ファイナルファンタジー7 REMAKE


対応機種プレイステーション4
発売日2020/04/10
価格8980円
発売元スクウェアエニックス

(c)1997 2020 SQUARE ENIX
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超人気タイトル「ファイナルファンタジー7」のリメイクプロジェクトが遂に始動。
本作は、オリジナル版の序盤であるミッドガル編のシナリオを再構築して大幅にリメイクをした作品である。
果たしてその内容は?

まず目を見張るのがグラフィックの綺麗さだ。ムービーシーンと全く同程度の水準のものがリアルタイムで動いていると言うと、その凄さがどれだけ伝わるだろうか。
実際、このゲームのイベントシーンは、ほとんどがリアルタイム処理で、一部はムービーのようなのだが、違いが全くわからないというほどで、本当に驚く。
旧スクウェアの演出重視の目指してきた夢が、ここで遂に実現したのだと、軽く感慨に耽ってしまう。

大まかなバトルシステムとしては、キングダムハーツ風のアクション+コマンドバトルに、FF13にあったブレイクシステム(今作ではバーストと呼称されている)を組み込んだ形となっている。
戦闘への移行はシームレスに行われる。
アクションの難易度としては割とガチな作りになっていて、難易度は高めになっている。
ただこれ、思うに、現在のノーマルが本当はハードで、イージーがノーマルだったんじゃないかなあと感じている。結構作った頃に、どうしようかって話になってハードをノーマルにそのまま差し替えたような印象がある。

RPGユーザ向けにコマンドバトルを主体としたクラシックというモードが用意されていて配慮が行き届いている...んだけど、途中に入るバイクのミニゲームなんかも結構アクション的にも難易度が高く、本作をRPGとして遊ぼうとすると辛いんじゃないか?と感じる部分はある。
ちなみに私は、ノーマルモードでクリアしていったので、クラシックモードの事情は詳しくはわからない。

最大3人パーティで、そのうちの一人を動かし、残りの2人はAIが動かす。
しかしこのAIは、基本的にはATBを消費する行動を行わない。見てると攻撃を回避することに重点を置いていて、攻撃の手もあまり激しくなく、十字キーでいつでもキャラ切り替え出来る点を考慮に入れると、
どうもプレイヤーが3人分のキャラを管理するようなコンセプトのようだ。
実際、一人で戦っていると、キャラクタの非力さに驚く。うまく3人のプレイヤーキャラを連携させて強力な攻撃を次々と叩き込むというのが正しい遊び方のようだ。
このあたり、AIも一緒に協力して戦ってくれるということに慣れたプレイヤーからすると、「なんてゲームだ!」となりかねない危険さを孕んだ作りとなっている。

時間経過や通常攻撃を当てるなどで、ATBゲージが溜まっていき、一杯に貯まると、それを消費してアビリティや魔法、アイテムなどを使うことが出来る。
ATBが溜まったときは、音で知らせて欲しかった。いつ溜まったかがわかりにくく、気がつくと最大まで溜まっていたなんてことが珍しくなかったからだ。
あと、せっかくATBが溜まったのに、使い所があまりないキャラクタもいたりして、どうにもこの辺、続編では改善がほしいと思った所だ。
軽く触ってみた感じだと、ティファが一番システムとの親和性が高くATBをガンガン消費してガンガン強い攻撃を当てられる強力キャラというイメージで、それ以外のキャラは今ひとつ一長一短といった感じで使いこなせなかった。
これでも一応、一番使っていたキャラはクラウドだったのではあるが...。

また、バーストというシステムも、戦闘に緩急をつけた面白いシステムではあるのだが、バランス面で今ひとつ活かしきれていなかった印象が強い。
敵に攻撃を当てると、バーストゲージが溜まっていく。これを一杯まで貯めると、バースト状態になり、大ダメージを与えられる状態になる。
しかし敵によってバーストゲージが貯まる条件や貯めるための手段が用意されていて、ただ攻撃を漫然と当てているだけでは駄目なパターンが多い。
ボス戦でもそうなのだが、バースト状態になった頃には、ほとんどHPが枯渇状態になっていて、苦労してバースト状態にしたのに、その恩恵がほとんど受けられず、また爽快感も無いという状態に陥ることが非常に多かった。
特にボス戦では、HPの残りが50%になると形態変化を行うボスが非常に多く、このときにバースト状態やバーストゲージもリセットされてしまうため、バースト状態にするメリットがあまりないことが多い。
このあたり、まだ一作目で試行錯誤しながらバランスを構築していった弊害なのだろう、続編では改善されていることを期待したい部分だ。

マテリアのシステムは本作にも登場しているのだが、このシステムは相変わらず面白く、そしてよく出来ている。
他に、やや煩雑さが勝っているものの、武器のカスタマイズのシステムも、使わない武器の強化が面倒な側面が大きいものの、レベルアップごとに手に入るスキルポイントを消費して強化していくのは楽しく、こちらも良く出来ている。

ストーリーについて。
もともとオリジナル版では、5時間程度で終わるボリュームの物語だが、それをもとに新キャラの追加、オリジナルエピソードや新しいダンジョンを加えていき、普通にやっていると30時間から40時間程度かかるぐらいのゲーム内容へと変貌を遂げている。
オリジナル版をやっていると、「テンポが悪くなってないか?」とか「ここにこんなエピソードを入れるのは不要じゃないか?」など感じる部分は少なからずあった。
また、ただのリメイク作品にしたくない思いが制作陣にはあったようで、期待を裏切るような展開も入れられており、ここらへんは好みが分かれそうだ。個人的な感想としては、素直なリメイク作品を求めていたので、肩透かしを食らったのは否定できない。
しかし、結論は今後発売されるだろう続編の内容を待ちたいと思う。
ただ一方で、これだけ大掛かりなリメイク作品になっているのに、オリジナル版の細かい部分(シーン)を尊重してそこら辺をしっかり再現していたりするのも、また凄い。

苦言も書いたが、良く出来たゲームであることには間違いがなく、完成度は高い。
FF7の、それもミッドガル編のみのリメイクで、よくぞこんなにも豪華な作りにしてきたと素直に驚いてしまった。

ファンの期待を良い意味で裏切りつつも、新しい可能性を見せている。





[2020/04/19]
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