ふんだんなボイスで喋るというのもキャラゲーのツボを抑えており好感度高い。

地上と空中を自由に行き交い、敵と離れると分割ラインが表示されるといった部分が特徴的。
キック、パンチの他にエネルギー弾、いわゆる飛び道具をボタン一つで繰り出せるのも快適で良い。その他にダッシュ移動があり、敵との距離を一気に詰めるor離れることが可能。

このように、一見原作通りのスピーディなバトルが堪能できるのかと思いきや、近接の肉弾戦の作りが非常に荒削りで、動きが固く、思ったとおりに動かせない。ジャンプの軌道もちょっと変だし、この手のゲームで「投げ」がないのも致命的といった印象を受ける。
「投げ」がないので、画面端に追い詰められてハメられると中々抜け出せないのも辛い。

また、パワーゲージを消費して出せる「かめはめ波」といったエネルギー波系の超必殺技(デモ必殺技)は、超強力なのだが、撃たれた相手には豊富な防御コマンドが用意されており、かわしたり、ガードしてダメージ量を軽減したり、高度なコマンドだと打ち消したり、はね返したりといったことまで出来てしまう。
必殺技の入力受付もシビアで、技が出しづらかったりするのも難点。

まだまだ全体的に格闘ゲームとしては、バランス調整不足だったり、全体としての雛形は出来ているものの、細部のシステムが出来上がってない感じで、惜しい内容ではある。
ただ、オプション画面でキャラクターの技表が見られるといった配慮があるのは素晴らしい。もっと贅沢を言うと、ゲーム中でもポーズ画面で参照できると尚良かった。

なんにせよ、ドラゴンボールの世界観で、しかも原作っぽさを意識したそれなりのオリジナリティの高さを見せた作品で、対戦格闘アクションが遊べるというのは、それだけで大きなアドバンテージであり、多少の荒削りさを吹き飛ばす威力はある。
ゲームとして完成形とまでは行かないまでも、一作目の段階で、ここまでのものを作り上げてくるというのは、中々に凄いことではある。

ドラゴンボールと対戦格闘という絶妙の取り合わせは素晴らしいが、荒削りさが目立つ惜しい出来。





[2019/07/22]
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