ポポローグ


対応機種プレイステーション
発売日1998/11/26
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1998 Sony Computer Entertainment / Sugar&Rockets / G-Artists / YOHSUKE TAMORI
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「ポポロクロイス」が「ローグ」に挑戦するという、異色の作品。題して「ポポローグ」!
誰がうまいこと言えと、という感じではあるが、どのような出来映えになっているのか。
テレビアニメとのタイアップも話題となった。

入るたびに構造が変わる自動生成のダンジョンを攻略していくゲームとなっている。
「ローグ」の名前を借りてきてはいるが、継承しているのは自動生成ダンジョンぐらいなものだ。
レベルは継続だし、満腹度のようなパラメーターもない。罠らしい罠も無い。ストーリー主導型なので、はっきりいって普通のRPGと言っていい。
ダンジョンと言っても、町と町をつなぐダンジョンも多いし、ひたすら奥へ奥へという構造になっているわけでもない。

さて。
チュンソフト「不思議のダンジョン」の成功もあり、この手のゲームが増えてきているのだが、もう一度、自動生成ダンジョンの利点を整理したい。

自動生成ダンジョンというのは、何回入っても楽しめるから面白いのであって、普通のダンジョンのように一回入ってクリアしたら終わりのゲームには採用する意味がない。
このゲームでは、その問題点がモロに露呈してしまっている、というのが最初に受けた印象だ。

ダンジョン攻略を軸に据えていることもあり、例えば、一度目に入っただけでは封印された扉があって入れなかったり、ゲームを進めるとダンジョンが広がり新たなエリアが出現するなどのギミックがある。
だが、とどのつまり、いろんな条件で扉を封印したり、エリアを封鎖したりしてるが、結局はストーリーを進めることで先に進めるようになるので、せっかく探索していても行けない場所が多くて白けてしまう。

どこかにあるスイッチを起動して扉を開くみたいな仕掛けも多く、また、自動生成と言いながらも、エリアごとに宝箱の中身が決まっていたり(そういう宝は一度取ると次入った時は宝箱は開いたまま)、固定要素が結構多い。
ダンジョンごとに変化をつけて何度も足を運ばせる作りにしていながら、入るたびに構造が変化する。これでは、変化に気づきにくいし、一度クリアしたダンジョンは敵も弱いので探索する楽しさがない。

これなら、わざわざ「ローグ」にしなくても、ダンジョンの構造は断然固定してしまったほうが良い。そのほうが、一度目には入れなかった場所に行ってみようと言う気になるし、ダンジョンを踏破する喜びもある。
ストーリーの流れ上、同じダンジョンを何度か通らされることもあるのだが、近道を用意しましたといってもわかりにくく、最初と違ってプレイヤーが強くなって敵が弱くなっているので、緊張感が全くない。自動生成ダンジョンがどちらかと言うと仇になってしまっている。
はっきり言って、「ポポローグ」なんかにするより、「ポポウィザードリィ」にしたほうが、絶対趣旨にあっている。

「ポポロ」ということで、やはりフィールドはクォータービューを採用している。
前作では、障害物や物陰が多く出来て、構造がわかりにくく遊びづらかった。今回は同じ場所でも構造を見直したりして、幾分マシになった。
しかし、宝箱や住人との会話など、調べたいものへの当たり判定が狭くイライラしてしまうことが多々。前作の広すぎるぐらいでちょうど良かったように思う。

肝心のダンジョンは、通路とか部屋の構造がクォータービューのせいで、レーダーマップを見てもなおわかりづらく、遊びづらい。後、ダンジョン入るたびにレーダーマップを表示させる魔法「ホーリーマップ」を使わせる意味あるか?
フロアの切り替えも多く、マップを切り替えてしまうと倒した敵が復活してしまうのもウザい。せめて1フロア(同じ階層)ぐらいは1つのマップに収めて欲しい。迷うし敵が復活するしでいいことがない。

戦闘も、移動の要素が残っているのだが、正直、いるか?と思う出来。
また、子供向けに売りたい作品という意図があるためか、難易度がどっぷりぬるま湯で、ほとんど決定ボタン連打で攻略できてしまう。ダンジョン探索系のゲームでコレは辛い。
回復ポイントが豊潤に配置されてるし、アイテムは持ち込み放題だし、本当に困ることがない。

一方で、インターフェイスは見直されて整理され、かなり洗練されたものになった。
自分はあまり気にならなかったが、前作で読みづらいという指摘があったのか、文字にやりすぎなぐらいに輪郭線を付けて、読みやすくしているのは良い配慮だと感じる。

問題点というか気になった点は他にもあって。

ストーリー展開に応じて、一度行った町に戻ったりということも多いのだが、その割にはドラクエの「ルーラ」のような魔法がない。「りゅうのつばさ」というアイテムでポポロクロイス城には戻れるのだが、それだけだと不便。
町を行ったり来たりするためには、間に挟まれた自動生成ダンジョンを通る必要があり、これがまた面倒。

前作で一緒に戦ってくれたナルシア、ガミガミ魔王などは登場はするものの、パーティに入って戦ったりなどはしてくれない。
その代わり、傭兵所で戦士、弓使い、僧侶といったキャラを2人まで雇って一緒に戦うという形になっている。

最大4人パーティで、残った1枠はなんなのかというと、戦力にはならないけどいると便利なサポートキャラを連れて行くことが出来る。
が、戦闘に参加するものの攻撃しないし、どちらかと言うと邪魔。普通に敵の全体攻撃を食らったりするし、その割にパラメータが低いので攻撃を受けまくるとすぐHPがなくなって離脱してしまう。

他にもモンスターを捕まえて、一緒に戦ってくれる要素もあるが、なくても十分ゲームとして成立すると言った感じで、あまり必要性がない。

特定のアイテムを集めるとイベントが見られるとか、スタンプカードにスタンプを押すとか、色んな遊びが用意されているんだけど、どうももう一つ。

そもそも、「ポポロクロイス物語」は、ストーリーや世界観が特長となって人気になった作品である。それをダンジョン探索型RPGとしたところで、ファンは嬉しいかというと、ちょっと疑問が残る。
悪いゲームじゃないんだけど、ちょっと方向性を間違えてしまった感が拭えない。

一応ストーリーもあるが、前作みたいにアニメムービーはないし、どことなくオマケっぽい感じが漂っているのも残念。

そこで結論。

テレビアニメのタイアップを重視して発売を先急いだ印象。ポポロらしさ薄し!





[2018/01/18]
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