対応機種 | ニンテンドー3DS(ダウンロードソフト) |
発売日 | 2011/07/27 |
価格 | 500円 |
発売元 | ジュピター |
1995年「マリオのピクロス」以来、シリーズ化されるほどの人気を出し、任天堂のもとでずっとピクロスを製作し続けてきたジュピター開発による3DS版ピクロスの登場だ。
これまでパッケージタイトルでリリースされてきたが、数千円払って遊ぶ媒体とは相性が良く無いことがわかっていたのか、今回はワンコインで購入できるダウンロードソフトでの販売となった。
以前にも書いたのだが、ようやくやりたかったことに時代が追いついてきた感がある。
「ピクロスDS」でも、Wi-Fiコネクションを利用した問題の無料配信などを行っていたが、保存領域の問題もあり、完璧とは言いがたかった。
ゲームシステム及び操作性やインターフェイスは「ピクロスDS」を踏襲している。ヒントルーレットがあり、解いた時間が記録される。ヒント数字を自動的にチェックしてくれる機能がある。問題は下画面に表示されタッチ操作でもプレイ可能。
それに加えて、新機能として、どの数字が削れるか教えてくれるナビゲーション機能まで付いている。もちろんOFFにして遊ぶことが出来る。
問題の質は当然として、ゲームとしての質も高かったシリーズだが、本作はダウンロードタイトルとして安価に提供されたからか、クオリティに難点が見受けられる。
150問収録されているが、問題のサイズは最大でも15×15と小さく、うならせる問題がない。悩んだ問題でもせいぜい10分で解けてしまう。
これは、タッチパネル操作も公平にフォローした結果で、「ピクロスDS」でタッチパネル操作をする場合、15×15以上の問題では問題をズームさせないとならない煩わしさがあった。
ボタン操作では全表示のままでもプレイすることが出来たが、表示が小さく目が疲れやすかった。
3DSでは解像度が上がったのと、モニタ自体の性能も当時より向上しているので、この辺はだいぶ改善されている。
また、一部で背理法を要求する問題があるのに、仮置き機能がない。不便である。
公式ページでは、答えが立体表示されることがウリの一つとして紹介されているが、絵が立体になるのではなくパネルごと浮き出るだけであって、たいしたことはない。
期待が大きすぎた反動なのか、がっかり。心底がっかり。
質があまり良くなかったのは、低価格路線で開発したせいなのは間違いない。
じっくり作りこんで、数千円のパッケージタイトルとして売りだせば、高いクオリティを発揮出来るかもしれないが、手に取る人間は限られてしまう。
また、高い買い物になる以上、問題以外に売り込める付加価値を付けなければならない。
質を取るか手軽さを取るか、難しいところである。
中古ショップでダブついているところを見るに、全問クリアしたら売って、それを他の人が買って、また売却して…という感じで、潜在的なプレイヤーは上がってくる実売数より遥かに多いと思うのだがどうだろうか。
安かろう悪かろうという言葉もある。中古市場で利益をあげながら流通されるのはメーカーにとっては不本意かもしれないが、利益より良い物を残そうという意気込みで今後取り組んでもらいたい所だ。そこで結論。
次作以降に期待(あるのか!?)