がんばれゴエモン 天狗党の逆襲


対応機種ゲームボーイ(カラー両対応)
発売日1999/01/14
価格4300円
発売元コナミ

(c)1986 1998 KONAMI
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ゴエモンシリーズとしては久々となるロールプレイングゲームである。
主人公はTVアニメで活躍するゴエモンに憧れる普通の小学生で、ふとしたきっかけでアニメ(過去)の世界を行き来できるようになり、ゴエモンたちと冒険の旅に出る。

なんか、いつものゴエモンとは毛色の違った内容である。露骨に低年齢層向けで、シリーズファンというよりは、アニメとか漫画見て知った小学生相手に商売している感じ。
ストーリーの脚本も、ゴエモン達というよりも、彼らのやり取りに介入するような形で、趣が異なる。それこそ、児童向けアニメを見ているようなノリだ。

雑誌の紹介記事や画面写真を見た時点で、ヤバそうな雰囲気がプンプンしていたと思うが、期待に違わぬクソゲーである。
突っ込みどころ満載でどこから書いていいものやら迷ってしまうほどだが、かいつまんで指摘する。

インターフェイスは、ちょっと前に出たエニックス「ドラゴンクエストモンスターズ」に似ている所がある。画面切り替え式で、画面下にパーティのHPなどの状態が表示され、情報の切り替えが可能。
基本的にドラクエタイプのコマンドRPGだが、戦闘システムはサイドビューで、前衛後衛の概念があり、属性強弱の要素があったりと、スクウェア「ファイナルファンタジー」の色も強い。
しかし、最大3人のパーティ戦闘だが、ターン最初に控えのメンバーと入れ替えることができたりするところは、ドラゴンクエストの馬車のシステムと同じである。

マップチップの描き方が下手くそで、どこが歩けてどこが歩けない場所かわかりづらい。透明な壁が多く、行けると思って画面端まで行ってみたら、壁だったということが多い。
こういう時はきちんと柵や壁を描くなりして、プレイヤーにしっかり示して欲しい。
ドラクエのように壁にぶつかるとドンと音を出すが、ちょっとでもぶつかるとこのSEが連続で鳴り続ける。うざったい。

会話メッセージをAボタン押しっぱなしで早送りすることが出来るが、普通は次のページへ切り替わる時に早送りがストップするが、このゲームは押し続けている間延々とメッセージを早送りし続けるので、台詞が読めない。
仕方ないので、表示速度の遅い台詞をイライラしながら読むことになる。何とかして欲しい。

顔グラフィックが下手である。特に小学生である主人公のグラフィックや設定の魅力のなさと言ったら情けなくなってくる。

戦闘システムやゲームバランスも悪い。特に直接攻撃が当てにならないというか使いものにならない作りになってしまっている。
後衛にいるとダメージが落ちるくせに、前衛に出せるのは一人だけ。良く攻撃を外す上に、威力が半減するボチボチ攻撃(きちんと当たらなかった)というものまである。武器防具の与え方もタイミングが悪く、とにかく、使えない。
こういったシステムを組み込むことで、単調さを払拭したかったのだろうが、ただただ戦闘が長引くだけで不愉快になるだけである。困ったモンだ。

で、忍術(呪文)が極端に強いので、これに頼り切りになる。回復ポイントや回復アイテムが安く手に入るので、ケチる必要もない。

必殺技ゲージを溜めることで必殺技を使うことが出来るが、たいした強くない。使えない。ただゴエモンインパクトを出したかっただけじゃないかとさえ思う。

乱数や確率設定がきちんとできていないのか、やたら敵とエンカウントすることがあったり、会心の一撃が出まくったりする。さすがにこういった基礎的なところぐらいはきちんと出来てて欲しい。素人のゲームじゃないのだから。

企画を通すためだろう、色々華々しいシステムを作ったものの、まったく活かされておらず、結局戦闘は単純作業になってしまっている。子供向けのせいか難易度が低いのもダメさに拍車をかけている。

最大の不満点は、ゲーム・ボリュームだ。RPGなのに4時間足らずで終わってしまう。ダンジョン、町、技の数も全然少ない。
低予算で作って、ゴエモンというキャラを使ってガキを引っ掛けられれば儲けモンみたいな浅はかな考えで作ったのだろう。
その証拠に、低レベルなプログラムに、まったくゲームの面白さにつながってないつまらないだけの考えて作られていない各要素が挙げられる。

老舗ゲームメーカーのかつての看板タイトルとは思えないほど、ぞんざいな作りで思わず呆れてしまった。
ゴエモンシリーズ3作品同時リリースのプロジェクトばかり先行して、外注丸投げで品質について全く見てなかったのだろう。そこで結論。

遊ぶ価値すら無い詐欺製品。





[2011/08/26]
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