日本ファルコムが送るPC-E用ゲームソフト第二弾は 約1年半振りの登場となる風の伝説ザナドゥの続編。 前作の時点から1994年2月というPC-E市場としては末期にさしかかっていただけあって 続編となる本作は1995年6月と、もう末期も末期である。 そのため定価も9800円と高額で、しかしその割にボリューム的にはグレードダウンしてしまっている。 再三書いているとおり、末期のPC-E作品はどこかSFCへ対抗意識を燃やしていたゲームが多く PC-EにはPC-Eなりの方向性があるのに無理矢理SFCライクな作り方をするゲームが目立っていた。 その中でも最も悪い影響を受けてしまったのがこのザナドゥ2である。 見下ろし型のA.RPGで、熟練度システムなど大元の要素は変わらないが マップチップが小さくチマチマしていたのが不評だったのか、 当時のSFCばりのグラフィックになり、グラデーションバリバリで描き込んだつもりなのだろうが 変に小綺麗になってしまって返って無個性になった印象を受ける。 また、当然ながらマップチップが大きくなったために見通しが悪くなってしまった。 途中途中で前触れもなく強制イベントが起こることも多く、 イベントでの誘導がしっかりしている代わりにやらされている感のような 一本道RPGの色合いがより強くなった感じがする。 狙いとしてはSFC並のグラフィックでCD-ROMの利点を生かしたフルボイスなイベントという 豪華さをウリにしたかったのだろうが、 どちらかというと、当時の流行りに飲まれて方向性を見失っていたという印象の方が強い。 無駄なところまで作り込まれていて、良い意味で煩雑だった前作と比べ ここでもやはりコンシューマの風当たりを受けて、変に端折ったのが逆に手抜きに感じてしまった。 とどのつまり、オリジナリティをバンバン排除していって遊びどころが薄れたゲームになっているのである。 前作で不評だったのか、フラグ立ての手順も最低限になり、頭を使う部分の難易度もかなり下がっている。 引っ掛からず進むのはよいが、どうにも淡々としてしまっていて面白く無い。 これも不評だった横アクションステージも、縮小されてボス戦のみにとどめられている。 だが、どうせならアクションステージ自体無くしてくれた方が良かった。 変に格闘色が強くなってコマンド技が追加されていたりするのだが、 このステージ自体、遊ぶ機会が少ないのだから変に作り込まれても余計困惑するという物だ。 1に比べると全体的にグレードダウンしているのは否定出来ない。 それもオリジナル作品であることとPC-E末期であることを考慮すれば仕方ないことなのかもしれない。 しかし、それでも言いたいのはあまりにもコンシューマの悪影響を受けすぎであるという点。 1995の段階で、PC-EはあるけどSFC持ってないという人は殆どいなかったろうし、 SFC持ってるけどPC-E持ってないという人は、そもそもPC-Eそのものに興味すらなかったはず。 だから、SFCを意識して作ってみたところでそのコンセプトはあまり意味が無い。 そうなのだから割り切ってPC-Eの性能を限界まで引き出した作りをしてやろうという方向に 意識が向けばもっと良いゲームになったろうに、残念でならない。