マリオ&ルイージRPG


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2003/11/21
価格4800円
発売元任天堂

(c)2003 Nintendo / ALPHADREAM
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マリオのみならず、今回はルイージも冒険の旅へと出発する!!
マリオとルイージがタッグを組んでRPGに挑戦した、スーパーマリオの世界がそのままRPGになった、マリオのRPGシリーズの新作だ。
開発は、SFC「スーパーマリオRPG」に携わったスタッフが設立した「トマトアドベンチャー」を代表作に持つ、「アルファドリーム」。

マリオのRPGというと、これまで少なからず違和感を覚えながらプレイする部分があった。
ここではそのことについて多くは語らないが、「別にマリオが主役じゃなくてもなあ...」と思わせてしまう場面が度々あり、それが逆にもどかしかった。
それが、今作では、マリオとルイージが主役であることや、彼らでなければストーリーが成立しないという立ち位置に持ってきたことで、その違和感がかなり払拭されている。

作風はかなり異なっているが、全体的にN64「マリオストーリー」をお手本にゲームを組み立てていったようで、戦闘シーンにはそれが色濃く残っている。とはいえ、ほとんどゲーム的には別物なんですが...。
ゲーム的には「マリオストーリー」ほど、独自性が強い癖の強さはなく、いわゆる普通のRPGっぽい作りになってきているので、取っ付き度はグッと高くなっているだろう。

マリオとルイージはそれぞれ、ジャンプ、ハンマーを振る、ハンドパワー(マリオは炎、ルイージは雷)を使う、といったアクションが与えられており、移動パート、戦闘パート、両方において、それらを変わらず使えるようになっている。
そのため、戦闘で画面が切り替わるんだけども、「マリオストーリー」で感じたときほどの隔絶感を感じない。
また、Aボタンでマリオがジャンプ、Bボタンでルイージがジャンプするという、共通されたルール付けがなされているのも、移動パート戦闘パートそれぞれの一体感を高めている。
(正確には、移動パートでは先頭のキャラがAボタン、後ろのキャラがBボタンでジャンプ、もしくはアクションを発動する)

ただ、ボタンの数の割に、アクションの使い分け操作を押し込めすぎた感があり、少々...どころか、かなり煩雑な操作を要求されるようになっているのは惜しい。
詳しくは書かないが、単にワンアクションというだけでなく、隊列によって発動するブラザーアクションというものもあり、場所場所で切り替えてそれを発動するのが結構面倒。
ただ、これを使った謎解きのシーンはなかなか面白くできている。
しかし、ルイージが後列の時に使えるハイジャンプ、マリオが後列の時に使えるスピンジャンプは、頻繁に使用するので、そのたびに切り替えするのが大変で、テンポを乱している。

戦闘シーンでは、ジャンプやハンマーを使って敵の攻撃を回避する、反撃するという要素があり、これが「スーパーマリオRPG」「マリオストーリー」のときと違って、本格的に出来なければ戦闘に勝利するのは難しいといった位置にある。
回避(反撃)アクションの難易度も、比較的高めで、RPGを期待してプレイするプレイヤーにとっては、「なんだこりゃ?」となりかねない。
個人的にも目押しが苦手なので、敵の熾烈な攻撃を回避するのが、なかなか苦手で結構苦労してしまった。後、敵はザコキャラでさえ、1ターンに何度も連続で攻撃を行ってくるというのは、卑怯くさくて、どうも納得できなかった。ボスはまだしも、ザコ戦はテンポも悪くなるし、もう少し考えてほしかった。

また、戦闘以外でも、アクション操作を要求される場面があり、こっちの難易度も(RPGと銘打っている割には)それなりに高め。
大抵の人は何度か練習すれば突破できる程度ではあるが、やはりRPGとしては、ちょっとどうか?と感じてしまう部分で、救済措置もない。
このゲーム、ジャンルとしてはRPGなのに、戦闘も含めてアクション要素が強すぎる、っていうのは、誰をターゲットにしているのか、誰に売りたいのかというところの焦点がぼやけてしまっているように感じる。
アクション苦手な人が好んでRPGをプレイするのに、そのRPGで難しいアクションをさせるのはどうなのか?
ゲーム自体がつまらないってわけではなく、面白かったんだけど、この疑問は最後まで払拭できなかった。

ミニゲームの種類が豊富で、かつ、それぞれのミニゲームのクオリティが非常に高いことや、マリオシリーズの過去ネタをあざといぐらいに引用してきてとてもファンサービスが充実している。
ゲームとしてのクオリティは間違いなく高い。
ストーリーは少々ご都合主義なところが鼻につくが、全体的にコミカルな雰囲気が良いスパイスになっているし、全体的にテンポが良く、丁寧に作られている。

おそらく、マリオがRPGをやるということは、結果的にアクション要素を強くすることが答えに行き着いたのではないかと思う。
このゲームも、どちらかというとRPG的な部分が面白いと言うよりかは、戦闘でも敵の攻撃をうまく回避するアクション部分が面白くなっており、コマンド戦闘は「おまけ」になってしまっている。
まあ、マリオシリーズをいくらRPGといっても、RPG好きが買う人は少ないだろうし、そうなると、基本はアクションでRPGをやるという、本作の路線は、あながち間違っていないのかもしれない。
何度も書くけど、RPGを期待してこのゲームを買うのは、かなり厳しいと言うか、間違っている。「マリオ&ルイージRPG」なのにね(笑)。

アクションが主で、RPGが従なRPG。破綻しているように見えるかもしれないが、しっかり面白い。





[2018/09/28]
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