| 対応機種 | プレイステーション3/プレイステーションVita |
| 発売日 | 2013/12/26 |
| 価格 | PS3:6800円(パッケージ)/6400円(ダウンロード) Vita(別売):3800円(パッケージ)/3600円(ダウンロード) |
| 発売元 | スクウェアエニックス |
「ファイナルファンタジー10」「ファイナルファンタジー10-2」のHDリマスター版。
あの感動が約10年の時を経て再びよみがえる。
発表から発売までずいぶんと待たされたのだが、たかがHDリマスターとはいえ、ずいぶんと手をかけて移植したようだ。
基本的な移植度や、アレンジの仕方は一緒だが、便宜上、別々に触れていく。
「ファイナルファンタジー10」は、後にスフィア盤と隠しボスを追加して発売されたインターナショナル版をベースとしたものだが、音声は日本語ボイスとなっている(PS2で出たインターナショナル版は英語ボイス)。また、映像特典だった「永遠のナギ節」も入っている。
細かな仕様変更もインターナショナル版を継承しており、具体的には、ミニゲーム「とれとれチョコボ」の、おそらく開発者の想定外だろう攻略法の修正と、経験値稼ぎで楽ができた「ドライブをAPに」の性能が変更されている。
久しぶりにプレイして、トロフィー目当てにやりこもうと思っている人には注意してもらいたい事項だ。
メインキャラ、フィールドは、HD向けに作りなおされているのだが、サブキャラ、mobキャラまでは予算が回らなかったのか、当時のままとなっている。
10年以上前のゲームということを考慮に入れると、今でも十分通用するクオリティではあるのだが、HD対応したキャラとそうでないキャラが混在していると、さすがに嫌でも落差が気になる。
他にも、BGMをHDリマスター版のために、わざわざ新規にアレンジ化されていたり、非常に豪華な作りだ。
個人的には、HDリマスター版は、当時の作品を完全再現する、懐かしむ意味合いが強いため、内蔵音源(PS2)版のサウンドと切り替えることが出来るようにして欲しかった。
また、メニュー周りのレイアウトが刷新されているが、戦闘時のレスポンスが若干悪くなってしまった気がする。ウィンドウの切り替わりが引っかかるようになってしまってイライラすることが多かった。
後、画面の切り替わり等のロード時間は、PS2版より、やや長く感じる部分があった。が、これは仕方のないことだ。
次に「ファイナルファンタジー10-2」について。
こちらも、インターナショナル版を日本語ボイスにしたものを収録している(PS2で発売されたインターナショナル版は英語ボイス)。
10-2のインターナショナル版については、追加要素が豪華で、オリジナル版ではなかった、クリーチャークリエイトという、モンスターを仲間にして育てていくシステムが丸々組み込まれている。
ユウナ、リュック、パイン固定だったパーティメンバーだが、仲間にしたモンスターと入れ替えて敵と戦ったり出来る。
他には、ドレスフィアが2つ追加されている(お祭り士、サイキッカー)。
また、本編の後日談を描いた「ラストミッション」という本編とは完全に独立した別ゲームが入っていて、こちらももちろん収録されている。
ゲーム内容は、ローグ(不思議のダンジョン)を踏襲したダンジョン探索ロールプレイングゲームだ。
基本的な移植度、アレンジの仕方は「ファイナルファンタジー10」と同様のため、割愛する。
一つ異なっている点としては、FF10-2は、急遽収録が決まったせいなのか、BGMのアレンジはされてない。
10-2に関しては、メニュー周りの操作性など、オリジナル版と違和感を感じる部分はなかった。
最後になるが、HDリマスター版での追加要素として、10-2の世界の更に1年後のスピラを舞台にした書き下ろしシナリオが収録されている。
映像はなく、音声のみで、いわゆるラジオドラマの形式を取っている。映像は、HDリマスター版のスタッフロール(FF10、FF10-2の開発資料が挿入されたりする)が流れている。
これは、FF10-3等、FF10の世界を舞台にした続き物の新作を予感させる内容となっており、その内容には好き嫌い、賛否両論巻き起こってもおかしくないほど、はっちゃけたものとなっている。
もし出るとしたら、幻光虫や異界のくだりが、まだ曖昧さを残していたため、そのへんを切り込んだ内容になるのではないかと思われる。
当たり前の話だが、10年前の作品のHDリマスター版ということもあり、今遊ぶと辛い部分も数多く見られる。
あと、今作最大の不満として、起動時のロゴの表示が長い上に飛ばせない。社名ロゴぐらいは飛ばせるようにして欲しい。そこで結論。
手間をかけてるが突出した部分は特に無し。無難なHDリマスター。