マリオカート ダブルダッシュ!!


対応機種ゲームキューブ
発売日2003/11/07
価格5800円
発売元任天堂

(c)2003 Nintendo
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アイテムを使って相手を妨害して速さを競い合う、パーティゲームとして確固たる地位を確立した、マリオカートのゲームキューブ版。
今回は、2人乗りのカートに乗り込むタッグプレイだ。新しいゲームシステムが、いつものマリオカートにどう変革をもたらしたか!?

基本のゲームシステムは同じだが、パーティゲームとしての色合いが更に濃くなっており、アイテムの種類が大幅に増えたことで、順位の入れ替わりや逆転がしやすいように、ゲームバランスはより派手に、より過激に生まれ変わっている。
この独特のプレイ感覚は、ともすれば理不尽に映るかもしれないが「マリオカートだからこれもアリだよね」と不思議と許せるものとなっており、かなり面白い。
全体として、ゲームバランスが大きく偏っていることもなく、下手な人でも運が良ければ1位に上がれることもあれば、上手な人でも1位から転落することが容易に起こりうる、絶妙な作りとなっている。

グラフィックもかなり綺麗で、常時60フレームでありながら、画面上のクオリティも非常に高い。加えてディスクアクセスも無いに等しく、このへんは、さすがゲームキューブ!!といった所だ。
ただ、ゲームキューブは水の表現が得意な割に、水回りの表現がイマイチになってしまっているのは残念。「ピーチビーチ」の波打ち際とか、もうちょっと「おおっ!!」と思わせるものに出来なかったものかと思う。

今作で最大のウリとされている要素として、2人乗りカートによるタッグプレイがある。
だがこれは、全体的にゲームを複雑化させてしまっていて、意味なくわかりづらくさせている側面が強い。

一つのカートを2人で分担して運転というゲームシステムは、パーティゲームとしては面白いが、「マリオカートとして面白いか?」というと、ちょっと疑問符を浮かべざるを得ない。
特長である、ブロードバンドアダプタを駆使した最大16人対戦も、環境を整えるのがまず大変だし、何かのゲーム大会以外ではなかなか活用されることはないだろう。

結局、一人もしくは4人以下少人数で遊ぶ分には、アイテムが2個持てるマリオカート以外の意味がなく、「なぜ2人乗り?」といった印象を持つ。

絵的には賑やかで華やかさがあり面白いし、決して悪い試みではなかったと思う。いかんせん、マリオカートである以前にパーティゲームとしてのゲームを意識しすぎた感があり、もう一捻りほしかったところではある。若干、空回り気味に終わってしまったように思う。

細かい不満点であるが、「オールカップツアー」が蛇足というか、無理矢理入れた感が強い。
このゲームは、全部で16コース収録されているのだが、どーも、作り手が「これだとボリューム不足だな...」と思ったのか、全コースを回らせるカップを急遽入れた臭い。1プレイ40分くらいかかる上に中断したりセーブしたりも出来ない。
また、マリオシリーズにしては妙にシビアで厳しい作りになっていて、どうにもらしくない。「日和って入れたな、任天堂?」みたいな気持ちにさせられた。

「マリオカート64」でも16コースだったし、コース数が多ければ多いほどよいというゲームでもないと思うので、そこら辺はもっと自信を持って欲しかった。

あと、普通に走るより直線ドリフトしたほうが早いとか、ボタン連打でロケットスタートが出るとか、ちょっと作り込みが甘いところがあるのも惜しい。

また、メニュー画面のカーソル操作に十字キーが対応してない。ゲームキューブ用のゲームは十字キー操作に対応してないゲームが多いが、なにか理由でもあるのだろうか?
あと本当に細かいことだが、一度選んだカーソル位置が記憶されないのも地味にストレス。「マリオカート64」ではカーソル位置が記憶されていたはずなのに。

2人乗りというコンセプトは台無しに終わってしまったところではあるが、それ以上にゲームシステムが大きく進歩していて、あまり気にならない。
パーティゲームとしての様相がより強まっていったことに賛否もあるかもしれないが、これも全体の方向性としては成功しているように感じる。
とにかく、任天堂の看板シリーズということもあって、大きく外すことはしてない。
相変わらず、タイムアタックも熱く面白く、一人でも対戦でも遊べる、全方位で楽しめるレースゲームだ。

2人乗りのシステムは空回り気味だが、唯一無二のレースゲームとしては健在である。





[2018/10/24]
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