ファイナルファンタジー13 アルティメットヒッツ インターナショナル


対応機種Xbox360
発売日2010/12/16
価格4980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2009 2010 SQUARE ENIX
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日本国内ではプレイステーション3独占供給と強調され記録的セールスをたたき出した「ファイナルファンタジー13」のインターナショナル版がXbox360で発売。
もともと海外ではPS3とXbox360の同時発売だったので、個人的にはいつも通り出すだろうなと思っていたので驚きは全くなかった。

しかし世間的にはかなり酷評を買ったようだ。まあ、あれだけ独占販売としつこく言い続けていれば、本体ごと買って遊んだ人もいるだろうし、ある程度の事情通でも今回ばかりはインターナショナル版は出る線は薄いと状況的に予測される状態だったので、多くの人が意外に感じたようである。
この会社に限ったことじゃないが、最近の据え置き機作品は開発費が高騰を続けており、最初からマルチタイトルで出して手広く商売したり、追加要素を加えるなどして後から他機種へ移植するケースがかなり増えている。
サターンとかゲームキューブに注力してた中小メーカーが、開発費を回収できず、やむなく当時のメインプラットフォームに移植するということはあったが、ここ数年は大手有力メーカーの大作級タイトルがこぞってこのような行為に出ており、これは非常に珍しい事態と言える。
開発費が膨れ上がっていることもあるが、各機種のシェアがばらけており、絶対的王者と言えるハードが長年不在ということも原因だろう。つまり、ここのハードで作っておけばまず問題ないという状況が無いので、ビジネス的にどこに投資すればいいかが読みづらい。読み誤ったゲームが移植せざるをえない状態だ。

とはいえ、今回のFF13のケースは、非常に頭が悪いと言わざるをえない。なぜなら、魅力的な追加要素もないし、日本ではXbox360市場は縮小の一途をたどっているので、本数もそんなに出ないことがわかりきっている。
そこにきて、最初に述べたように、PS3版のリリース前は売上本数をやれるだけ伸ばしたかったのだろう、自らの首を締めるだけのビッグマウスの連発である。

はずれたら非常にかっこわるいがここで敢えて予想を宣言しておこう。このインターナショナル版、PS3版の廉価版をリリースする際にインターナショナル版(勿論音声は日本語&英語両方収録してな!!)として出して再移植されるだろうと読んでいる。

PS3版との主な違いは、不満点のトップに挙げられていた難易度の高さを解決するための「イージーモード」の搭載。インターナショナル版なので、音声はとうぜんながら全て英語。昨今では2言語収録しているゲームも出てきているが、容量の都合上このゲームでは英語音声のみである。
ブルーレイディスクでは一枚で済んでいたゲームディスクだが、DVD-ROMでは一枚に収まりきらず、3枚組になっている。

細かい変更点を見ていこう。
PS3ではAVケーブルの出力だと文字が読めず遊べたものではなかったが、そこら辺を配慮して文字フォントを再調整しており、AV端子でも文字がしっかり読めるようになり遊べるレベルになった。
戦闘中のAIが改良され、より適切な動きをするようになった。特にヘイスト(行動速度アップ)を優先的にかけてくれるようになったのが大きい。
グラフィック云々という話は割愛。大きく違うというわけでもないし、この程度ならマルチプラットフォームのゲームでも良くある範囲の誤差だ。動かしているコンピュータが違うのだから全く同じ挙動で作ることのほうが難しいわけで。

新たに追加されたイージーモードでプレイ(ゲーム途中でも好きなタイミングでノーマルモードと切り替えることが可能)。
手作業で手間隙かけて調整したというよりは、機械的に問題があるところのパラメータを軽くいじくったって感じだ。しかし全般的にヌルくなっており、終盤のボス戦以外は、かなり楽になっている。
敵をブレイクさせやすく、ザコ敵のヒットポイントが下げられたせいか、通常の戦闘シーンはテンポ良く勝ち抜ける。

オリジナルでは、しっかり敵を倒して経験値を稼いでおかないと辛いバランスだったが、イージーモードではその必要がなくなりテンポ良く進めることが出来るが、しかしそれも終盤まで。
終盤の一部のボスキャラは、相変わらず強めで、ある程度キャラクタを育てておかないとクリアーできない。仮にもイージーモードなのだから、これはまずいだろう。それでもノーマルよりかは色々な面でだいぶ楽なのだが(元がスパルタ過ぎたという話もある)。

PS3のときはレベル上げのプレイ時間引き伸ばし工作のせいもあって40時間かけないとエンディングに到達できなかったが、今作のイージーモードでは終盤ちょっと稼ぎを強制される程度で基本的にイベント&ボス戦闘の経験値で事足りる緩さだ。それでも30時間弱でクリアできた。
ライトユーザーのことを考えると、主に問題視されていた後半のゲームバランスはまだ見直しの必要性があると感じた。ま、バンダイナムコゲームスのテイルズとかとは違って、金をかけたくなかったのだろう。AI強化以外にもオプティマチェンジの余計な演出とか最低限直して欲しいところを直さないのだから、この会社の体質はこういうモンなんだろう。そこで結論。

金と手間を惜しむと売れるモンも売れないぞ。後ろ指さされてもいいから追加要素などに力をいれるべきだった(価格もウリになるほど安くないし全てにおいて中途半端)。





[2010/12/26]
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