桃太郎伝説外伝


対応機種ゲームボーイ
発売日1991/12/26
価格4500円
発売元ハドソン

(c)1991 HUDSON SOFT / SUMMER PROJECT
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主にPCエンジンでシリーズ展開している「桃太郎伝説」の外伝がゲームボーイで登場。

ゲームボーイという厳しいスペックの中で、好評だった「桃太郎伝説2」のプレイ感覚が概ね再現されている。
(多少、ウィンドウの切り替わりが重いなどの部分はあるが)

また、ゲームボーイだと一本の壮大なRPGを作るのは大変だと思ったのか、ゲーム内容は3本の独立したオムニバス形式のシナリオを遊んでいく方法をとっている。

それぞれ「貧乏神伝説」「夜叉姫伝説」「浦島伝説」の計3本が入っている。
この3本は、ストーリーだけではなくゲーム性から差別化を出そうという工夫がかいま見える。

例えば、「貧乏神伝説」は一人旅で敵の持ち金を全て盗むことで改心させる(倒す)。
「夜叉姫伝説」は全編ダンジョンで構成されており、最大3人のパーティ編成も自由(主人公のみは固定)なバトル重視のシナリオ。
「浦島伝説」はストーリー重視型だが、ラスボスの息子が序盤から冒険の邪魔をしてくる。

短編のショートストーリーが3つ入っているゲームではあるが、このように1本1本がゲームシステムから違っているので、単純に1本の長編RPGを作るより手間が掛かっていると思われる。
遊ぶ側に取ってみたら、短編のシナリオが3つというイマイチ物足りなさを感じる内容だが、GBの1本のRPGとしてみるとクオリティは高いと言えるだろう。

ここから先は、PCエンジンで看板RPGにまで上り詰めた「桃太郎伝説」シリーズだからこそという物言いとなるのだが。

GBだからしょうがないっちゃしょうがないのかもしれないが、全体的に作りが荒い。
携帯ゲーム機で低年齢層が遊ぶことを配慮したのか、難易度がかなり低くヌルい。
レベルも上がりやすく、お金も溜まりやすい。特にレベルの上がりやすさたるや、宿屋不要って言えるぐらい怒涛の早さで上がっていく(レベルアップ時に全回復するため)。

それから、ステータス補助系魔法が強力過ぎて、使えるようになるとどんな強敵でも負ける気がしない(どんな敵にも絶対効く+重ねがけ可能という強力さ)。
さらに、ゲーム中盤以降、戦闘中に使うと特殊効果が出る装備品が出てきて、それらのほとんどがMP消費なしで驚異的な効果(敵全体にステータス低下、味方全体回復)を持っているため、バランスが完全崩壊する。
どのシナリオもラストダンジョンはせっかく広めに作られているのに、緊張感が全くなくひたすらにダルい。非常に勿体無い(GBで画面が狭いためにエンカウントが高いのも拍車をかけている)。

最後の苦言については、「桃太郎伝説」シリーズだからこそ出てきた不満であって、GBのRPGとして見た場合、じゅうぶん及第点をあげられる出来である。そこで結論。

GBとしてはそこそこのRPG。





[2015/07/30]
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