オトメディウス ゴージャス!


対応機種Xbox360
発売日2008/11/20
価格6980円
発売元KONAMI

(c)2007 2008 KONAMI / Konami Digital Entertainment
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アーケードゲーム「オトメディウス」の家庭用移植版。
「オトメディウス」は、コナミの往年のシューティングゲーム「グラディウス」のシステムを踏襲した横スクロールシューティングゲームである。
ただし世界観は全くの別物と言っていい。いわゆるギャルゲーのような路線だ。

いまやシューティングゲームと言えば、DOOMタイプのファーストパーソンシューティング(FPS)のことを指すことの方が増えてきた。
昔ながらの2Dシューティングは、家庭用はほとんど絶滅状態、アーケードでも、一部メーカーが頑張っている程度であり、非常に狭い市場になってしまった。
コナミ自身も業務用にリリースするのは、1999年の「グラディウス4」以来と言う久々っぷりである。

マニアックなゲーム性を払拭するために、色々チャレンジしている。どうやら、成功している「クイズマジックアカデミー」をだいぶん参考にしているように見える。

プレイヤーキャラクタは吉崎観音によるキャピキャピした乙女ばかり(乙女じゃないのも混ざっているが...)。
これ自体は、最近のアーケードゲームでは別段珍しい傾向ではない。

キャラクタデザインや世界設定自体は...滑っていると言わざるを得ない。硬派なシューターにも、ゆるいおたく層にもそっぽ向かれてしまっている感じだ。
もちろん、客足が良くないのはそれだけが原因ではないのだが...。

システムは、シューティングでは珍しくステージセレクト制を取っている。ゲームオーバーにならない限りは、3面分プレイ可能。
最初からすべてのステージを選べるわけではなく、繰り返しプレイすることで得られる経験値を蓄積していくことで、天使レベルという階級を上がっていく。このレベルが上がっていくことで、選べるステージや難易度が増えていく。
ただ、収録ステージ数が少ないと思う。「ハードモードが選べるようになったよ!」とか言われても、ライトなプレイヤーにとってはあまり嬉しくないだろう。

敵を倒してもらえるのは経験値じゃなくて、お金の方が嬉しかった。
最後までプレイを完遂することで、ウェポンカードという新しい武器をもらえて、ゲーム開始前に、どの装備品を付けるか選択出来る。
こういったカスタマイズ性も持たせており、ゲームの自由度は従来より広く持たせて、飽きさせないよう頑張っているのだが、一度のプレイで一つしかもらえない(しかも好きなのを選べない)というのは、出し惜しみがひどいだろう。決して数が少ないわけでもないんだし。
実際、Xbox360版では、ショップモードが付いて、好きな武器を購入出来るようになった。

「おやっ?」と思った方もいるかもしれないが、今や業務用のゲームでは珍しくないが、このゲームも磁気記録カード(コナミの場合はe-AMUSEMENT PASS)に対応しており、プレイデータをカードに記録することになる。

通信対戦を使ったバーサスモードで延命させるなどの工夫が見られるが、結局は、繰り返し遊ぶには面もキャラも少なすぎる、報酬が少ないなど、シューティングゲーム以前に、新たにチャレンジした部分に問題点の多いゲームである。

ただ、ワンコインでのプレイは、他のゲームと比べ、かなり長く遊べる。
最初からバリア装備(耐久力も高い)、そのうえ1機ストックなので、よほど腕に見合わない難しいステージを選ばなければ、ゲームオーバーにならずにプレイし終えることが出来ると思う。
ゲームバランスも、近年の弾幕シューティングなんかに比べると、圧倒的に良心的なギミック作りを心がけていて、イライラさせられるところは少ない。

D-バースト攻撃(いわゆるボム)は、せっかくのタッチパネル対応だし、仕方なく使ってみた感じだ。メニュー選択でも一々タッチパネルを使わせているが、ぶっちゃけ必然性は感じない。
ちなみに、Xbox360版は当然ながらタッチパネルには出来ないので、右スティックでカーソルを動かしてという対策を取っている。パイタッチもしっかり残っている。
また、オトメディウス用に開発された、疑似タッチパネル対応スティックコントローラも高額ながら発売されている。

グラフィックは全てフルポリゴンで描画されている。なので、微妙な当たり判定がわかりづらく感じる場合がある。色合いも弾との兼ね合いを考えてないので、見えにくい面もある。これは今に始まったことではない。コナミ製のシューティングだと、パロディウスシリーズやツインビーシリーズなんかもずっとそんな感じだった。

さて、Xbox360版では、アーケードそのままのオリジナルモード(ワイド非対応)と、移植に際してアレンジが施されたゴージャスモードの2種類が収録されている。
ゴージャスモードは、16:9で、ステージセレクト方式から、従来のSTG通り面クリア方式になり、それに伴って、ゲームバランスや構成も再調整されている。難易度はかなり低い(2周目やハードモード以降は勿論別だが)

アーケードの頃からその傾向はあったが、全体的に、弾幕シューティングの影響を受けており、弾数は多く、その代わり弾の速度は遅く、プレイヤーの当たり判定もかなり小さい。
グラディウスやパロディウスでは基本的にバリアにも当たり判定があったが、今作では無いので、かなりプレイヤー優位な作りと言える。

ゴージャスモードでは、オブジェクトが多い場面で処理落ちを起こす。それを除けばとくに問題は無い。
また、ゴージャスモードでは、D-バースト攻撃は使えないようにされている。

往年のコナミキャラがリニューアルされて出てきたり、コナミ製シューティングのパロディがそこかしこに見られる辺り、パロディウスの系譜を引き継いだ作品とも見れるが、なぜだかあまり嬉しくない。
というかこれじゃあ同人ゲームのノリだ。
シューティングとしての完成度も、手厳しいが、昔のコナミの2Dシューティングはもっと面白かったはずと言う印象を受けた。
全体的に作りが丁寧なのはひしひしと感じるのだが...
音楽も悪くないし。

安定したインカムを稼ごうとした結果、面白味の無いゲームになってしまった。そういう印象を受けた。下手な人でも安定して1プレイ長く遊べるのは、確かにそれだけでアーケードゲームとしては、大きな売りにはなるのだが、ゲームとして面白くないと駄目だ、そこで結論。

外堀の餌は充実しているが、本質的な出来はイマイチ。





[2008/12/02]
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