フロントミッション


対応機種ワンダースワン(カラー専用)
発売日2002/07/12
価格5200円
発売元スクウェア

(c)1995 2002 SQUARE / YOSHITAKA AMANO
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過去の名作をワンダースワンで復活させるプロジェクト、
スクウェアマスターピース第5弾、フロントミッションがスワンクリスタルに合わせて発売された。

ヴァンツァーといわれるメカをセットアップし、戦場を制してゆく
今や人気シリーズとなったSFシミュレーションRPGの一作目である。

SFCで発売された時は、その精巧なグラフィックスが話題を呼んだ。
綺麗なだけではなく、ジオラマチックな細かな描画は、
当時発売したての次世代機のポリゴンを凌駕する勢いであった。

それをWSCで再現する、というのは無理があるのではないかと思ったが
それなりな再現度であり、ハードウェアの性能上、劣化しているのは否めないが
雰囲気は良く出ている。
とはいえ、同時発売のスワンクリスタルの液晶画面でないとその真価がかいま見えない
というのは痛いところではあるのだが。
他にも、ハード末期に開発されたソフトだけあって、演出面のエフェクトなど
非常に無理をしている面があるが、それでも見苦しい箇所が無く上手いところにおさめたというのは
それだけで評価に値する。
さすがに、ポリゴンの表示までは再現出来なかったが、
あれはあれで違和感のあるものでもあったので、無くてもいい物とも思う。

見苦しい箇所は全く無いわけではない。
ユニットの移動時に、移動可能範囲の表示が出来る余裕すらないため
移動コマンドを選択した時のみ、マップがワイヤーフレーム表示に強制的に切り替わってしまう。
これはスペック上の事情もあるのだけど、やはり違和感バリバリである。
また、戦闘シーンの細部にまで拘った動きもバッサリ切られており
割り切ってゲームゲームした挙動に変更されているのも残念。

だからといってSFCに負けているところばかりではない。
プログラミングがこなれており、処理関係が軽く快適で
スローモーションなどの処理落ちが一切無い。
SFC版では良くその拘りが処理のもたつきを生んでしまった面もあったのだが、
本作においてはあらゆる面で処理が軽快でストレスが溜まらずに遊ぶことが出来る。

ただし、音楽や効果音などの音関係は、かなり音質が落ちてしまっている。
しかしWSCというスペックの中では頑張ってる方とも思う。

難易度がかなり低く、S.RPGらしからぬ単純さもそのままではあるが、
そのかわり間口は広い。
また、インターフェースやゲーム内容も1995年のゲームだけに、今でも十分通用するレベル。
移植に伴って、追加要素などは一切無いので経験者よりも未プレイ者が遊ぶべきゲームである。

快適に手軽に遊べるようになった名作。未経験者は是非。





[2005/04/08]
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