ドンキーコング


対応機種ゲームボーイ(13色対応)
発売日1994/06/14
価格3900円
発売元任天堂

(c)1994 Nintendo
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昔アーケードで稼動していた「ドンキーコング」をベースに作られたアクションパズルゲーム。ファミコン版は本体と同時発売されていた。

ゲームボーイをテレビ画面に映して遊べるスーパーゲームボーイ(スーパーファミコンのコネクタに差して使う)と同時発売されたもので、スーパーゲームボーイの機能をふんだんに活用した内容になっている。
例えば、ゲーム画面のカラー化。スーパーゲームボーイを使って遊ぶと、ゲームボーイでは単色モノクロ4階調だったものを、最大13色発色させることが出来たり、場面に応じてパレット切り替えすることで場所場所の雰囲気にあった色合いでプレーできる。
また、スーパーファミコンを介しているので、SFCの機能を一部間借りして使うことが出来る(本作では一部のBGMをSFC音源に置き換えて鳴らしている)。細かいことでは、余った外側の枠(ピクチャーフレームと言う)に専用のフレームを表示させるなどだ。

基本的にスーパーゲームボーイの機能を披露するために作られたゲームで、肝心のゲーム部分は悪くない完成度なのだが任天堂にしてはちょっと…?という立ち位置にある。

アーケード版の4ステージが収録されていたり、演出面に当時を意識したものを入れるなど懐かしさを感じれていい。
マリオのジャンプ力などグラフィックやキャラクタ性能は、アーケード版を基本として改良されている。ちょっと高いところから落ちただけで即死するという仕様はさすがにつらいので、前転したりピヨったりする程度に変更された。

1〜1.5画面のステージ内のどこかにある鍵をゴールとなる扉まで運ぶことでステージクリアーとなる。制限時間があり、時間内にクリア出来ないとアウトとなる。
一連の動作を行うには、スイッチを切り替えて足場を出したり、扉を開けたりなど、アクションゲームでありながら頭を使うパズル的な要素が強い。

全100ステージあり、その面数に耐えうる敵キャラやギミックが用意されているのであるが、1アップ出来る機会が多くて残機数が増えすぎて緊張感が無いことに加え、全体的に低難易度なので単調になってきて、遊んでいてだるくなってくる。

マリオのアクションもかなり豊富で、逆立ちからのハイジャンプ、さらに三段ジャンプ、バック宙、敵(鍵)を持ち上げる投げつけるなど、凝っているものの、固定画面でごちゃついたマップ構成なので、(必要に迫られた時以外)使うことが殆ど無い。はっきりいって勿体無い。
プレイしていて、「あっなんか凝っているね」と感じられる程度で、残念なことにゲームとしてはあまり活用されていないのである。

ステージの合間に挿入されるデモ画面(スコア集計画面)で、こういうアクションもあるということをきちんとアピールしてプレイヤーに教えている点は素晴らしいと言える(知らなかったで終わらせないのがさすが任天堂である)。

前述のとおり、スーパーゲームボーイで遊んでいることを想定して作成されたゲーム。
エリアマップやタイトル画面では13色の色を割り当て、ゲームボーイらしからぬカラーさを表現している。また、音質も向上する。
ステージマップに入ると、4色になってしまうが、面ごとにパレットを切り替えることで雰囲気をしっかり出している。

これだけ力を入れて市場に投入したのだが、全てのユーザーがスーパーゲームボーイでプレイするわけではないこともあって、ここまで力をいれる必然性に乏しく、多くの他社製品は、専用ピクチャーフレームと、タイトル画面のみ13色、それ以外は4色のパレット切り替え(これすら設定が面倒なのか使っていないゲームも多い)のみにとどまった。
任天堂自身も、これ以降スーパーゲームボーイでのプレイをこんなにも優遇するような作り込みを行わなかったぐらいだ。とはいえ、ゲームボーイの液晶画面では残像が激しく目が疲れて辛かったし、テレビ画面で遊べるというだけでも大きな功績と言えないだろうか(なんだかスーパーゲームボーイのレビューになってしまった気がするが気にしない)。そこで結論。

決して悪くないゲームだが、任天堂製品としてはイマイチ。





[2011/02/07]
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