メタルギアゴーストバベル


PSで発売され大反響を呼んだメタルギア。
だが、元々のMSX版とは内容が大きく変わってしまった。
今回発売されたゴーストバベルはGBということもあって、
原点回帰した内容になっている。

とはいえ、俺はMSXに関してはノータッチで、移植されたFC版しか触ったことがないが。

ストーリーはある物の、面クリア型のスタイルを採用している。
これは携帯機を意識してのことと思われる。
とはいえ、決して淡々とした物ではなく、物語性も強い。

今回は見下ろし型のドット絵なので、PS版以上に、パズル性の高い構成になった。
また、良く言われていた3Dで描いていることでのリアリティの無さ(明らかに視界に入っている云々)に関しても
ゲーム的な映像であるため、違和感を感じることは無い。

壁張り付きであったり、新しいアイテム(重火器)を取って、使い分けていくといった要素は
今回もきちんと入っている。
PS版であった基本的なものは今回も全部入っているので、内容的に見劣りすることは無い。
流石にスティンガーミサイルまでは入ってないが。

一度エンディングを迎えると、エクストラモードが追加される。
これは、本編のステージで「時間内にクリアせよ」「隠されたエンブレムを取ってクリアせよ」
といった条件を満たしたクリアを要求される内容になっている。
これをやり込んでいくと、本編では明かされなかったストーリーが徐々に語られるなど、
ただの自己満足に終わらないものになっている。

ストーリーに関しては、メタルギアソリッド1のパラレルストーリーになっている。
アラスカでスネークを拉致した大佐が連れて行った先が、シャドーモセスではなく
アフリカである。
これは本作がメタルギアシリーズに於けるどういう位置づけでストーリーが設定されているかの
説明が無く混乱してしまった。
それに、あれだけ売れたMGS1の存在を全くないがしろにしているというのもどうかと思う。

残念なのはやはりGBである点。
やはり小島秀夫はCD-ROMを媒体とした据え置き機でないと力を最大限に発揮できないクリエイターだ。
MGS1では遺憾なく発揮していたドラマ性、演出面がごっそり抜け落ちてしまっている。
当然ながら本作はGBであるからイベント時に喋ることはないし派手なカメラワークも無い。
マップも3Dではなく2Dであるため、迫力に乏しい。
武器持ち替えや無線モードへの切り替えの操作がボタン数の関係でワンステップ余計な操作が必要なのも
動かしていて引っ掛かる。

だが、これらはGBだから仕方が無いと言える。

携帯機は遊び手も作り手も、スペックが低いためよりゲームと向き合わなければならない。
そんな中、本作はゲームとしてのボリュームは申し分ない物になっているし、
ギミックに関しても2Dであることを逆手に取った面白い物が多い。
派手さには欠けるかもしれないが、十分メタルギアのエッセンスが詰まっている。




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