メタルギアソリッド3 SUBSISTENCE


対応機種プレイステーション2
発売日2005/12/22
価格6980円
発売元コナミ

(c)1987 2005 KONAMI
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要するに、言葉が悪いが「焼き直し版」。
毎回このシリーズのやっていることだが、今回は少し事情が異なる。

まず外国語音声の評判の悪さを分かっているのか、今回は日本語音声のままで、
いつも追加要素に入れていたVRミッションは無く、別のものを入れているのだが、これがなかなか焼き直しの一言で片づけるには惜しいほど豪華。
実にDVD-ROM3枚組にもなる大ボリュームである。ただし初回版のみで、二次出荷以降は2枚組になるが。

どれもユーザーから要望の多かったものを潤沢に収録している。順に紹介していくと…。

ディスク1は本編。視点にプレイヤー追従型のビハインドビューが追加され、自分でカメラ操作出来る機能が備えられた。
これは、レーダーマップをなくしたために、従来の見下ろし型では不自由をする局面が多かったため要望の多かったシステムで、
実際かなり遊びやすくなっている。特にボス戦で顕著で、いかに無駄に苦労していたかがこれを遊ぶと良く分かる。
それ以外でも、敵との距離が掴みやすくなったため、手軽にマニアックな遊びを楽しむことが出来、経験済みのプレイヤーでも十分楽しめる。
元々マップ造形が凝っている作品なので、こちらの方がそういう面でも都合が良く、飽きさせない。

ディスク2はそれ以外のサブモードを収録。
中心にあるのが、熱望されていたオンラインモードの搭載、しかも無料でのサービス提供という大盤振る舞い。
だいぶ敷居を下げる努力は見えるが、まだオンラインの煩わしさは無くなっておらず、かつ豊富に用意されたゲームモードが、分かり辛いものにしているのは残念。
無料だから仕方ないが、ロビーサーバーなどのインターフェースが旧世代的で素っ気ないのも寂しい。
他にも、原点といえるMSX版2作の収録を実現。出来る限り、オリジナル版の雰囲気を残したまま遊びやすく改良されている。
再現度にも問題はなく、特に音関係なんか感動ものだ。
正直、いまの価値観に耐えうる代物かどうか厳しい面もあるが、熱心なファンなら感涙ものだろう。
「猿蛇合戦」も追加ステージを付けて勿論登場。ただし、完全版と言う割に(サルゲッチュ3からモデルデータをもらった)メサルギア完成版がただオブジェの一つで出ているだけなのは悲しい。

ディスク3では、小島監督自ら禁じ手と記している、本編のストーリー部分だけをつなぎ合わせた「観るMGS3」。
これを作るに当たって、本編のムービーを再編集、再構成するほど手の込んだ施しようである。
ただ、このディスク3は初回生産版にしか付かない。どーも、初動を高く売り上げさせようという目的がかいま見え、嫌らしさを感じる。
また、ムービーが入っているだけのディスクなのだから、わざわざPS2用のディスクに拘る必要は無かろう。素直に通常のDVDビデオでやった方が画質も良くなるだろうに。
E3で公開されたMGS4のトレイラー映像も入っているのだが、ムービーの圧縮によって画質が落ちており、「PS3実機での映像」と言われても、これのせいでイマイチ凄さが伝わらない。
大体このMGS3のムービーが3時間30分ほどなのだが、これでも無駄な部分はカットしているようだが、それでもまだ長い。
元の作品が巨大という事情もあるが、通常の映画と同じぐらいの2時間程度になんとか収めて欲しかった。
3時間30分なら、映画2本は軽く見れるし、PC-E「スナッチャー」を一周出来るぐらいの長さである。
それと、PS2用ディスクのせいで一時停止や再生などの操作の融通が利かないのも困ったものだ(特に一時停止出来ないのは痛い。シーン飛ばしもかなり煩わしい)。

お値段据え置き、焼き直し版という事情を考慮しても、経験済みプレイヤーが買ってもおつりが出るほどの豪華さ。解説書も非常に凝ってるし、未体験者なら尚更魅力的。
手放しに褒めるまでは出来ないが、この手の商品ではお手本ともなるべき内容なのは間違いない。特にコーエーやスクウェアエニックス辺りは見習って欲しいものだ。

これはもうファンを自称するなら迷わず買うしか無い!





[2006/01/19]
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