前作はドラクエらしからぬ冒険的なゲームシステムが、 新鮮で面白かったのだが、今回は悪い意味でドラクエらしさを引きずった続編になってしまった。 まず、前作と配合理論が全く一緒なのである。 これでは、やっていることが前作となんら変わらない。 新たな種族として海族のモンスターが追加されているのだが、 大きな変革には至ってない。 バトルシステムに関しても、前作と何も変わっていない。 一部直された箇所はある物の殆ど変化は無い。 DQMは戦闘が肝となるゲームであるから、 ここら辺をある程度リニューアルしてくれないと、新鮮味が無くて面白くないのである。 一作目と内容的に大差ないのであれば敢えて2を出す必要は無い。 その代わり、世界観やストーリーが大幅に強化されている。 前作では、ひたすら自動生成式のダンジョンを潜るゲームになっていた。 しかし、今回は不思議な扉に差し込む鍵の種類によって行ける様々な世界を冒険するようになっている。 この中には町があったりダンジョンがあったりと、 本流ドラクエと同じような感覚でストーリーが展開されるようになった。 確かに、こういった部分でのてこ入れで冒険心や探索意欲はより沸くようになったのだが そこら辺は所詮GBである。 やはり据え置き機で作られる本家には到底叶わない。 だが、ストーリーは実にシンプルで分かりやすい。 それでいてドラクエっぽい。 ここら辺は初期のドラクエに近い印象を受けた。 残念なことに、本作は不思議な鍵によって行ける世界が変わるということもあって 膨大な数の鍵が用意されているのだが、持てる数が厳しく制限されている。 これは、ポケモンと同じようにルカ/イルとバージョンを分けて発売したのと合わせて 友達との交換を促進させるためにわざと施した処理だと思われるのだが、 如何せんこれが図鑑埋めや育成の足枷にしかなってない。 (因みに本筋のこってりしたストーリーが用意された鍵は物語上絶対に手に入る4つしか無い) のちにPSに移植された際にはこの仕様が撤廃されたことから不満の声が多かったのだろう。 同時期に発売されたDQ7と同じく金の溜まりが非常に悪い。 開発側の穴をついたような稼ぎ方が一応存在するのだが、バランスが偏っている。 最大の不満点は、たいした新しいことをやっていないくせに定価が6400円と高額なことだ。 前作は4800円で本作以上に遙かに革新的なゲームであったのに、これだけ値段をつり上げても この程度の物しか作れないのかと疑ってしまう。